RELEASE THE SPYCE 展望

こんにちは、minamoです。

 

今期は割とアニメを見ているので久しぶりにリアルタイムな記事を書こうと思います。

 

今回はRELEASE THE SPYCEと言って女子高生スパイ系アニメについてです。

 

女子高生...スパイ...???

 

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???「どこかで聞いたようなお話ですね」

 

そう、このデジャヴは2017年度の(個人的)最高峰作品だったプリンセス・プリンシパルさんによるものである。メインキャラも女の子だけだしかなり近いテーマで勝負するのは挑戦的だなぁと思ったり。

 

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ただし1話から物々しい不穏な雰囲気を携えていたプリプリに対し本作は柔らかいタッチのなもり絵*1の印象もあってかかなり平和的な印象を受ける滑り出しとなっている(2話時点)。舞台が現代日本だからなのかな、戦闘シーンなんかもイマイチ危機感がない。オタクは不穏が好きである。折角スパイとかいう語感としては暗めのネタを扱うからには今のはんなりムードから一転して陰鬱な展開にした方が注目浴びられるんじゃぁないだろうか?そこでストーリーを練り出す企画・シリーズ構成は誰だろうと見てみよう。

 

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タ  カ  ヒ  ロ  (  み  な  と  そ  ふ  と  )

そう、『勇者シリーズ*2』のシナリオを産みだした巨匠である。勇者シリーズといえば四国のかわいい女の子たちのはんなりした日常からいきなり人類存亡の命運をかけた命がけの戦いにシフトし世のオタクを震え上がらせた物語である。古くはまどマギ(通して見たことはないけど話の大筋は知ってる)に始まり、その後もがっこうぐらしなどの名作に繋がっている『日常と見せかけた微ホラーファンタジー』の系譜に当たる。

さて、勇者シリーズは『勇者システム』や『満開』というイカサマによって身体強化するもののそれに対し恐ろしい『代償』が発生するというネタがあったわけだが、ここで何か察するところがないだろうか。

 

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???「キめるぞ!」

 

いや、キめるぞじゃぁないんだよな。この強化ドラッグ明らかにヤバいお薬でしょ。ということで薬に副作用があるっていうのが安直な予想だけどもOGのおねえさんが普通にカレー屋さんで働いてるからそんな深刻な問題にならない気もする。タイトルに入ってるほどの『スパイス』に何も仕掛けがありませんってのもないだろうし何かしらのイベントはあると踏んでるけど果たして。

 

アニメ版ではメインから1.5人ほどしか死者を出さなかったタカヒロだけどもノベル版『乃木若葉は勇者である』なんかでは女子高生をいともたやすく殺しまくってるので風の吹き回しによってはここからどんでん返しの違法ドラッグサイコパスアニメになる可能性もなくはない(ない)。

本作で死者が出るのかを考えてみよう。モモちはまぁ死なん。半蔵先輩は重体で前線を離れることはあってもタフネスで死にはしなさそう。発明オタクであるところの発芽さんは裏方担当で戦闘機会が少ないので除外。楓ちゃんが死んだらオタクたちが暴動を起こすだろうし命ちゃんが死んだら僕が一人で暴動を起こす。とすると現状五恵が一番死にそうだなぁと。

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五恵はロングヘアーの子ね。命ちゃんの訳わからん制服(これただの私服だろ)がかわいい。

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制服といえば2話は季節の変わり目で途中から夏服になったけどこの夏服脇が甘すぎて空崎高校の男子生徒に悪影響しか与えないと思う。良くないよ、本当に良くない。

 

 

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最後に一応真面目なメモをしておく。2話のこのシーン、半蔵師匠から『誰からもらった食べ物でも毒味すること』って言われた後の話なんだよな。直感だけどこのコロッケ屋は信用できない。平気で食べてるモモちも不用心な気がするしこれは重大な伏線であることを信じてやまない。

 

 

アニオリ序盤で今後のストーリーを妄想するときが一番楽しいという説があるな。読了ありがとうございました。

*1:ゆるゆり見たことないけど。

*2:結城友奈は勇者である/鷲尾須美は勇者である/楠芽吹は勇者である/乃木若葉は勇者である

『氷菓』感想やら ~波乱ある古典部の嚆矢~

こんばんは、minamoです。近頃の朝晩はびっくりするほど涼しく(むしろ肌寒く)季節の変わり目を全身で実感してます。

 

今回は前々からオススメされてた傑作(と言われている)『氷菓』のアニメを見たので色々書いておきます。

 

 

 

章ごとの感想

原作は物語ごとに本のタイトルが与えられているがアニメ版も各話ED前の英語字幕によって各シリーズに分割される。

氷菓』編 ~The niece of time~

1話から5話まで。物語の中核である古典部における各登場人物の紹介の後、最初の大きな【謎】である関谷純の秘密を解き明かす話。えるから二人きりで休日に呼ばれ秘密を共有し家にお邪魔し自室まで覗いてしまった負い目から奉太郎は深入りする必要のなかった『謎解き』を始めてしまう。強引に灰色世界*1から薔薇色世界*2へ連れ出された奉太郎は未だ自立的行動に対し消極的。

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4話における奉太郎による関谷純の謎解きについては『確定した事実に矛盾のないストーリーを補完してみた』という具合で確度はそこまで高くない推理と感じたが状況証拠が特殊なのでうまく行ったというところ。この『創作感』と『非難できるほどではないツメの甘さ』は次章へも波及する。

関谷純が『氷菓』に託したある種の遺言はえるの原点として影響を与えることになる。えるは気になることがあれば奉太郎に頼りっきりだがこの後の作品において合間合間でえるの核に叔父の一件が噛んでいることが分かる描写が存在する。

悲劇と言われる通り事件内容はそこそこシリアスだったんだけど解決編で奉太郎が書いた"I scream"が筆記体なのは不意打ちで笑ってしまった。初登場時から老成した雰囲気を湛えていた彼だがこのエピソードは一周まわってかわいく思える。そしてこのかわいくないようなかわいいような高1を古典部に誘導したのがその姉である供恵である。本編は奉太郎の「まさか姉はこうなることを全て見越して...?」みたいなセリフで幕を閉じる。終始高校生たちを超越したところから物語に干渉してくる供恵のキャラ配置を示して第一部完という感じ。

 

幕間:6話『大罪を犯す』7話『正体見たり』

短編が2つ挟まっている。

6話は怒ることがなさそうなえるが怒る話。テーマである【7つの大罪】とは暴食」「色欲」「強欲」「憤怒」「怠惰」「傲慢」「嫉妬」。奉太郎が「俺が犯す大罪は『怠惰』だけで十分に過ぎるというものだ」と口にするがこれがフラグになってしまったようで、以後彼は大罪スタンプラリーを始めることとなる*3

えるが毅然とした態度で先生に物申すところは氷菓編で言うところの『声を上げる強さ』に他ならない。

また、えるは大罪について以下の見解を示す。

「怒らないことがいいこととは思いません 傲慢や強欲も大事だと思うんです」

すなわち程度の問題であり、必ずしも悪いことではない。むしろ正の側面もあるはずだという主張だがこれは以降氷菓でちょいちょい出てくるタロットの二面性*4に通じてると思う。タロットのスタートラインであるところの『愚者』と謂われるだけはある。

 

7話は温泉回。どうもこの回は奉太郎とえるの親密度がやたら高く感じるので調べてみたらやはり時系列に多少のいじりがあった。奉太郎が温泉の向こう側の音を気にしていたり枕元の声を気にしていたり絶望的オタクの才能を見せているのがとてもよかった。

 

愚者のエンドロール』編~Why didn't she ask EBA?~

 8話から11話まで。女帝の異名で知られる入須先輩のクラスの出し物であった自主製作映画の脚本が倒れたことにより未完成となった物語の真実を古典部が探偵役となって探す話。

この話で重要なのはまぁ姉の息のかかった入須先輩が奉太郎の自尊心をボコボコにする点。えるの影響で謎解きを始め無自覚にも愉悦を見出そうとしていた奉太郎にとって、気分良くやってたとこに「お前は私の手のひらでよく踊ってくれた。楽しかったか?w」みたいなことを言われたらまぁ~~~~癪だろう。他の古典部メンバーもそれなりで、これまで奉太郎にしかできないような謎解きを見せられ魅入られてきたにも関わらずただ少しの違和感から奉太郎が間違っていると彼を責める。いや、冷静に福ちゃんと摩耶花は代替案があるわけでもないのに奉太郎の策にあそこまでズケズケ言う必要あったか...??友達ならもうすこし柔らかく伝えても良いと思った。

また解決編(11話)のえるの吐露は奉太郎にとっても僕にとっても衝撃だった。謎に直面した際えるは奉太郎と比べ当事者の心理的側面からアプローチする傾向があるが、今回もクラスという集団の圧力に対し潰れてしまった可能性のある本郷にいち早く着眼していた。奉太郎が無自覚にも『万人の死角』という創作を為し名探偵派の顔つきをしている隣でえるは本郷の心情を軸に彼女の描いたシナリオを考察するという真の探偵役になっていたのだ。

氷菓の一件から本郷に叔父や自分の姿を重ねていたことも彼女が探偵足り得た一因だろうが基本的にえるは他者を慮る優しさの権化である。入須先輩に良いように扱われていたことと自分のつけ上がりを知ってしまったことでグレていた奉太郎に対してもエピローグでえるが「折木さんも折木さんらしくないですよ?」と切り出し謎を尋ねる日常に戻らなければ奉太郎はしばらくの間鬱病モードだったことだろう*5

事後譚でいうともう一方、入須と姉のチャットがあった。

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このあと姉は返答することなくチャットルームを去るがその心はどうであったろうか。画像の前の会話で入須が「彼には悪いことをした」と言いそれに対し姉は「本当にそう思ってる?」と返していることを含めると姉は入須の心を見透かしたいというわけではなくむしろ入須より奉太郎のことを気にかけているように感じる。個人的には『お前は仲間を傷つけないようにあのバカを頼ったが、そのためにあのバカを傷つけるのは厭わないとは随分勝手な身分だな』と読んでしまう。姉にはブラコンであってほしい。シスコンなので。

その後姉から奉太郎にフォローがあった描写はないし文化祭で姉が入須をボコボコにするということもなかったので全くの妄想でしかないのだが、逆にノーヒントであるからこそこれくらいの妄想は許していただきたい。

 

クドリャフカの順番』編~Welcome to KANYA FESTA!~

 文化祭。12話から17話。誤発注により200部も届いてしまった文集を捌く解決法を模索しつつ祭りの中で発生した『十文字事件』を推理する話。

祭りらしくえるがいろんな出し物を見て回ったり*6福ちゃんが参加型イベントに出場してみたり*7これでもかというほど青春の迸りが描かれる。

さて、このシリーズが長めなのは事件の複雑さではなく事態の複合的展開に起因する。祭りを楽しむえる、楽しみつつも葛藤が肥大化する福ちゃん、文集の売れ行きとえるの写真を眺める奉太郎、そして漫研の先輩と険悪なムードになる摩耶花、さらには十文字事件が起こり...。全てが横一線にジワジワと進んでいくのでやや冗長に感じるところがあった。しかしそのぶん解決編(クライマックス)は強い。

 

まず摩耶花。彼女にとってこの文化祭は受難続きだった。

 

  1. 開幕前、古典部の文集の発注ミスをする。
  2. 漫研の先輩と揉め、同級生には嫌味を叩かれる。
  3. あったはずの『夕べには骸に』が見つからない。
  4. 料理リレー対決で大将を任されるもチームの中堅が食材を使い切る。
  5. 作品だけでなく服に絵の具をこぼされる。

 

まぁ〜酷い目に遭ってる。歪の者なので良い子が酷い目に遭うのはそれなりに好きなんだけど摩耶花は芯が強く決してへこたれないので普通に見てて辛かった。ボロ泣きとかしてたら「これだよこれ!!!!!!」ってなってたと思う(カス)。アニメ通して中々報われない摩耶花*8だけど折れないのは本当に素敵だと思う。折れてほしい気持ちもあるけども。

 

さて、次からは本編の一大テーマである『期待』を軸に数点書いていく。

 

千反田えるは入須冬美のように『期待』できない。

200部の『氷菓』を何とか売ろうと奔走するえるはその過程で入須式女帝学入門を教えてもらうが、どうにも柄に合わず調子がおかしい。校内放送を聞いた入須先生からは「お前が期待を操ろうとすると甘えているように聞こえてしまう」との評をいただく。激・かわいいのでオタクは釣れる*9と思うんだけども入須は今後えるがその振る舞いを続けると変な癖がつきかねずえるにとって良くないと判断しやめるように言う。

「単刀直入な言い方しかできないのはお前の弱点だが、他では得がたい武器でもある」

素直で純真なお前の方が素敵だという口説き文句である。うーん、これは女帝。

 

福部里志折木奉太郎に『期待』する。

17話の解決編において、これまで散りばめられていた伏線を奉太郎が鮮やかに回収し犯人に辿り着くところを目の当たりにする福ちゃんの表情は複雑だった。入須からは『心からではない』期待と賞賛を受けた奉太郎だが福ちゃんは紛れもなく『心から』奉太郎に期待している。そして、彼の期待に関する持論は以下の通りだ。

「どうも彼はね、『期待』って言葉を軽々しく使いすぎる。自分に自信があるときは『期待』なんて言葉を出しちゃいけない。...期待っていうのは諦めから出る言葉なんだよ。そうせざるを得ない、どうしようもなさがないと空々しいよ」

 過去の積み重ねから彼は自分と奉太郎との間にあるどうしようもない差を理解している*10。だが、「勝ちたいわけじゃなかったけど、見上げてばかりじゃね」と思う心も捨て置けないわけで非常に心が痛むシーンだった。彼の心を解する摩耶花が彼の服をそっとつまむところは切なさの臨界点である。

かくして福ちゃんは「データベースは結論を出せないんだ」という口癖に立ち返るのだった。

 

・河内亜也子は安城春菜に期待できない。

誰やねんって思った人が多いんじゃないだろうか。僕もフルネームは調べないと分からなかった。河内先輩は漫研で摩耶花と揉めた人で、安城春菜は『夕べには骸に』の原作者。

安城にとっての処女作であった『夕べには骸に』の出来が良すぎたため、彼女より前から漫画描きに携わってきた河内はその才能の差を認められず途中で本を閉じ押し入れの奥にしまい込む。

「だってさ...読んじゃったらさ、電話しちゃうじゃない。でも電話してさ『読んだよ、あんたスゴいじゃない!次も期待してるよ!』なんて言えないじゃない...ね?」

『読んだらすぐ電話しちゃいたくなるほどの』親友であった相手に対して期待=どうしようもない差というものを感じたくないというのが河内の心だ。嫉妬のような負の気持ちを友達に向けたくない、だから読むことはできないという悲劇である。

そんな河内が手すりに描き残したロゴは摩耶花が「やっぱりコレもいい...私のは百枚落ちる」と感じた『ボディトーク』のものだった。摩耶花は自分からしたら十分な逸材である河内が更なる高みに対し一連の葛藤を秘めていたことを知って涙せざるを得なくなる。これだ。一人残されやりきれなさに(周りに誰かいるときには決して流さない)涙を流す摩耶花、これが見たかった。

 

 ・田辺次郎は陸山宗芳に絶望する。

 田辺次郎は十文字事件の犯人で陸山宗芳は生徒会長にして『夕べには骸に』の作画担当。安城同様圧倒的才能を持っていた陸山が『夕べには骸に』以降ペンを握らないことに対し、彼のような力を持たない田辺が業を煮やし十文字事件によって口には出せないメッセージ『陸山。お前はクドリャフカの順番を読んだのか?』を伝えようとする*11。だが陸山がその意図を汲むことはなく、前作を超える名作になるかもしれなかった『クドリャフカの順番』が生まれることはなかった。

「ムネは、安城さん渾身の原作を開いてすらいなかった。暗号は解かれなかった。メッセージは、伝わらなかったよ...」

 ここの力なさげな田辺は心底絶望している感があって凄みがある。特異な才能を持つ人間にやる気を出させることもできなかった彼の虚無は如何にして埋められるのだろうか。河内先輩と田辺先輩についてはアニメでは以降出番がないため救いがないまま終わってしまうこととなる。アーーーーーメン。

 

と、4ペアについて『期待』をキーワードにした関係性が展開されていた。キーワードは『才能の有無』にも置き換えられる。

  • 交渉・人心掌握に長けた入須と上手くやれないえる。
  • 謎解きの推理力がある奉太郎と結論を出せない福ちゃん。
  • 処女作で圧倒した安城と呑まれかけた河内。
  • 気まぐれで名作を描いた陸山と足元にも及ばぬ田辺。

才能という眩しすぎる輝きに中てられる高校生ってテーマは本当に飽きない。

 

遠まわりする雛』編~Little birds can remenber~

18話から22話は短編となっている*12

さて、ここからは基本はんなりラブストーリーでありパソコンの画面やキーボードを破壊さんとする己の衝動との闘いだった*13

 

18話『連峰は晴れているか』

奉太郎や摩耶花たちの中学の教師であった小木正清の記憶を思い返していると気になる点が出てきた奉太郎と『奉太郎が気になった事案が気になった』えるによる図書館デート。今まで平気でランデブー下校していたのに奉太郎が突如意識しはじめ「先に行っててくれ」などと供述するのに対し豪農の令嬢は「二人乗りでもいいですよ」と建設的提案を投げかける。まぁ無理なので結局先に行かせるのだが「なぜ今日は一緒に歩かないのか」とえるが気にならないのは理由にある程度の察しがついているからとしか思えない。

さて、今回の話における謎は小木正清が授業中に1度だけヘリを気にしていたのがなぜなのかであった。奉太郎は彼の落雷伝説からすぐに登山へ結びつけ、登山家であるならば救難ヘリを気にしていたんじゃないかと推論を立て早急に図書館へ事実確認に向かう。何の緊急性もない事案で、そもそも奉太郎が微塵の義務もない行為を自発的に行うということで福ちゃんと摩耶花は青ざめるほど心配する。この心境の変化はえるの影響で奉太郎も少しはマトモな人間に近づいたのだと前向きに捉えることもできるし事実そういう面もあるんだが、本質的にはややネガティブ面が強いと思っている。というのも、奉太郎は入須先輩の一件で自信を失っていた。そしてえるの介護やクドリャフカの謎を解いて復活してきたところにこの話が来た*14とすればこれは『自分の推理が間違ってるかもしれない』という強迫観念を振り払うための行為に映るのだ。突然図書館に寄ると言い出した理由を福ちゃんに説明する奉太郎の言葉は「気になる」ではなく「気が済まない」と聞こえた。まぁこれは単なるオタクの斜な読み方に過ぎない。なんだかんだ他人には甘いが自分の願望には(めんどくさいというスタンスを取りつつも)ある意味ストイックな奉太郎が狭義の自己都合で行動したというのは衛宮型の英雄志向に堕ちないという点でもキャラクターにとって喜ばしい変化だろう。

 

あとこの回に出た些事だけども豪農千反田家にてえるが椎茸栽培にハマっているそうなので椎茸そんな好物じゃなかったけどちゃんと食べるよう心がけます。

 

19話『心あたりのある者は』

部室デート。何かしらんけど福ちゃんたちがいないから二人きりではんなりタイム。二人きりのタイミングをえるは逃さない。

「あの、折木さん、もし良かったら叔父にお線香をあげていただけませんか?」

「俺がか?」

「はい。近々、叔父のお墓参りに行こうと思っているんです」

「その、良かったら...ご一緒に」

 関谷純、死して姪のデートのダシに使われるのを是とするか否か。かくして墓参りデートを取り付けたのだが今回の話はソレではなかった。奉太郎が自信の推理能力が特別でないことをえるに納得させるべくよく分からん校内放送の原因を適当に推理してみるというもの。推理モノとしてよくできていると思ったが『書面での謝罪で名前を書かなかった人間が校内放送の呼び出しでヒョコヒョコ出てくるか?』という疑問が残った。即時的には身元をバラしたくないと思っているのに自分が関知しない間に学校側に事件が伝わっていることを放送で知ったら普通ビクついて名乗れなくなるような。まぁいいか。

 

この話のえるが妙にかわいいからである。

 

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1,2枚目の困り顔と3枚目、この話の中で2回目の急接近。どこかえるの仕草や表情の幅が広がっている気がするのは恐らく気のせいじゃなく、部室に奉太郎しかいないからだろう。天然といえど入須先輩並みの接近巧者なんじゃないかなぁ。才能と言えるかもしれない。

 

20話『あきましておめでとう』

密室デート。これはマズい。基本的に閉鎖空間*15が大好きなので密室なんて言われたら転がりまわるに決まっている。

あらすじはざっくりいうと、えるから初詣デートに誘われた奉太郎がホイホイ出て行ってはんなりしてたらいつの間にか境内の納屋に閉じ込められてたというもの。

「私も着物を見せびらかしたいんです」

そう言って見せびらかされた着物がこちら。これには僕も奉太郎も絶句してしまうが奉太郎には「似合ってる」くらいのことを言ってほしかった。えるも言われたかったんだろうなぁと思うと切ない。

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さて。閉じ込められてから奉太郎は納屋の壁をブッ壊す提案をしていたがその頃の僕は自室の壁と床をブッ壊す勢いだった。異常事態に対しえると奉太郎はドキドキしていただろうが2人を見る僕が間違いなく一番ドキドキしていた。

正直この話に限っては脱出のための知略とかど~~~~でも良くないか?できるだけ窮地に追い詰められてほしかったし何なら脱出してほしくなかったくらいなんだけどもそうもいかなかったようで、あきましておめでとうじゃぁないんだよって溜息ついてた。加えて、暖を取れずに寒いって話なのに奉太郎がえるに服を貸す展開がなかったのは心底残念。クリシェと言えども外せない展開だろうよと思いながら壁を殴っていた。

 

この話、大好きです。

 

21話『手作りチョコレート事件』

福部里志、、お前。。最終話1つ前は中学以来摩耶花からの積極的アプローチに対して適当な返事しかしてこなかった福ちゃんが高1のバレンタインでついに決断を迫られる話。チョコを盗むことでチョコを受け取る事実を回避するという荒業のためには丹精込めて作ったであろう手作りチョコを砕くことすら厭わない福ちゃんの姿勢に奉太郎はブチギレ寸前。この怒り*16さえ以前の奉太郎にとっては余計な感情だったんだろうなぁと思ったり。

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摩耶花の努力を知っているからこそ盗まれたことに本気で憤るあまり目のハイライトがなくなるバーサーカーモードのえるめっちゃ良い。

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さて、福ちゃんが今まではぐらかしてきたのは彼の哲学が理由だった。奉太郎の鬼気迫る表情を前に独白が始まる。

「昔の僕は勝つために勝ちたがっていろんなことに拘った。つまらなかったね。それだけ勝ちたがって勝ってもつまらないんだから始末におえないだろ?面白い勝ち方をしなきゃ面白いもんか。で、ある日僕はそれに飽きた。拘らないことに拘るようになったんだ。それからは本当に楽しいんだ。毎日がハッピーさ。でも一つだけ問題があった。摩耶花だ。摩耶花はいい。ほんとに良いよ。あんな子他にいない。その摩耶花が僕に一緒にいてほしいなんて夢みたいな話さ」

「なら...!」

「だけどだよ。僕は摩耶花に拘ってもいいのかな。僕は間違いなく摩耶花と一緒にいたい。でも拘りたくないんだ。全部僕のわがままだよ。摩耶花の気持ちなんて考えてない。あまりにも自己中だと思わないかい?摩耶花を蔑ろにしたくないのに。それに今の気楽さを手放して摩耶花を受け容れてしまったら昔の自分に戻ってしまうかもしれない。それを怖がってしまう」

ニュアンスが漏れないよう全文抜き取ったが、要は彼女と彼女以外の部分の折り合いを上手くつけられる自信がないというだけの贅沢すぎる自己都合。奉太郎は福ちゃんを一発くらい殴っても良いと思ったが意外たるや次の一言である。

「僕と摩耶花の誤算は、千反田さんだったよ」

実は福ちゃんがチョコを盗むことは摩耶花も想定しており部室でのやり取りはえる以外の全員が茶番を演じていたのだった。奉太郎は盗まれたと聞いた瞬間のリアクションから摩耶花が芝居に気づいてるんじゃないのかと疑ってそうだったし殴る手が止まる一因にならんこともなさそうだ。

女子サイドでは摩耶花がタネ明かしをしたことでえるも事実を知る。その後えるは奉太郎から「チョコはちゃんと渡したからな」という電話を受けるがその返事ではえるもまた芝居を打つことになったわけで結果的に全員が事を荒立てないための茶番に加担することになった。

かくかくしかじかで福ちゃんは摩耶花に電話を掛けるんだけども肝心の通話内容と具体的な事の顛末を伏せるあたり憎い演出。最終話の様子を見るに福ちゃんは踏み込めたんだろうけどそうすると愛の詰まったチョコレートを砕いた残虐行為を一生後悔することになるわけで、彼がどのくらい追い詰められたのか僕、気になります*17

器用貧乏の恋愛、これも中々ハズれないテーマだなぁと思った。

 

22話『遠まわりする雛

最終回。えるの豪農イベントに奉太郎が代理キャストとして出演。雛祭りの雛役としておめかししたえるを傘持ちオタクと化した奉太郎は接近を良いことにその後ろ姿をガン見もガン見。さらには。

「千反田が見えない...千反田が、見えない!」

「気になる...。気になる!もしいま紅を差し目を伏せている千反田を正面から見られたら、それはどんなにか...」

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オタクくん、モノローグがオタクすぎる。初見の感想が「あぁ...」だったし完全にガチ恋の様相を呈している。

行列が終わった後は見物に来ていた福ちゃん摩耶花との会話に続き、男雛に扮していた入須先輩とも遭遇する。

「そうか、君なら謎を解いてみせてくれると思ったのだが」

「やめてください」

「折木くん。あの時の私には役目があったが今日はただの男雛だ。こんな気楽な身から虚言は出ないよ」

愚者の一件で完全に苦手意識を持っていた奉太郎だったが、入須先輩が純粋に評価してくれたこの会話でようやく呪いから解放されたように思う*18

この話の事件は雛祭り行列がある人の策略で通常ルートでない迂回路をとらされるというものなのだがこの犯人の動機もまた『桜の狂い咲きを浴びる雛が見たかったから』とかいうありえん楽曲派のそれで素敵だった。

 

 

さて、本番はラストシーンだろう。えるが自らの生まれ育った冴えない地元を奉太郎に紹介したところで2人は立ち止まり。

 

 

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「ところで、お前が諦めた経営的戦略眼についてだが、俺が修めるというのはどうだろう」

 

 オタクくん、会心の告白である。楽曲派にも程があるだろう。

 

と思ったらこれは喉から出なかった。オイオイオイオイオイ。どれだけ焦らすんだこの作品は。希望に満ちた春の訪れを以て物語は閉幕するが余韻が完璧すぎてたまらなかった。

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 登場人物ごとの感想

ストーリーのほうで随分書いたけども人物について考えるとまだ書き余すところがあるので追記程度に書いていく。

折木奉太郎

序盤の奉太郎は灰色の人間とされていたが、こういう薔薇色の対極にいることを自覚している系の主人公が持ち合わせている潜在的な薔薇色への羨望や嫉妬、嫌悪などの関心が一切ないという演出がされていた。事実前半においては『見目麗しい』と言われるえるに接近されても大した反応も見せずただ彼女の干渉から逃げるように策を弄するばかりであった。休日に2人で会うよう呼び出されようが心底めんどくさそうな顔をしていたりとあまり見たことがないマジの厭世派で物珍しさに期待を寄せていたんだけども5話冒頭でもう「隣の芝生は青く見える」と言って薔薇色に寄り始め最終話では桜吹雪まみれになりもはや原点喪失と言っても過言ではない別人になってしまった。えるにガチ照れする奉太郎もかわいくて見てて面白いんだけども序盤のマジ虚無太郎が我を貫くのも見てみたかった。発展性のカケラもないが。

もう一つ奉太郎の特性として『貸し借り論』がある。親しき中にもとは言うけれど一番近い人間の福ちゃんにさえ1年近く前の出来事の借りを返済するとか言っちゃうし本人が来たいと言ってついてきたことで帰りが遅くなってしまったことにも「借りかな、これは」*19とか言っちゃうのは重症じゃなかろうか。これは他人に依存した結果痛い目を見た人間の特徴だ。理屈をつけないと他人を頼ることができない。恐らく原因になったのは姉かあるいは中学同期だろう*20。完全に妄想だけども気になるなぁ。

気になるといえば、2話で「金曜日なら図書当番は恐らく...」と摩耶花のシフトを把握していたのは何だったんだろう。その後で「久しぶりだな、会いに来てやったぞ」「アンタここで本借りたことないでしょ」と図書館常連のセンは否定されている。入学から1カ月ほど経っているのだから同じクラスならこの時が高校入学以降初顔合わせということは不自然。シフトを把握しているという面からは奉太郎も図書委員というのが自然だがこれもまた図書館のシステムを知らなかったことや摩耶花との再会発言に矛盾する。謎だ~。

 

推しのセリフは

「仲間のために殉じて全てを赦す。そんな英雄がそうそういてたまるもんか」

5話『歴史ある古典部の真実』より。

 奉太郎はお人好しである自覚がない。

「千反田が何に怒り、何に喜ぶのか。それを知るには俺はまだコイツを知らなさすぎる」

6話『大罪を犯す』より。

「...千反田か?」

7話『正体見たり』より。

 1つめは本人の目の前で頭の中ではこんなこと考えているというもの。まぁ~オタク。そして2つめ。これは温泉において、わずかな物音から壁を隔てた向こう側の状況を推測しえるの姿をはっきりイメージするという恐るべきオタクの想像力が凝縮されたセリフである。当然のぼせてひっくり返ったわけだが奉太郎の執念がもたらした念写が僕ら視聴者にえるの温泉姿を見せてくれたのだから感謝しなければなるまい。敬礼。

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千反田える

ヒロイン。豪農千反田家の令嬢にして高1らしからぬ気品に溢れる黒髪を靡かせながらもその双眸は純朴な好奇心に満たされ燦然と輝いている。つまりかわいいんだな。「奉太郎を頼ってばかりいないでたまには自分で考えろや」*21とか「もう少し大人しくしとけや」とか思うところはよくあってもそのたび「可愛いから全てを許す」という結論に行きついた。絶妙な自分本位と急に現れる母性が強すぎる。

それなりの箱入りで育ったようで奉太郎への感情を自覚する(顔を近づけたときに照れるようになる)まで少し時間が掛かる。パーソナルスペースが激狭いのを自覚してないのはともかくあの急接近を敢行する相手が奉太郎に限られているというのが無意識の好意というか本能的吸着というか、とにかくとてもポイント高い。自覚以降はというと時折いじらしさの怪物となり果て僕を殺しに来ていた。

こんな感じで基本的にマイナス点なんてないんだが県内でも上位に入る成績という序盤に明かされた設定が還元された割合が少ないのが残念なところ*22。成績が芳しくなさそうな奉太郎に対し頭脳派としてマウント取ってほしかった。あるいは勉強特訓回とか。まぁ生まれ柄もあって教養や語彙力は申し分ない*23のは会話を聞いていてストレスがないので良いこと。というかえるに至っては話し方(発声方法?)や言葉遣いも上品なのでたまに気圧されるまである。

そんな彼女の推しのセリフは、

「まだ日が高いですね、少し川辺をお散歩しませんか?」

11話『愚者のエンドロール』より。

いやいや、こんな上品な下校デートの誘い文句ある?こんなん断れるわけないやんか。他に予定あっても全部干すわ。

「確かに10年後の私は気にしないしれません。でも今感じている私の気持ち、それは将来どうでもよくなっているかもなんて、今は思いたくないんです。私が生きているのは今なんです」

5話『歴史ある古典部の真実』より。

刹那主義という高校生活の本質を射抜く素直な言葉。『全ては古典になっていく』という冷酷な現実への反抗。確かに高校を卒業してしまうと高校生活は古典と形容すべき静的な美術品として眺めることしかできなくなるが、この日常がいつか石化するか否かは置いといて今を鮮やかに生き抜いていればひとまずオールオッケーだろうという活気溢れる主張だ。

もう一つこれも挙げておこう。

「実はですね、兄弟がほしかったんです。姉か弟。気のおけない相手がいつも側にいるなんて素敵だと思いませんか?」

7話『正体見たり』より。

はい、弟に立候補します。冷静にえるが姉にいて豪農で暮らす生活、人生安泰でしょ。何で僕は豪農千反田家長男に生まれなかったんだ...。

 

千反田家に接近したついでに『千反田える』という何やら不思議な名前の由来について書いて終わる。何か意味あるのかもと思ってググったところ、ある仮説が挙げられていたので確かめてみるべくとあるプログラムを書いてみた。

 

 

#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
int main(){
char name = 'A';
for(int i = 1; i <= 1000; i++){
cout << i << "tanda" << endl;
name = (name == 'Z') ? 'A' : name + 1;
}
return 0;
}

 

 

何のこっちゃいと思うだろうがこれを実行すると↓のような結果が出てくる。

f:id:remagic:20180918035059p:plain

(中略)

f:id:remagic:20180918035114p:plain

お分かりいただけただろうか。アルファベットをAからZまで並べ、Zまで来たらまたAへ戻るということを繰り返したとき、1000番目が'L'になる。"1000 tanda L"すなわち『千 たんだ える』と読めるのだ。

要は1000%26=12*24というだけの話だが実際に全部書き出してみるとちょっと感動する。

プログラミング知らんけどって人も下のリンクを開いて上のコードを貼り付けて左上の"Execute"を押すと右側に実行結果が出てくるので良かったら。

https://www.tutorialspoint.com/compile_cpp_online.php

 

f:id:remagic:20180919015052p:plain

こんな感じ。

この仮説が本当の理由かは不明っぽいけど真偽問わず良くできた話だと思う。何でこんなの気づいたんだろうな...。

福部里志

序盤は「何だこいつ」としか思わなかったけれども中盤以降の掘り下げで伸びに伸びた。作中一番悩んでいたのは彼だろう。話が奉太郎の主観で進んでいても福ちゃんの悩みが溢れてくるが、元々福ちゃんは他人に対し見栄を張るタイプだ。弱い部分が表面に出てくるということはそれだけ追い詰められているということで、そういった点も奉太郎に「お前は器用なのに不器用すぎる」と言われる理由なんだろうな。

福ちゃんをざっと説明すると、推理の才能を持つ奉太郎に憧れたまに嫉妬しつつも、どうすれば自分は最高にハッピーな生き方ができるかを探す求道者といったところ*25。あらゆる方面に首を突っ込み見聞を広めデータベースを自称できるほどの含蓄を備えるスペックは中々スゴいと思うが意外に成績は芳しくないようでいつも追試にかかっている。普段は趣味に明け暮れ友達も多そうだが何にせよ浅く広く楽しんでおり、深さを競ったら摩耶花にもすぐ追い抜かれてしまうだろうと自己評価している。いつもどこか俯瞰的な考え方話し方をする福ちゃんだが、奉太郎を見上げて首を痛め心を病み卑屈になってもおかしくなかったのに(多少の愚痴をこぼしつつも)奉太郎の友人という立場を覆すことが一度もなかったのはとても素敵だと思う。この二人の距離感はともすれば奉太郎とえるの距離感よりも奥深いものが潜んでいるように感じることがある。

推しのセリフは

「冗句は即興に限る。禍根を残せば嘘になる」

飄々とした彼の話し方には何らかの不文律の存在が読み取れるが本人の口から出てきた主義の一つがこれである。かなりのマシンガンスピーカーなのに冗談を言えば全て即興だというのだから恐れ入る。言われてみれば温めていた冗談を別の場で披露するなんてことはしないなぁと思いつつ、福ちゃんは冗談以外の会話についてもできるだけ即興的な進行を心がけているように感じる。クレバー。

 

伊原摩耶花

古典部の中ではスペック的に一番普通の高校生っぽい摩耶花。先輩との人付き合いや恋といった普通の悩みを抱えているがポジティブな性格のおかげで笑顔が絶えることがほとんどない。前向きな子っていいよね。

 

摩耶花への補足はやっぱ奉太郎との関係性かなぁ。中学から福ちゃんガチ恋だったのは置いといて、なぜああまで奉太郎を毛嫌いしている素振りだったのか。2話とか前半の方から奉太郎が華麗な謎解きをしてみせると(一瞬だが)えるのように目を輝かせていたり後半では彼に感謝することもあったりと摩耶花は理不尽に相手を嫌ったりはせずむしろ相手の良いところは素直に評価する良い子である。そんな摩耶花に再会した時あんな反応をされる奉太郎は中学時代に一体何をしたというのか、気になって仕方がない。

推しのセリフは

「ほんっっっとムカつく!でもそんな福ちゃんをまだ好きな自分が一番ムカつくーっ!!」

21話『手作りバレンタイン事件』より。

 熱病に悩まされるJK、世界で一番好きなもの。

折木供恵

姉。僕は基本的に姉が好きなのだがこの姉も例に漏れずに好きだ。顔こそ出てこないが各長編において要所要所で現れる活躍っぷりは、古典部の4人の高校生っぷりと比較して遥かな高みにいる存在という感じがしてとてもいい。

手紙を送ってきたり電話してきたり、文化祭を見に来たりチョコをくれたり、なんだかんだ弟のことをかわいがってる感が半端ない。奉太郎が「どの分野でも勝てる気がしない。まぁ勝とうとも思わないが」と評している通り愚者編では地球の裏側から入須の思惑を看破し文化祭では新聞を一瞥しただけで十文字事件を解いたりとスペックは作中最強と言って過言ではない。強い姉って良くないですか?

推しのセリフは

 「きっと10年後、この毎日のことを惜しまない」

海外周遊中、奉太郎に送られてきた手紙の一節。えるが目標として将来の自分が見返しても悔いのないように今を生きると言ったのに対してこちらは断言である。こう言い切れるほどの思い切りのいい性格と行動力を備えているのは羨ましい。

入須冬美

古典部界隈では敵なしと思われた奉太郎*26に対しある種のストッパーとして現れたのが入須先輩だと思っている。奉太郎は元は謙虚だったものの薔薇色への干渉の手立てとして謎解きをするうちに無自覚に増長してしまったところ最悪のタイミングで入須先輩と出会ってしまった。愚者編は本当にタイミングが悪かったと思っていて、もう少し早い段階であの話に入っていたら奉太郎はもう少し冷静に慎重に事態を見極めていた気がする。

奉太郎が好きすぎて彼の話をしてしまった。入須というと特徴は女帝と呼ばれる所以であるところの人心掌握術だ。掌握といえば人聞きが悪いが入須は少しエゴも入っていても基本はトータルで集団にとってプラスになるようにその才能を振りかざしているリーダー気質。こと本郷については姉にはああいうふうに言われたもののプロジェクトと同時に本郷を守ろうとしたと言っても矛盾のない行動をしていたと思う。根が悪人の高校生なんていないんですよ。

推しのセリフは

「心からの言葉ではない。それを嘘と呼ぶのは君の自由よ」

 やはり、奉太郎のプライドをへし折ったこの言葉だろう。姉の協力により差し出された人形を最大限利用し踊らせた入須の手腕は見事だったが踊らされたほうはたまったもんじゃない。これで奉太郎は入須先輩にトラウマレベルの苦手意識を抱えることになってしまった。

 

音楽

この作品は視覚情報が強いんだけど音楽もめちゃくちゃ良い。

劇伴

『シシリエンヌ』:シシリエンヌ 氷菓(Hyouka) OST 9. - YouTube

『G戦場のアリア』:氷菓 OST - G線上のアリア / G弦上的詠嘆調(Aria) - YouTube

『無伴奏チェロ組曲第1番ト長調』:無伴奏チェロ組曲 第一番 氷菓(Hyouka) OST 1. - YouTube

『月光』:月光ソナタ 1 楽章 氷菓(Hyouka) OST 13. - YouTubeソナタ 月光 第三楽章 氷菓(Hyouka) OST 17. - YouTube

クラシックからの引用が上の数曲。この中だとカフェ密会シーンや愚者編文化祭編の余韻で使われるシシリエンヌが好き。

オリジナルだと↓の4曲を挙げとくけどまぁ他のBGMも全部いいよ。

平穏なる日々のくり返し 氷菓(Hyouka) OST 42. - YouTube

解決ながらも暗然 氷菓(Hyouka) OST 43. - YouTube

男女の間に流れる美しい空気 氷菓(Hyouka) OST 52. - YouTube

Kumori tte haiiro de omotai sunawachi yuutsu 氷菓(Hyouka) OST 16. - YouTube

 

OPED

優しさの理由/ChouCho:青春を全力で歌い上げるシンコペーションの効いた爽やかな曲。映像も相まって導入(「退屈な窓辺に~」)が強い。サビの構成が割と天才。推しのフレーズは『君が過去になる前に見つけるから』。

 

まどろみの約束/千反田える(佐藤聡美)、井原摩耶花(茅野愛衣):女子二人によるラブソング。歌詞がめちゃくちゃ甘い。古典部のメンバーは性格が古典派なんだけどもこの歌もまぁ平安的というか聞いているこちらがむずがゆくなるような言葉が並ぶ。中でも推しのフレーズは『放課後はいつでも特別な空間で 一緒にいなくても隣にいる気がする』

 

未完成ストライド/こだまさおり:イントロはKANA-BOONっぽいな~と思ったけど中身は全然似てない。優しさの理由より落ち着いているので掴みはそんなに強くないけどジワジワ好きになってくるスルメ曲。OP映像はこっちの方が好きだったり。推しのフレーズは『止まれないまま走れ 向かい風も追い越して』

 

君にまつわるミステリー/千反田える(佐藤聡美)、井原摩耶花(茅野愛衣):好奇心を音に変換したようなワクワクした音作り。気になる気になる!っていう2人がかわいくて仕方がない曲。映像も強い、文句なし!!!!!推しのフレーズは『恋なんて正解じゃ 君はまだ腑に落ちないね』

 

あとがき

総括としては高校生の青春というバカ強いテーマを超高水準で描かれたらまぁ刺さるわなという感じ。キャラクターの内面、キャラデザ、作画、音楽、全部強いってズルやん。まだ2年生になるってとこだし続編的なアレを生きてるうちに見たいな~。

さぁ、真剣に書いてたらそれなりの量になってしまった。1話ごとに書いているような密度で22話まとめて書いたからこんな感じになるのは仕方ないとはいえ単純に疲れてしまった。読む方もつかれたと思います。全部読んでくれたひとありがとうございました。それではまた!

 

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このカットめっっっちゃすき。サムネにします。

*1:本来の奉太郎のモットー『やらなくていいことはやらない。やらなければならないことなら手短に』に従う世界。

*2:えるによって導かれる世界。

*3:「暴食」:不明。「色欲」:7話『正体見たり』、『クドリャフカの順番』でえるの写真を盗み見るなど。「強欲」:22話『遠回りする雛』で豪農千反田家を治める妄想をするなど。「憤怒」:『愚者のエンドロール』にて入須先輩と自身の傲慢に激昂。「怠惰」:恒常。「傲慢」:6話『大罪を犯す』でえるの心を読みきったつもりになりかけたり、10話『万人の死角』で正解に辿り着いたと思い込んだり。「嫉妬」:薔薇色への羨望。隣の芝生。

*4:正位置と逆位置。

*5:この奉太郎の幼さに付き合ってあげるえるたその図、非常におねえちゃんみがある。1000000000点。

*6:12話『限りなく積まれた例のあれ』。この様子は『夜は短し歩けよ乙女』における黒髪の乙女の学祭回遊を想起した(えるの方が先)。

*7:13話のクイズ大会、14話の料理対決。

*8:『イバラ』の道。

*9:少なくとも僕は釣れる。10部は買う。

*10:ここで中学時代の福ちゃんが『勝つためにはなんだってする』性格であったことを思い出そう。恐らくどこかで『諦める』瞬間があったのだ。

*11:原作は安城の手によって書かれていたが陸山はウンともスンとも言わない。「やる気あんのか」とはとても言えないので回りくどい仕掛けをすることにした。十文字事件の仕掛けは『クドリャフカの順番』がベースとなっているので原作を読んでいたら陸山は必ずメッセージに気づくはずだった。

*12:正確には18話『連峰は晴れているか』は原作では別の巻収録らしいが一話完結なのでまとめてしまう。

*13:たぶんこの短編のどっかでキーボード叩いた影響で't'の反応が悪くなった。無論、千反田の't'である。

*14:短編なので長編との相関がそこまで考えられているかは怪しいが、全部考えられているって思った方がオタク的に得である。

*15:部室・部活あるいは学校くらいの単位から、進撃の巨人や宝石の国みたいな閉鎖社会まで

*16:純粋な里志への怒りの他に摩耶花を心配するえるを傷つけたことへの怒りという保険が掛けられているのが巧妙。

*17:すぐに摩耶花かワンチャン奉太郎からのフォローが入るから重症にはならない。

*18:逆に愚者編で奉太郎を乗せた発言が『虚言』とまで言い切られるのもアレな気がするけど...。

*19:18話『連峰は晴れているか』。

*20:摩耶花が中学時代の奉太郎に良くない印象を抱いている点はポイントだと思ってる。

*21:愚者編では真の探偵になっていたり、最終話では愚直ながら自分で正解に辿り着いていたり色々考えてはいる。

*22:記憶力とかは使われてたけど、視力聴力と同列の野生スペックのように感じられる。

*23:というかこの作品は年齢の割にみんなの教養と語彙のレンジが広すぎる。古典部員は全員本の虫っぽいという裏付けはあるけども。

*24:1000をアルファベットの個数26で割った余りは12の意味。アルファベットの12番目は'L'だからこういう結果になる。

*25:奉太郎は『似非粋人』と紹介していたがそこまでしっくりこない。

*26:当の奉太郎は戦うつもりなど毛頭ない。

シュタインズゲートゼロ疑問点その1

こんばんは。minamoです。21話が激アツだったゼロですが、世界線うんぬんについて分からないことがあるのでメモしておきます。

 

世界線理論について復習

これは無印の頃からさんざん説明されているのでもしかしたら僕が盛大に勘違いしてる可能性もあるけど、この作品におけるパラレルワールドの説明はおおまかに以下のような感じだと思っている。

世界線の可能性はたくさんあるが、実際の『世界』はただ一通りである。世界線が変わった場合は元いた世界での出来事は(リーディングシュタイナー持ち以外にとっては)なかったことになり、歴史全体が『再構築』される。

つまり色々な世界が平行して流れているもののうち1つを岡部倫太郎(メタ的に言えばアニメのカメラ)が観測しているわけではなく、その時々において世界は一意に定まっている。一つの世界がタイムリープやDメールによってまるごと変質するのが『世界線移動』の正体といえる。

 

〇世界が1つなら?

未来を含め世界が単線で進行するなら、様々な疑問が生じる。

  1. 無印23,24話において同じ過去に2度タイムマシンが訪れたが2度目の遡行の際に1度目の遡行の形跡がなかったのはなぜか。
  2. 今ゼロで進行している『オペレーション・アークライト』失敗の世界線において、かがりはなぜまゆりを知っていたのか*1

まず1について。恐らく遡行によって世界線は多少変動するのだろうが、だからといって遡行の形跡がなくなっているのは非常にマズい。遡行が『なかったことになっている』ならば岡部の過去干渉が現在に影響を与えていないということになってしまう。矛盾がないようにするには遡行の形跡が消えるのは2度目のタイムマシンが到着する瞬間ということになってしまうのだが、まぁ御都合といった感じ。

 

次に2について。タイムリープ失敗によって岡部が未来に飛ばされたとき*2、これは当然直前のアルタイルからつながった世界であるからまゆり(と遡行した鈴羽*3)は存在しない。さて、ここで大問題が生じている。2012年から2036年の間にまゆりがいないということはかがりがまゆりの養子となる機会がないはずなのだ。なのにアルタイルにおいてかがりはまゆりをママと呼ぶ。この矛盾を解消するには2012年での世界線変動しかないが正直さっぱり分からない。屋上での出来事によって世界線が変わるのは間違いないが、どんな世界線であろうとまゆりがいなけりゃ面識できないわけだからかがりがまゆりを知っている時点でオペレーションアークライトは成功しそうに思えるんだよな~。

 

 

今回はここまで。また何か上げるかも。

...ビデオレターは3000回タイムリープの過程で撮っていた演出はなかったけどどこでやるんだろう。

 

*1:ゼロ18話『並進対称のアルタイル

*2:ゼロ20話『盟誓のリナシメント』

*3:過去に飛んだ鈴羽が未来にどう存在できるのかは分からないからちょっと特殊。というか鈴羽単体が世界線変動の影響をどう受けるのか考え始めるとアホほどややこしくなるのでこいつについては極力触れたくない。

ノーゲーム・ノーライフかんそうなど

こんにちは、minamoです。

 

周囲の友達の勧めでノゲノラを一気見しました。dアニメは神。大満足だったので今はコレ↓を買おうか考えてるところ。

 

楽曲だけ知ってた本作品、まずは全体的なアレから振り返ります。

 

〇全体的なアレ

序盤はゲームをタイトルに載せてる割にゲームが適当すぎて本当にこれ面白いのか~?って思ってたんだけども。4話の戴冠演説で波動を感じ、6話で完全に覚醒した。それ以降はのめりこみっぱなしで些末な点が気にならないほど楽しむことができた。

当たり前だけど作中の『現実世界』と別に架空世界が舞台とされてる作品は没入感が大事。その世界の常識を受け容れられるかどうかみたいな。作中世界のノリと勢いに乗ることができたら勝ちなんやなぁということを再確認した。

 

〇各話ごとの感想と疑問点

  • 1,2話。最強系主人公チームと聞いて今期の七星のスバル(4話Aパートくらいで見るのやめた)が頭に浮かんだ。順序逆だけど影響受けてそうだ。主人公兄妹は社会から弾かれるだけならまだしも2人とも一定の距離にいないと退行症状が出るほどの共依存、やばくないか。特に空は単体で沼だし完走する自信が持てずにいた(午前3時頃、友達の家で家主が寝静まったあと1話視聴開始。意味がわからない)。
  • 3,4話。チェスと見せかけた軍隊シミュレーション、まぁヤケクソゲーで唖然としていた。ある程度戦略的なアレを期待してたところ気合いと根性で押し勝ってひっくり返ってしまった。これが続くなら見てられんがと思った矢先、松岡の迫真演説で引き込まれ寝る機会を逸してしまう(5時前)。
  • 5話。ステフが奴隷になる回(まぁステフが奴隷じゃない回はないんだが)。このエピソードは7話や8話以降への伏線の意味合いが強いので副題も『駒並べ』となっている(ほんまか)。冒頭のテトとオールドデウスのやり取りすき。
  • 6話。ジブリール回。一番好き。具象化しりとりというアニメの性質を最大限活かしたゲームも素晴らしかったがジブリールのキャラが良すぎる。
  • 7話。先王回。これも好き。先王の項で書く。このとき6時15分、外は明るくなってきた。
  • 8話。宣戦布告回。ワービースト一派は勝つ自信があるのかないのかハッキリしろ。空白に怖気付いたかと思ったら「ま、まぁ勝てるし?」みたいな反応してて一貫性がなくストレス。空白も空白で、ワービーストたちがゲームをオリることを選択し続ける限り既得権益を失うことはない(空白との勝負も、その後に控えるエルフとの戦いも全て断れば得もしないが損することもない)ということを分かってないように感じガバガバやんけと思ってた。多分原作ではもう少し補完されて違和感ないようになってるのかな。
  • 9話。消失回。キャラが定着した後に『重要人物がみんなの意識から消えたので探すぞ!』って話は定番*1だけどやっぱ起源はハルヒの消失なのかな。オセロの場面でクラミー側のフィーはずっと盤の前の意識を持ってた感じなのに白がそこにいる自覚を持ってなかったのは絆の差だったらエグい。クラミーには空と違う主義主張を持ち続けてほしかったところアッサリ空の思考に迎合したのは残念(まぁ元からクラミーそんな推してないしいいんですけど)。
  • 10話。お風呂回。この話に限ったことではないが過去の戦争に基づく種族間に残った遺恨や暗黙の上下関係などは有頂天家族を感じてとても良い。オールドデウスとかファンタズマとかの上位種はもはや人の形をしてるイメージなくて勝てる気がしないけどまぁ代表っぽいのが擬人化されるんだろうな。他の種族も絵で見てみたい。
  • 11話。いづなとの勝負回。どいつもこいつもスペックズルすぎてウケる。いづなを通してゲームは楽しく!というテーマを投げる話だった。あと作画すごい。
  • 12話。最終回。尺の都合か巫女との勝負はアッサリしてるが最後にオールドデウス出てくるのはワクワクした。続きが気になるEND。後半いろいろメモりながら見てたら8時半。自宅帰る体力も残ってなかったのでそのまま友人宅の床に転がって寝る。

 

〇登場人物について

・空白

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不適合の者。ゲームに特化した天才性があるが人生というゲームをクソゲーと一蹴し攻略することを放棄した点でフィクションの中にしか生きられない枷を負っている。無事彼らにとって都合の良い世界に放り込まれたことで第2の生を謳歌し始める。『空白に敗北はない』のせいで苦戦こそすれ勝利がメタ的に確約されているのが物語として辛そうなところ。たまには負けてほしいんだよな。

両者はゲームにおいても生活においても相補的な関係にあり他にロクな理解者を得なかった(2人の世界に逃げた)ためかなり重度の共依存に陥っている。本作が第1の人生で上手くやれなかった彼らの再起・奮闘の物語だとするならば兄妹はそれぞれ自立しなければならないがその路線は到底やりそうにない。ただこの現状は肯定的な兄妹愛とは言いにくいと思う。彼らの意思は(一応2人の『総意』という形式だろうが)その発言・表現のほとんどを空が担っている。9話など白主体の場面もあるにはあるが彼女を構成する大部分は『空に同じ』で事足りてしまう。

こういったことで空からは『人類ナメすぎ』などの心の底からの主張が聞けてキャラクターへの理解が深まる*2んだが白は特に序盤でそれがないので『空に必要なアイテム(かわいい)』程度の捉え方をしてしまってた。かわいいは正義だしそんなんでもいいのかな...。

推しのセリフはこの世に運なんて存在しない。ルール、前提、心理状態。そんな無数の見えない変数がもたらす予測できない必然で、ゲームの勝敗は始める前には終わってるんだ。偶然なんてない。」(空)

この弁が真理なら彼らの人生敗北もまた生まれた時に確定していたことになる。ゲームの達人が話す持論は自分たちの半生を殺していた。

 

・ステファニー・ドーラ

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画像はイメージです。

ステフはゲーム下手だけど王族の血を引いてたりすごいアカデミーを首席卒業してたりとバカにできない(まぁバカなんだけど)。上位種族であるジブリールからは言わずもがな、ほぼ同じ人類である空白からも到底人権を認められているとは思えない扱いを受けている。

役割的にはオチ担当が主だが空白の(捨て)駒として随所で貴重な働きを見せていた。

推しのセリフは「私を悪く言うのは構いません...。でもおじいさまやおじいさまが信じたものを...」

空に血を侮辱されたことへの発言。まず仲間であるはずの自分に対し恒常的に暴言を吐き散らす空を平然と赦す寛容に心打たれる。そんな優しい彼女でも許し難いようなことを言うオタク、そんなんだからリアルで失敗したんだということを強く意識して自責に押し潰されてほしい。

 

 

・先王(ステフの祖父)

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1話からその存在や回想は語られていたが7話でついにその生涯に焦点が当てられる。現在世界第三位の規模の国家である東部連合はジブリールが1度、エルヴンガルド(の老いぼれ*3が4度敗北したという歴史を誇っているがその常勝国に最弱国家の立場から8度挑み当然ながら敗北を重ね国土の半分を失ったのがこの先王である。無論国民からの誹りは免れず死後『愚王』と呼ばれ続けていたのだが、その数多の敗北は無謀な突撃ではなく自らの生涯と名声・誇りを投げ打ってまで敵の情報を集めることに徹した忍耐の結果でありその秘密は『再起の王』の到来まで書斎に封印されていた。

こういう、未来ですら報われるかどうか分からない事象に人生賭けるオッサンに弱い。この先王の行動は『自分がゲームでは戦えないこと』を受け容れることに始まるがこの時点で器の大きさに感心する。戦って勝てないことで折れず自分でダメなら未来の誰か、現れるかは分からないがその誰かに自分の為し得なかったジャイアントキリングを託すと。この空白にはない切迫した物語が紐解かれた7話はとても刺激的だった。

推しのセリフは「(序列最下位の人類から他種族を圧倒する者が現れるという)限りなく0に等しい。だが0ではない可能性に賭ける」

ちなみにこの先王、「いつか心からエルキアを、イマニティを任せられると信じた者に渡しておくれ」とも話してステフに『希望の鍵』を渡している。これはステフが再起の王たり得ないことを悟っている感じがあって先王らしい悲しい現実主義の一端が垣間見える。

 

ジブリール

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かつては殺戮の天使、今は本の虫。世界中の本を集める収集癖からはオタクの素質を読み取れる。推しにハマったらライブ全通はもちろん出演作品のメディアミックスやキャラソンなどありとあらゆるコンテンツを揃えるタイプで間違いない(+100000点)。

自分より下等と見なしている相手(アニメでは空白以外のほぼ全ての存在)には侮辱以外の言葉を吐かない縛りをしている差別主義者(+6500000点)。今でも方々と火花を散らしており、特に大戦時エルフの部隊を虐殺していることからフィールからかなり悪感情を抱かれていたが(空の命令で)彼女の靴を舐め許しを乞うことで和解している。上位種に完膚なきまでボコボコにされるところを見たい以外の感情が湧かない。

神殺しとして作られた天翼種(フリューゲル)の中でも優秀な存在であるものの空白に敗北を喫して以降は彼らに従属し魔法・情報の面で大きな戦力となっている。

推しのセリフは「まだ朝は来させませんよ。『朝』」

具象化しりとりにおいて星の中心へと堕ちていく途中、悠長に詩を吟じる余裕(慢心)に感心した。恐らく精霊回廊がなくとも素の身体能力*4や魔法による回答手段のアドバンテージによって最後の最後まで敗北はありえないと確信していたんだろう。うっかりやさん、+10000000点。

 

・テト

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【ディスボード】の創設および空白をそこに連れてきたという2つの意味で物語の原点にいる神様(舞台装置)。開幕から明かされたラスボスとして天上に君臨し自分の世界を眺めているが冒頭でアッサリと空白にオセロで負けてるからイマイチ無敵感がない。空白の戦いに緊張感がないのも、ディスボード内で史実からも明らかに最強とされるテトに勝ってしまっている点によるところが大きい。やっぱテトにくらい負けといた方が良かったんじゃ...???

推しのセリフは「まさしく、君たちは生まれる世界を間違えた!」

空白の願望を叶えるかのようなセリフと異世界拉致。テト(とテトの作った世界)は現実に悲観し心を壊した空白の妄想の産物と言われても不思議ではない。

 

・クラミー・ツェル

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エルフかぶれのイマニティ。生まれも育ちもエルヴンガルド、エルフの奴隷として育ってきたことからイマニティの非力さを身をもって知っている。そのためイマニティは他でもないエルヴンガルドの支配(庇護)下に置かれることでこそ安寧がもたらされると考え動いていたところを空白にボコボコにされ「人類をナメるな」との説教を喰らう。かわいそう。

「人類をナメるな」とは言われたものの彼女はその人生を通して他種族に劣る自らの立場というものを理解させられてきたのだから「上位種族をナメるな」と言い返したかったのが本音だろう*5。とはいえそう思うのも彼女に空白ほどの実力がなかったからで現に空白は上位種族とも渡り合っているのだからどうあっても論破されるわけだが。そんなこんなで中盤まで尖り散らしてたがスカイウォークを経て彼女も空白の意思に賛同するようになる。いや、そこは我を通してくれよと思ったけどフィールを味方につけなくては話が進まなかったのでやむなしか...。

対戦相手がステフと空白以外描かれていないので評価はむずかしいところだがフィールとの絆は強くスカイウォークでいいとこまで行ったのを鑑みれば単体でもステフよりはデキる子っぽい。

推しのセリフは「できた妹を持つと大変ね。意地があるものね、お・に・い・ちゃ・ん?」

 

・フィール・ニルヴァレン

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エルヴンガルドのエルフ。能登麻美子の声がハマっておりクラミーとの親子っぽさからエルフとしての矜持まで余すところなく表現されている。初期からクラミーのバックの何かやべーやつとして描写はあった。種族的にかなり上位に位置する存在でありかつては同じく上位にいたジブリールとひと悶着あったため彼女との再会時には『そこの悪魔』と挨拶し先述の穏便とは言い難い和解策を提案した。

クラミーのことは赤ん坊の頃から知っており主君と奴隷という関係ながら親しく接し続けてきて、彼女と対等な友人であるためには国家への反逆も厭わないという発言をしているほどのクラミー推しである。エルヴンガルドの上院議員のポストにもついておりクラミーと共にエルキアの獲得に動いていたがスカイウォークで空白に敗北した後は彼らのスパイとして働くこととなる。彼女に愛国心が薄かったので盟約に頼らずともクラミーをけしかけたら何とかなりそうな話ではあった。

推しのセリフは「私はクラミーが傷つけられなければ何でもいいのですよ」

 

〇楽曲について

・This game

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オープニング(画像はdアニメのが粗かったのでyoutubeから拾ってきた)(hdほしい)。

他のオタクの家でよく流れていて知っており好きな楽曲だったけど映像が強すぎてもっと好きになった。ストリングス中心のバンドサウンドに負けない尖ったピアノがころころしている音作りがツボ。構成もAメロ8小節とBメロ8小節の間にA'が挟まっていてサビへの展開がより盛り上がるようになっている*6

推しのフレーズは「どんな理不尽襲おうとも 勝てばいいだけの話だろう」

無敗の空白の歌詞であるがゆえ主張が強すぎる。「勝てません」という気分で聴いてます。

 

オラシオン

エンディング。

ギターとコーラス、そしてチャイム。打って変わって爽やかな雰囲気の楽曲となっている。自然と耳に入る感じで好き。映像もはんなりしているがそもそも白がそこまで刺さっていないので「はんなりやなぁ」程度の感想しか持てなかった。

歌詞はオープニング以上に空白賛歌となっている。

推しのフレーズは「僕らは選ぶことを迫られてばかり そうして残った大事なものを壊れるほど抱きしめていた」

 

〇あとがき

思ったより長くなってしまったけどそれだけ作品が面白かったってことかな。こういうファンタジー系のラノベ作品ってアニメ化されて絵や音がついて動くことで真に表現される面白さがあると思ってるんでアニメが面白くても中々原作に手が伸びないんだけども小説の方の評価はどうなんだろう。たぶん読まないし二期期待しかしてないんだけどもその前に映画を見たいんだよな~。dアニメ配信してないし誰か円盤持ってる友達探すか。

それではこんなところで。読了ありがとうございました。

*1:負荷領域のデジャヴとか勇者の章の東郷美森の消失とか

*2:クラミーと記憶を共有したあと彼女の記憶からセリフを引用するのマジでキモくて信用できる。

*3:フィールの談。)

*4:身体検査はこのため?

*5:敗北直後は精神的に参っていて言い返せなかったと見る

*6:サビまでに24小節を置くといえばまぁBメロが16小節のオタクであるところの志倉千代丸の名前が連想される。

僕だけがいない街 かんそうなど

こんばんは。minamoです。

 

今回は漫画『僕だけがいない街』一気読みの感想を書きます。

 

○全体的に

前半の再上映による未来変更や変えられない未来という鬱病展開はとても面白かった。小学生時代の改変劇も痛快だった。ただ悟が寝て起きた後(つまり真犯人のネタバレ以降)は正直冗長で退屈。タイトルの本質がそこに置かれているにも関わらず大して響かなかったのは悲しい。2周目読んだらまた変わるかも。

 

○キャラクターについて

・藤沼悟

主人公。【再上映】によって多くの命を救ったヒーロー。中身29歳にして加代ちゃんに半ばガチ恋の様相を呈していたため信頼できない語り手として容疑者候補に入っていた。

心で思ったことの8割くらいベラベラしゃべるのはともかく「(ァ、声に出てた...)」って独白するのが最高にオタク。岡部倫太郎より遥かに賢く動くので見ていてストレスがない。小学生の体というハンデがありながらほぼノーミスで正解にたどり着く様子はコナンを見ているようでシビれた。

タイトルの『僕だけがいない街』は悟が自己を消した(仮死状態の)世界を観察することで自己の存在証明とするというような意味合い。冒頭の漫画のくだりや中盤のケンヤとのお前は誰だ的なやりとりからも本作のテーマの一つがそこに置かれていることは明らか。

2億パー加代ちゃんとくっつくと思ってたので15年後でひっくり返ってしまった。描写されなかったけどたぶん悟もひっくり返ってるし二度目の眠りの遠因になってるに違いない。

推しのセリフは「『この時』を失ってたまるか」

 

・藤沼佐知子(ママ)

観察の獣。最初は有能すぎて消されちゃったんかな〜と思いきや作中描写世界線内ではほぼ無事に過ごせてたので良かった良かった。

ステータスおばけなので出てくるシーンでは大体活躍するか何かに気づく。絶対影で探偵事務所開いてる。この人が信用できるので悟も信用できてほしいと思いながら読んでた。

推しのセリフは「でかした!!!」

 

・雛月加代

メインヒロイン。まぁかわいい。18年前における第一救助対象であり二度【失敗】したとこではこの先何ループするんやろかとビクビクしてた。

文集『私だけがいない街』は序盤に示されたタイトル回収のヒントになっている。

小学生時代に悟と付き合わなかったのは不自然な大人っぽさから実質的な年齢差みたいなものを感じ取ってたからで時間が経ったときに告白するんかなとか思ってたんすけどね。ハァ〜〜〜〜。

それなりに鋭いが子供っぽさをちゃんと兼ねており小学5年生であることに違和感はない。

推しのセリフは「悟はさ...アタシのヒーローだよ」

 

・片桐愛梨

前半・後半の出番にブランクがありすぎたせいで印象が薄かった。命を救ったり救われたりしたのも真犯人という本作の核に近づくより遥か前の話なのでキャラが物語に入り込めていないというか。悟に与えた2つの影響【前に踏み込む】【信頼】も後者は枷になってしまったし役割的に「お前そんなデカい顔できるか...???」と思いながら後半を読んでた。とにかく中盤に出番がなさすぎたな、アーーーメン。

推しのセリフは「言葉ってさ、声に出してるうちに本当になる気がする」

 

・小林賢也

18年前の悟のグループの中で一番カースト高そうな人間でクラスメイトへの発言力があり種々の変化に目ざといため、悟を信用して物語を読むならば彼も容疑者候補となっていた。とはいえ小学生の体というのは大きなハンデであるため普通に頼もしい味方として読み進めていた。

遡行間も無く悟の違和感に気がつき接近を試みる様子は牧瀬紅莉栖を彷彿とさせニヤニヤしてた。はじめのうちは加代ガチ恋勢につき彼女周辺の目線を観察していたことで悟の異常にも思い至ったのだと考えていたが、実際は驚くほど純粋な正義で動いていた。思想実力ともにヒーローにふさわしいが、自己犠牲を全く厭わない衛宮型英雄病の嫌いがありワーカホリックなやつなんだろうなぁと思うと少し悲しくなる。日常に寄せて考えると思い浮かぶのはやはり葉山隼人・平田洋介あたりの真っ直ぐな正義の名前だろうか。主人公と別角度で問題解決の糸口を探す二枚目。作中で鬱病発動することがないため弱点らしい弱点が見当たらないのが逆に玉に瑕か。

推しのセリフは「俺はお前のスペアだ。もしもの時、裁かれるのはお前じゃない」

 

・白鳥潤(ユウキさん)
ペーパークラフトおじさん。最初の世界線で八代に偽の殺人犯として祭り上げられた冤罪被害者。ぼっちの小学生と遊んであげる優しい人間だったがその性質を逆手に取られ残念なことに。その世界での澤田の調査では『アリバイ、物証に関して自分以上に父親に不利な面では黙秘し続けた』『父親を庇ったのでは』という記述があったがDVD等は八代の仕込みであり、それを『黙秘』したということは仕込んだ人間=真犯人が八代だと察しながらも彼を庇って死刑まで受けたという可能性まで出てくる(容疑を否認してるのは生存願望で、自分は違うけどかと言って過去に勇気を教えてくれた八代を追い詰めたくはないという優しさみたいな)。
悟に【勇気】を与えた人物で、彼のおかげで悟はぼっちオタクから社会への適合と明るい人間関係構築にこぎつけたと言える。
この通りただのぐう聖なんだが冤罪を免れる世界線においても(アリバイ作りのため)悟にトラックの車やバイクなどをパンクさせられたり窓に石を投げられたりと憂き目に遭いがちだった。
推しのセリフは「勇気を出して」

 

・八代学

悟や加代、賢也たちを最も近くで見ていたと言える大人。悟のカウンセリングや加代の家庭環境へのアプローチなど、作中の悟目線では信用の塊として映っていたが天空から犯人探しをする気で読むとこいつが真犯人であることには事前に気づける。飴のくだりの代償行為の説明はターゲットの変更余地を示唆しているし、理路整然とした対応は周到さと狡猾な動きができるポテンシャルを証明している。犯人像と子供達との関係性に合致することはいわずもがな、愛梨が睨んだ『西園(先生と呼ばれている)』というヒントから『八代(先生)』がクロじゃないと思うのはミスリードで、早期に明かされた本質っぽい容疑者について18年前世界で言及されていなさすぎることを考慮すると西園は18年前は別の名前・素性を被って活動していたという推測ができる。

...長々書いたが推理小説ではないので作中速度より早く犯人に見当をつけてマウントを取ってもしょうがない。八代について書くべきはその迷言botぶりだろう。口を開けばそれっぽい言葉が生える才能はまさに先生や議員向き(ほんまか)。

・「勇気ある行動の結末が『悲劇』でいいはずないだろう?」

・「善行も悪行も本質は同じ、人が自らの欠陥を補う為の行いに過ぎない」

挙げ始めたらキリがないほど本の帯に書けそうな文句を垂れていて素敵。そういう性質も合わせて彼からはジョジョのラスボス、特に吉良吉影を連想せざるを得なかった。町に潜む正体不明の大量殺人鬼であり動機も目も癖も何かアレ。証拠を残さないので裁くために一捻りする必要があったわけだが八代の場合は【自供】という荒技に頼ってしまっていて残念(まぁ他にやりよう思いつかないんだが)。

吉良吉影と大きく異なる点は主人公が父性を見出しているところで、先述の通り悟が真相に当たるその時まで【信頼】してしまっていること。この辺の絆めいた悪役との関係性は虚淵作品を思わせる。

推しのセリフは「心の中の足りない何かを埋められて時、それが最高に幸せな瞬間だ」

 

 

○さいごに

こんな感じでキャラは立ってるし小学生編のサスペンスは本当面白かった。ただ、くどいようだが終盤はは悟が衰弱してたり犯人割れてたりで勢いつきようがなかったのでやっぱりバスケットボールのとこで犯人明かすならそこでラストスパートまで持ってく必要があったんじゃないかなーと。どのみちアイリの扱いは相当難しかっただろうけど...。

渋いこと書いたけどトータルで見るとかなり強い作品だと思うのでまた時間があるときにアニメ版も見てみたい。

読了ありがとうございました。

咲-Saki-の決勝が始まったので

連載版の190話にて決勝がスタートしました。

何年越しか?って感じだけど5決終わってからすぐ始まったのはうれしい。絶対間に3話くらい挟むと思ってたので。

 

さて、いよいよ決勝ということでメタメタに展開を予想妄想していこうと思います。

 

190話の重大なネタバレを含みますので注意してください。

 

 

 

 

 

 

〇先鋒戦

・片岡優希(清澄)

やってくれたぜ16000オール!!入念な運量調整の結果とはいえ1年生にして去年の全国個人戦1位と3位がいる卓でこんな和了りをしただけで大戦果。普通に原村さんを超えたように感じるのは僕だけではないはず。まぁ南場の集中力が課題なんだけど66000点ものリードなんてそうそう削られないっしょ*1。2回戦も準決も悔しい思いをしてきたし決勝こそプラス終了を目指してほしい。

 

・宮永照(白糸台)

照魔鏡で優希の天和を予見して「あっ...」みたいな顔になるのめっちゃすき。いつもは自分が止められない側だけど意趣返しをされた感じだろうか。

しかし。

この人は3巡先まで見るイカサマ師とプロ相手にもハコらない試合巧手とドラを全て集める能力者と同卓して2半荘で約10万点稼いだ実績がある。

さらにその準決勝では使っていない未知の能力【ギギギーってやつ】もお披露目するかもしれないときている。いくら智葉が頑張っても王者は止められないのでは、という気になってしまう。まぁ僕は照すきだしまた大活躍してほしいけどね。

不安材料を書くとすれば不意の咲との再会で狼狽えていたり決勝開始時の挨拶でも咲と目を合わせられなかったりすることから推察される精神的不調である。本調子じゃない中で徹底的にマークされるっていうハンデを乗り越えることができるのか、決勝の舞台は逆に王者にとっての試練となる可能性は大いにある。

後で照の持ち得る制約・弱点について触れる。

 

・辻垣内智葉(臨海女子)

銃刀法違反の人。正直サトハが照に勝てるビジョンが浮かばないんだけどもこと卓で勝てるとしたらサトハというのも事実。周囲を利用する対応型のイメージが強いが荒れ狂う東風娘とドラを全て固める人とそのドラ固めの人と同卓しながら捨て牌1段目で平気で6000オールツモってくるチャンピオンに挟まれてどうチャンピオンを出し抜くのか気になるところである。

 

・松実玄

ドラを固めるひと。2回戦や準決勝では苦い思いをしたがだからこそ決勝で花を持たせてあげたいところ。とはいえ相手は去年の全国1位と3位がいる。やはり苦しい展開になるんじゃないかというのが大方の予想であったが同じような前評判だった優希がなんと役満和了ってしまったので玄も健闘のチャンスがあるように思えてしまう。

本編・スピンオフ合わせてもまだほとんど雀士としての情報が与えられていない露子さん*2の回想パワーもあるだろうしあの赤土晴絵の地盤を作った露子さんの娘なのだから更なる才能が開花しても不思議ではない。

 

 

〇照の弱点について

照に勝つのがなぜ難しいと思われるのかというと偏に直撃チャンスの少なさがあるからだ。準決勝での玄の倍満直撃は怜や煌の不断のアシストと照の照魔鏡を信頼し過ぎた思い込みによってもたらされたものだが、決勝の照はもう少し保守的になってると考えられる。つまり、連続和了によって最低打点が上がりリーチする必要が出てきたとしても、そこにつけこまれるリスクを負うよりはダマにして和了りのチャンスを見送る可能性の方が高い気がするのだ。ただでさえ不自然なダマが多い照だがそこに玄のような能力に対する制約が存在する可能性が見えてくる。照魔鏡を信頼しているのにダマっているということは防御のための闇テンじゃないように思えるのだ。つまり打点制約の方で適切な打点上昇のステップを踏まないと何らかのペナルティがあるというような。

と書いてみたものの実はこれについても準決勝の中で反例があり、確かどこかからか高めが出てしまったものの(渋々?)ロンしていた記憶がある。胡桃のようなリーチに対する直接的な縛り*3という可能性もなくはない。

負けてほしくはないがどうやったら負けるのかが気になって仕方がないので今後の3者の活躍に期待ですね。

*1:正直直撃がめちゃくちゃ不安。玄の親倍とかに刺さりそう。

*2:玄と宥のお母さま。

*3:胡桃ちゃん描写少なすぎるけどいつか補完されるんだろうか...。

宝石の国について1

こんばんは、minamoです。下書きで眠ってたのを起こしました。

 

 

少し前*1にアニメ化もされた宝石の国について原作8巻までの感想やらを書きたいと思います。

アニメ版は原作5巻の途中くらいまでの内容までとなってますがここではモリモリその先の話も出てくると思うのでネタバレ注意です。

 

 

 

 

〇世界観、設定、宝石たちの概要とかストーリーの基本骨子

宝石の国 - Wikipedia

このへんは前提として色々と読み込まれているものとして書くので「えっどこの話してるんだ」みたいなことになりがちかもしれない。細かめのとこは原作の参照元載せるようにできたらいいな(めんどくさい)。

 

 

〇硬度表

2秒検索して出てこなかったので自分用メモをここに貼っておく。

 ???...金剛先生

10...イエローダイヤモンド、ダイヤモンド、ボルツ

 9...パパラチア

8.5...アレキサンドライト

8...

7.5...ユークレース、レッドベリル、モルガナイト、ゴーシェナイト、ウォーターメロントルマリン、ジルコン

7...ジェード、カンゴーム、ゴーストクォーツ、アメシスト

6.5...ベニトアイト、ペリドット

6...ルチル

5.5...ラピスラズリ、ネプチュナイト

5...スフェン、オブシディアン、ヘミモルファイト

4.5...

4...

3.5...フォスフォフィライト第一形態*2

3...アンタークチサイト*3

2.5...

2...シンシャ*4とのこと。))))

 

最初はフォスが硬度低くて割れやすい=弱いみたいなイメージがあったけど実際のところ割れやすさに結びつくのは硬度でなく靭性という別の指標*5である。フォスはその靭性も最下級なので弱いのだ。逆にボルツは靭性も最強なので無敵ポジションにいる。

 

〇先輩と後輩、先生と敬語について

金フォスとジルコン、ボルツとジェード/ユークレースみたいに基本的に宝石同士は年上年下という関係に依らずタメ口でいいらしい。つっても個性かな。ベニトとか一部に対して敬語使ってそうだし。

工芸のお兄様たちとかパパラチアとかは敬意を表されてるけど

 

 

以下、各宝石に対し雑感。今回は初期でも出てくる6名のみなさんについて書いた。

 

〇フォスフォフィライト

変身系主人公。色んなフォスが出てくるのでここでは生まれたての頃を『ひゃいフォス』、物語開始時の頃を『純フォス』、アゲート補完時代を『俊足フォス』、アンターク拉致以降ゴースト拉致以前を『やさぐれフォス』、カンゴーム以降自壊以前を『狂気フォス』、自壊以降頭部欠損以前を『反動フォス』、ラピス以降を『ラピスフォス』と呼ぶことにする。多いな...。

アニメ版ではやさぐれフォスまでが描写済。人格までもが変化していく様子を黒沢ともよさんが完璧に演技していた。個人的には賢くなったラピスフォスも好きだが反動フォスが健気かわいくて好き。

色々変化があったけどもラピスフォスを例外としてそれ以外の過程ではインクルージョンはフォスのものしか含まれていないので自我というか芯の部分は変わっていないのが面白いところ。どこか楽観的で停滞を好まず積極的に挑戦を重ね(そしてそのたびに欠け)ていくのが今や5割を切ったフォスフォフィライト本来の性質と言える。で、ラピスのインクルージョンが混ざるとアンタークの頃の【幻覚】とまた別種の【夢】でラピスと意思疎通を図るというか思考を制御されるようになった。そして月から戻るころのフォスはユークが憂慮している通りラピスっぽさがかなり全面に出ている。

ゴーストも言っていたとおりやさぐれフォスの頃からラピスにどこか似ているのが、【好奇心】という共通項からどんどん一体化していってる感じがある。頭が入れ替わってるから仕方がないのだが。

もう一つ、実は好奇心の他に【狡猾さ】も似てるんじゃないかという仮説を投げておく。フォスは先生がどう動くのかを知りたいがためにゴーストをあわや見殺しにしたことがあった*6。月に仲間を連れていくため一人一人(一石一石?)の弱みに付け込み月へ誘惑する、計算された誘導をユークはラピスのやり方だと解釈したがフォスは元からそういう手法を取り得る狡猾さを持ってたんじゃないか。ひゃいフォス時代から金剛に言われてる通りフォスは【やさしい子】であってほしいという願いもあるわけだけども。

 

さて今後のフォスはどうなるのか。メタモルフォスが作品の軸になっているとはいえ目まで変わって*7もはやフォスから奪える体の部位がなくなってる。ありきたりな発想としては仲間を失い新たな仲間を得るってとこか。地上に残った仲間を失い月人と仲良く...って失うものが大きすぎるし地上にはボルツがいるから大丈夫か。ユークはガチギレしそうだしむしろ月に来たフォスたちの方が危ないまである。うん、8巻に引き続きラピスVSユークの戦いが見てみたいな~*8

月人と仲良くっつったけど既にセミとはマブダチだしエクメアとは良い感じなんだよな~。肝心なことを教えてくれない先生より何もかもさらけ出してくれたエクメアの方が好感もてるのはそうかもしれないが先生が祈らない限り和解の道が見えない。粉になった宝石たちが簡単に戻せるのかもアヤシイし月に付くことは絶対にいくらかの宝石たちとの敵対を意味する。また天秤に悩む日も近そうだ。

ラピスフォスが根本の目的を見失っていなければまずは月の砂になってる宝石たちの復元の交渉から始めるはず。そうじゃないとイエローが自壊する*9。勝利条件はアンターク、ゴーストをはじめとする失った仲間たちを取り戻すことだが、楽観的にそれがかなったとするとフォスは四肢と首を落とすのだろうか。首を落とさないことにはラピスが復活できないしそこは確定だろうけど既に二人のインクルージョンは混ざっているのでテレパシー的なことはできるようになってそう。そして頭以外に関して、足は取り外せそうだけど金と白金は外れるイメージがない。それにフォスフォフィライトに戻すと再び弱いフォスに後戻りしてしまうし強い体を選び自分の体を戻さない可能性は十分ある。

あと、フォス絡みで外せない話題にシンシャの一件があるがこれはシンシャの項に書くことにする。

 

〇ダイヤモンド

弟であるボルツに対して嫉妬羨望を抱えながらも弟という点でかわいがってあげたいという葛藤に悩み続ける乙女。他の宝石からしたら戦闘力も十分だし美しさでは他の追随を許さないアイドルとして何が不満なんだと思うかもしれないがそこは栄光のダイヤモンド族の矜持というやつでしょう。つーか相打ちとはいえボルツが「勝てる見込みがない」と評したシロ(完全体)に一撃入れたのはかなり評価高いはずでは...??

ふだんは見た目通りふわふわしており可愛いものが好きという可愛い性格をしている。フォスの面倒を見てあげていたのにいつの間にかフォスがボルツに認められるくらい強くなり一時的にボルツと組む、というとこでまた嫉妬羨望モードが発動した。その後色々あったけど今はもう割り切ってるのかなぁ、イエローお兄様あたりがメンタルケアしてあげるべき鳴きがするけども。

 

 

〇シンシャ

ダイヤを乙女と書いたが本当の乙女はこいつである。メインヒロインである。圧倒的不遇の人生の中現れたフォスという無責任な希望に光を見出し彼の解答を毎日待ち続ける生粋のガチ恋少女。

...というのが最近までの見解だったわけだけどもラピスフォスの月ツアー勧誘に対し先生を優先するように先生に対してもかなり思うところがあったらしい。間違いなくこれからの展開のキーパーソンになると思われる。月のフォスと地上のシンシャ、穏便に済めばいいのだけれどまぁひと悶着あるでしょうね。

 

 

〇ルチル

耳が良い*10ということが言われていたがこれはやさぐれフォスとパパラチアの会話が聞こえていたということの伏線で間違いないと思われる*11。フォスがぶっ壊れまくるために出番が多くファンも多そう。一見クールなようでいて一枚剥がせばマッドサイエンティスト、二枚剥がせばただのパパラチア推しという構造。子供っぽいところがありよくジェードやイエローあたりをからかってる。本当に若かった頃はホンモノの生ガキだったらしい。

 

〇イエローダイヤモンド

長いこと考えて疲れてんだというように最年長のお兄様。ジルコンをボルツと組ませて以降は実績豊富な特別講師*12としてアレキと同行している様子が描かれている。(月人にさらわれない限り)永遠の人生の中で何度もパートナーを失う経験をしておりそれを自分の無能によるものだと抱えてしまうところがある。そこでパパラチア大先生に話しかけるようなとこはなんというかしんみりくるものがある。

そんなイエローに粉になった仲間たちを見せようというのだからラピスフォスは畜生である。

 

〇ボルツ

戦闘マニア。今のところ無敗。こいつが来たらまぁ何とかなるっしょみたいなバランスブレイカーだけどシロに対しては撤退したりもするので何でもかんでも勝つというわけではない。

クラゲを何匹髪に包めるかとかいう遊びに興じたり意外に面白いところもあるが、やはり基本的に戦闘のことしか考えていないためジルコンとか後輩からは結構ビビられてる。

ラピスフォスら月の軍勢が地上の宝石たちと一戦交えるときがあるとしてその時一番の障壁になるのはまぁボルツだろう。タイマンじゃぁまずフォスでも勝てないだろうしパパラチアとコンビで戦ったりするんだろうか。いやぁボルツさんに勝てるビジョンがない。

 

とりあえずこれだけでまたゆっくり追記していく。

*1:2017秋

*2:変身過程で硬度変わってると思うんだけども詳しい言及はなし。

*3:硬度と戦闘力は比例しない。

*4:最低値。特性上戦闘は得意でも金剛が叫んだら割れるだろう((

「宝石の国ラジオ〜金剛先生がお呼びです!〜」第2回 - YouTube

*5:硬度は純粋な硬さでひっかきに対する強さを表すが、たとえ硬度が高くても靭性が低いとある一定方向に力を入れられると簡単に割れてしまう。

*6:5巻34話。そのあとフォスは自省し追い詰められるが。

*7:そもそもその目はラピスのだし...

*8:ジェード議長に見せ場がほしい。

*9:砂になってるって聞くだけで無理にも思うが、隠しきれるのか?

*10:5巻29話、アニメ

*11:原作5巻29話、アニメ12話

*12:5巻31話