運命の赤い糸

有頂天家族2のアニメ最終話までの感想なのでネタバレ注意

 

一言で良い最終回だった。二言目を述べるとすれば神アニメ化であった。三言目を足すと海星かわいい。

 

まずはAパート、矢三郎の夢でもそうだったが弁天は氷結能力を前面に押している。これは弁天の冷血をイメージしてる、と言いたいところだが【2】において弁天の立ち位置は【惨敗・屈辱】と思われるのでそこまで合致しない。どちらかというと冷血なのは二代目なんだが最終話においてだけは彼の心象が【激高・逆上】だったので炎を使いこなすことになった(弁天が氷なのはこの対比のためだけのように感じる)。

 

「貴女は本当にそっくりだ...」

 

この描写、アニメから入った人は理解できるのかなーと思いながら原作読了太郎はバツ印の追加描写にニッコリしていた。彼女は敗北した二代目に見切りをつけ、弱さを自覚した二代目が「見るべきものを見に」英国へと赴くという二代目のオリジンの話。天狗の背景描写は少ないので注視しなければならない。

 

それにしても放送前から期待していた最終盤の荒れ狂う二代目の描写は圧巻だった。ほんとに子供みたいに拗ねてて、悔しそうで、弁天を撃墜して鬱憤を晴らしたかと思っても業火に揺れる自宅を眺めるとあの時と同じ敗北的虚無に晒され、心の底から憎悪していた父親に鎮火という隠喩で慰められ、追い打ちを掛けるように降り注ぐのは父親に負けたあの日と、ロンドンのあの日を思い出させる大雨ときている。流石に彼の心も折れてしまうわけである。この一連の展開を満足いくクオリティの映像で見られて感動した。

つかぬことを言うと「悔しかったら、強うなれ」のセリフはもっとゆっくり言ってほしかった。

 

Bパートは後日談がメインである。

まず最初に、原作のラストシーンである矢三郎と弁天のシーンが来て拍子抜けした。弁天は人生初の敗北からそこまで時間を置かずに二回目の敗北をしてやはり尋常じゃなくヘコんでいた。それを矢三郎が慰めてあげるわけだが彼は彼女に自分が必要ではないことをようやく自覚する。それは相手が自分を食べようとする人間だからか、はたまた天狗と狸の平行線的関係性に依るのか、その両方なのか。まぁ今の弁天がまだ矢三郎を食べてしまおうと思っているかどうかは怪しいところなんだが、ひとまず矢三郎が初恋に決着をつけたということで。

次のシーンは俺妹完走後なので呉一郎の声(中村悠一)に笑ってしまった。良い性格した男がこんなカッチョイイ声してて好感を持たないわけがない。

そしてポンポコ仮面と結婚式を飛ばして、矢三郎と二代目の会話である。特筆すべきは「私と君は友達になれるだろうか?」というセリフの削除。これは二代目の意図が読みにくいがために不自然な描写を残すことを嫌った結果のようにも見えるが次作への伏線というのはそういうものなんじゃないだろうか。お互いの未来を称える友好的関係というだけで二人の位置づけとしては十分という判断かも。でもさっきのセリフに対する原作矢三郎の返答は平行線は交わらない、だからなぁ。細かいが気になるところだ。

 

「いずれ夫婦になるよ」

 

来たな。原作では8話『夷川海星の秘密』の終盤の激エモシーンの直後にこのエピソードが入っており急すぎる違和感がすこしあったけどアニメでは海星の駆け落ち宣言と矢三郎の守るべき存在としての意識の萌芽を先に描写して改善されている。最強としか言えんが、もう健気も健気、嬉しそうに足を動かす海星がかわいすぎる。勝手に幸せになるがいいという師匠の言葉が耳に沁みる、これ以上とない幕引きであった。

 

有頂天家族3について特に話は出なかったけどいつ原作が出るのか気が気じゃない。2までから透けて見える話のネタとして

・海星VS弁天(一番見たい)

・矢三郎と海星(化けの皮の克服)

・矢次郎と青蘭

・呉一郎

・地獄から舞い戻るあいつら

・二代目と師匠の決着、天狗世界の安定

 

楽しみがいっぱいっていいよね。夢が広がる。