10年来のチェンジリング

プリンセス・プリンシパル2話の感想です。ネタバレ注意

 

 

 

・アンジェ=ルカレはインコグニア出身のドジっ子

 

というカバー(スパイが表側で演じる人物設定)。インコグニアは(正史において最高峰の畜生国家である)ブリカスの植民地らしい。

 

#02 case1 Dancy Conspiracy

 

ナンバリングは逆行じゃなくて変則時系列だったらしい。『物語は冒頭に収束する』『作家は処女作に向けて成熟する』などの格言のようにこれから1話を終着点とするストーリーが展開されていくのだろうか。

それにしては1話はそこまで最終話らしくないのが気がかりだ。さらに全12話という話もあり、#01case13はミスリードで途中でcase20なんかに飛んでいくなんてことが十分考えられる。

副題は訳すと踊る陰謀。内容そのまま、踊り場で繰り広げられるスパイとプリンセスと公爵それぞれの目まぐるしい暗躍を指している。主人公(共和国)サイドの任務・状況がコロコロ変わっていくことも含んでいるだろう。

 

チェンジリング作戦

 

王国のプリンセスをスパイと入れ替わらせるという共和国側の作戦。王位継承権第四位、プリンセス・シャーロットに激似のアンジェの存在から立案された。入れ替わらせたら本物は(少なくとも表の世界からは)消すしかないであろう物騒な作戦である。

 

ドロシー「養成所以来の腐れ縁とはいえ、私も驚いたよ」

 

ドロシーとアンジェはかつて同じ養成所に所属しスパイとしての訓練を受けたという言質。1話の「諜報機関に拾われた」は本当だった?

 

アンジェ「ハタチの女が高校生やってるから」

ドロシー「仕方ないだろ!命令なんだよ!」

 

ドロシーは成人。年長者感はあったけども中々...。タバコ吸うカバーのためには成人を宣言しとかないと教育的にマズイという配慮もあるだろうか。

 

 

おっさん「パーティードレスを2着、大至急?」

L「許可する。送ってやれ」

 

即答で笑っちゃった。スパイは本部に要求したら大抵のものは揃えてくれるシステム。にしてもドレスめちゃくちゃ似合ってて誰が選んだんやって感じだ。

 

・ダンスパーティー

 

自動演奏オルゴールに見入る人々。当時は珍しかったらしい。

 

ドロシー「外務卿主催だけあって西側からも客が来てるな」

 

まだ2話でそこまで頭に刷り込まれていないと混乱する。西側=共和国、東側=王国でこのパーティーは王国の外務卿が開いたもの。アンジェたちは共和国サイドのスパイで王国側に潜り込んでいる。

 

・緊急指令

 

軍事上重要機密である新型艦建造計画書を盗み出したのが(西側の)モーガン議員であることをコントロールが特定。彼も出席しているパーティにノルマンディー公が現れることも把握しそこで取引が行われることは確定的。そこでコントロールは丁度居合わせたアンジェとドロシーにモーガンが計画書を隠した金庫の鍵を奪還する命令を下す。

まさにギリギリのタイミングでの連絡だが指令書をドロシーに渡した黒服はどういう連絡経路を辿って指令を得たのか。19世紀初頭にどんだけ早く伝達できるんだよという。スパイってすごいんだな(

 

アンジェ「こんにちは!!」

 

カバーモードのアンジェの声かわいい。

 

プリンセス「どこかでお会いしたかしら」

アンジェ「初めてです、でもあなたのお顔はずっと知ってました!」

ベアトリス「当たり前でしょ!姫さまは・・・!!」プリンセスに制止される

プリンセス「お名前は?」

アンジェ「アンジェ。私と、友達になってくれませんか?」

 

ここのプリンセスはまず反射で笑顔になってしまう。当然、10年来の友達(姉妹?)が突然現れたから嬉しいのだけれど、会うのは初めてだと嘘を言われたのでアンジェに事情をあることを察知。彼女に合わせて会話を試みる。

 

プリンセス「私はつまらない人間よ?お友達になっても楽しくないと思うわ」

アンジェ「ううん。楽しい」

プリンセス「どうして?」

アンジェ「私たち、正反対だから...

プリンセス「...いいわ。私たち、お友達になりましょう!」

 

ドロシーとベアトリスの「え、マジか」みたいな顔が面白い。そしてプリンセスは本当に楽しそうに話してる。正反対については後程。

 

アンジェ「よろしく、プリンセス!!あ、あぁぁ!!」

 

アンジェ迫真の演技。プリンセスのドレスに有機色素製ワインもどきをこぼし、(次亜塩素酸塩で)綺麗に(酸化)漂白すると宣言してドレスをゲット。一時的にチェンジリング作戦を実行する道具を入手。プリンセスと瓜二つに変身。相違点はティアラの有無。アンジェはティアラをつけていない。

 

 

・暖炉の部屋での会話

 

プリンセス「ねぇ、ベアト?」

プリンセス「もし天使と悪魔がいるとしたら、嘘をつくのはどっちだと思う?」

ベアトリス「え…?それは悪魔じゃないですか?天使は神の使いですから真実しか言いません」

プリンセス「だったら私は...悪魔と友達になりたいわ」

 

ダージリンオレンジペコっぽいやりとり。髪の色だいたい一緒だしキャラ配置論的に参考にしてそう。

プリンセスの含意は正確には分からないが、大枠としては1話アンジェの「本当のことは面白くないから」という主張に近いと思われる。正反対だとアンジェに言われたプリンセス。これはアンジェとプリンセスが10年前に入れ替わっているという関係性に依る立場的な意味であって、性格・この世界に対する姿勢としては意外と二人は似ているように見えるけども。

あと天使と悪魔が出てくる作品と言って一番卑近な例として挙げられるガヴリールドロップアウトにおいては月ノ瀬と胡桃沢よりも天真と白羽の方が嘘をつきそうである。というか悪魔2人が嘘をつくようには思えない。

 

・アンジェさん一体何者

 

2話前半の学校でプリンセスを観察するシーンでは恐らく読唇術を行っており、パーティーに潜っては参加者の1分あたりの歩幅を計算し、首飾りの中に水溶有機色素カプセルを仕込み、プリンセスの声をほぼ完璧に再現し、左右の呼吸音の違い(と何かの薬を飲んでいたこと)から肺の病気を特定し、自分のことを女神と称し、プリンセスと二人で芝居を演じてチェンジリング作戦を潰し、尚且つプリンセスの身の安全を保証するよう計画を変更させたアンジェ。

かくして彼女の正体は超絶有能スパイというだけでなく本物のプリンセス(本名:シャーロット)であった。ロンドン革命で何らかの事情があって現在のプリンセス(本名:アンジェ)と入れ替わった。見た目がそっくり、目の色もほぼ同じときたら姉妹の可能性も高まるわけだが、姉妹かどうかに関わらず1話アンジェの「両親が殺されるのをこの目で見た」というセリフの真偽は王家の人間(どころか直系なら国王と王妃)の生死に直結することとなる。回想は間違いなく入るからその時に答え合わせ。

 

・アンジェとプリンセスの芝居

 

芝居を打つ相手は二人を除いた全員。プリンセスがアンジェとドロシーを共和国のスパイだと特定したように見せてコントロールを脅し、アンジェが時間的猶予のなさをコントロールに訴えることによってプリンセスとの取引を強引に取り付けるという筋書き。

 

アンジェ「目的は?」

プリンセス「女王になりたいの」

ベアトリス「姫さま!?」

アンジェ「貴女の王位継承順位は第4位よ」

プリンセス「あなたたちが手を貸してくれれば、1位になれるんじゃなくて?」

ベアトリス「国を売るおつもりなんですか!?」

プリンセス「ごめんなさいベアト。私、悪い女だったの」

ベアト「―――ッ!!」

 

ベアトリス、人気でそう。

このプリンセスの野心は本物だろうか。プリンセスに成り代わったのだから上り詰めたいというのは真っ当な感情だろうが彼女がそこまで野心家であるようには見えない。しかし何を考えているかも分からない『食えない女』なので色んな可能性が混在している。

 

 

・焦るコントロール

 

L「プリンセスが取引を持ち掛けてきた。応じなければAとDの正体をバラすと言っている」

おじさん「プリンセスにバレちゃったら、チェンジリング作戦は終わりだね」

7「AとDが逮捕されれば貸金庫の鍵もノルマンディー公の手に落ちます」

大佐「ならば取引に応じろ!」

 

7「プリンセスが独力でスパイを発見できたとは思えません。背後に何らかの勢力がいる可能性があります」

大佐「分析屋は黙っていろ!」

大佐「これは重篤な国際問題だ。条約違反が露見すれば、紛争が紛争のまま終わる保障はない。下手をすれば、世界大戦になるんだ!」

 

大佐「軍として要請する!プリンセスの要求を受け入れろ!」

7「プリンセスには二重スパイの可能性があります」

L「我々としては内部にモグラを抱えるリスクは看過できない」

 

通信使「Aからです!『情報漏洩の可能性ありと認められた場合、私がプリンセスを殺します!』」

 

こうしてみるとアンジェとシャーロットの2方向からジリジリとコントロールの選択肢を狭めていっているのがよく分かる。

A,Dはコードネーム。A:Ange、D:Dorothy、そしてB:Beatrice、C:ChiseでABCDと綺麗に並ぶ。Charlotteは特別枠。

 

 

CharlotteからAngeへの手紙

 

文字が小さいけど解析されたらしい。

My dear Ange

I have waited a long time for this moment. There are many things I’d like to talk about.

But there is little time to explain my dearest Ange.

I have become a spy like you become a princess.

I’m a spy on a mission. My purpose is to procure Mr. Morgan’s key chain.

Would you lend me your dress for this purpose?

I’ll explain in detail later.

I have to take responsibility for your difficult [???]

Sorry to spoil your dress…

Yours truly.

Charlotte

 

 

 

親愛なるアンジェへ

この瞬間をずっと待ってた。話したいことが山ほどあるわ。

けど時間がほとんどないの、アンジェ。

あなたがプリンセスになったように私はスパイになった。今は任務中。目的はモーガン氏が持つ鍵を奪還すること。

そのためにあなたのドレスを貸してくれないかしら?

あとで詳しく説明するわ。

私はあなたの難しい[???]の責任を負わなくてはいけない。

ドレスを汚してごめんなさい…

敬具

シャーロットより

 

 

 

じーっと拡大して眺めたけど[???]の箇所は”goal”のように見える。もしそうなら『私はあなたの難しい目標の責任を持たなきゃいけない』となる。大した情報は得られない。

 

パーティー中の二人だけのやり取りがこれだけなら、プリンセスの野心は本物という可能性が少し上がる。いずれにせよ10年前に二人がどのようにして入れ替わったのかというのがロンドン革命時のチェンジリングの争点になる。

 

 

構成が非常に複雑、1話あたりの内容も豊富で一度で理解するのが難しい凝ったアニメである。引き続き、3話へ期待が高まる。