響け!ユーフォニアム新章(小説)感想 ~展開部~

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』のネタバレを含む感想記事です。ご注意願います。

 

先日2度ほど劇場版を見てきたばかりの響け!ユーフォニアムシリーズだが今年の夏に原作が新章を展開した。今作はあすか香織晴香たちが引退、卒業し久美子や麗奈が二年生になった新しい北宇治高校の物語ということになる。およそ1/3の主要メンバーがリフレッシュされるというのは物語にとってのある種の試練になると思ったが新章も無事、不安を吹き飛ばす素晴らしい出来であった。ユーフォのアニメは見たけど小説は未読だよーって人はぜひぜひ読んで欲しい。

これより感想をつらつら書き並べる。くどいけどガッツリネタバレがあるのでご注意願います。

 

【新入生のキャラ配置】

今作を捉える上で欠かせない要素なのでまずはここから。

 

・久石奏

ユーフォ担当の1年。緑曰く甘え上手な猫。猫かぶり。演奏技術は新入生の中でも優秀な方で入部初年度からAメンバー入りを果たす。物事を分かったような顔をして俯瞰して見るあすかのような不敵さを常に醸し出し、久美子にはこれでもかというほどあざとく甘える。一方、新1年生の中での交友関係は広く学年社会においては大きな影響力を持っている。まとめると彼女は【新入生の潤滑油】【あすか・夏紀・久美子の要素を併せ持ったユーフォの後継】【久美子を尊敬する直属の後輩】といった役割配置にあるという印象を得た。彼女は主要キャラクターでかつお気に入りなので後でも触れる。

 

・鈴木美鈴

チューバ担当の1年。気難しい実力者だが練習は定時で帰る自分より居残って先輩たちと練習するさつきの方が評価されていると感じ思い悩む。結果的には葉月やさつきを差し置いてAメンバー入りを果たす。役割は【さつきとの対比】【実力とは何かを問う】

 

・鈴木さつき

チューバ担当の1年。明るい性格で先輩ともすぐに打ち解け居残り練習にも励むが美鈴に言わせれば「非効率な練習」をしているために実力は美鈴の方が上。正直そこまで出番があったわけでもないので書くことは少ない。役割は【美鈴との対比】【葉月の後輩】

 

・月永求

コントラバス担当の1年。美鈴以上に難しい性格をしており緑以外にはろくに心を開こうとしない。が、逆に緑に対しては尊敬を通り越して崇拝の域に達している。また、龍聖とのつながりが強調されており『源ちゃん先生』は求の祖父と推測される。役割は【緑の後輩】【龍聖とのコネクト】

 

・小日向夢

トランペット担当の1年。気恥ずかしがり屋で注目を浴びることに耐性がなくソロはおろか1st*1のオファーをも断ってしまう。自信はないが演奏技術は麗奈が認めるほどに優秀。役割は【麗奈の後輩】【非完全成長対象】

 

・加部友恵

元トランペット担当の3年。新年度は久美子と共に1年生の指導係を請け負うが、持病の悪化に伴い奏者から身を引きマネージャーとして獅子奮迅の活躍を見せる。役割は【久美子でさえもすぐに心を許せる先輩】【部活の小さな問題の掃除屋】【優子の負担軽減】

 

ざっと整理すると以上のようになる。それではこれからは既存キャラ+奏の動きについて述べていく。

 

・久石奏(2回目)

基本的に優等生な彼女だが口を開けば毒だらけ。求に対して執拗に苗字で呼ぶ嫌がらせや隙あらば久美子をからかったりといたずらごころに満ち溢れている。さて先ほど【あすか・夏紀・久美子の要素を併せ持ったユーフォの後継】と書いたが、これについて書き下す。まずあすかについては久美子が再三触れている通りである。夏紀についてはややこじつけがましいが、毒舌といたずらごころ、ここぞの優しさは夏紀に通じるものがあると感じた。久美子について、これは一番成分が多いと思うところで、信頼しきれない相手には同級生であろうと慇懃無礼とも取れる徹底敬語で話してバイタルな距離を取ろうとしたり、近づいた相手には逃すまいと鋭く踏み込んだり。これはまさにあすかや麗奈が指摘してきた久美子の本質に近い性質と言えよう。久美子を色濃く継承しているという意味合いも含めて第三の性質は【久美子を尊敬する直属の後輩】としたわけだが、当然後輩は先輩を頼るもので、さんざん【黄前相談所】で久美子の先輩としての有能さは示されたが奏はその最たる鏡として取り上げられている。

 

黄前久美子

主人公である。初年度は2年も3年も【先輩】という同じカテゴリであり少々の差はあれ基本的には同じような関係性であった。しかし今年度は久美子には【先輩】と【後輩】という複数のトラブル源が現れた(そのぶん【同輩】はそこまで問題を起こさない)。これは単純に久美子の活躍にバリエーションをもたらすことになり、去年より主人公らしさが増していた。冷静に考えたら先輩の問題も久美子が処理するの意味わからんがw

今作での役割は【黄前相談所】【恋愛】【1年の指導係】【成長の象徴】といったところ。少しだけ掘り下げる。

まずは【黄前相談所】。これは物語の核となるところで、任意のエピソードにコレが絡む。【1年の指導係】であることや部長である優子の差し金もあって新入生は悩み事があったら久美子のもとに吸い寄せられてくる。久美子も久美子で困惑しながらもそれを受け止め逐一対応しほぼほぼベストな結果を残して1年生たち*2の信頼を得た*3。久美子の『弱いところに刺さる』『何か引っかかる』という元来の特性に頼らざるを得なくなるのは先輩たちも同様で、南中カルテットの全員が久美子のお世話になった。夏紀は奏との間を取り持たれ、優子は頑張りすぎを諫められ、みぞれはついに自分の意見を引きずり出され、希美は同級生にすら言えない本性をさらけ出す。久美子の八面六臂の大活躍ぶりには舌を巻く。とはいえユーフォ史上最もこじれた話になった希美とみぞれの関係に関しては久美子は珍しく拒絶されるなどと何度か失敗し人間性(非完全性)を露呈した。【恋愛】については原作オリジナルということになる可能性もあるが、【ある冬の日】*4において塚本と良い感じになった久美子は新年度も塚本を意識し恥じらうシーンが多々ある。正直、アニメ版の久美子は塚本に対して冷徹とまで言えるドライな対応ばかりで俺が塚本だったら泣くレベルなので異性を意識する久美子というのが新鮮極まりなかったわけだが果たして2年生編がアニメ化されたら恋愛のトコも再現されるのだろうか...?といっても久美子の自己評価は『部活と恋愛を両立させられるほど器用じゃない』なのでカットされようがさして影響がないというのが塚本秀一への悲報である。最後に【成長の象徴】と何とまあ抽象的な言葉を並べたがコレは作品と主人公というメタ的な関係性に依るもので当然のものである。1年という時を経て、あすか先輩という厄介な先輩の教育の成果*5もあって多少のトラブルに対してどっしりと構える余裕があったり、演奏ではパート内最優秀でソロを任せられたり、後輩指導という責任もしっかりと果たしたりと随所に進化が見られた。先述の通りまだまだperfectではないが来たるべき最終学年へ向けて久美子はしっかりと成長している。さらに、麗奈という久美子視点【特別】に近い人間に憧憬を抱き彼女に肩を並べて歩きたいという意思が現れていたりもして演奏者としての貪欲さも身につけておりいよいよ主人公感がオーバーフローしている*6

 

高坂麗奈

主人公の相棒。今作の役割は【久美子の相棒】【慧眼】【新入生の憧れの的】【夢の先輩】。今年も様々なトラブルに巻き込まれる久美子の要所での相談相手として相棒力をいかんなく発揮した。また、孤高と思われている彼女だが周囲の人間観察能力は高く*7優子の部長適性やみぞれの演奏への違和感、希美の心理把握などあらゆるプロファイリングで余すところなく慧眼を発揮している。さらに天下一品の演奏技術は揺らぐこともなく、成績優秀*8、容姿端麗ということもあってあすかに近い存在となり新入生の憧れの視線を浴びる。実際のところもう【特別な存在】と言っていい状態だがコレは久美子の物語なので麗奈は久美子が【特別】に漸近するためのパラメータという役割になるのかなぁという気がしている。まぁ現時点で相当優秀なので文句を言う人間もいないのだが。【夢の先輩】と書いたが麗奈が手取り足取り優しく指導するはずもなくそこまで先輩という活動は見受けられなかった。来年に期待(?)である。

 

川島緑輝

久美子のクラスメイト。今作の役割は【求の先輩】【解説係】【久美子を超える俯瞰】【特別へ近づく者】。今作を読んでいてアニメ版からだいぶ印象の変わったキャラクター。アニメじゃ割とほんわかぱっぱーだったのが、非常に鋭い観察眼と洞察力を以て久美子を内心驚かせていた。【求の先輩】というのはそのままで、捨て猫のような求に対し自分と似た成分を見出しかわいがって教育している。【解説係】はあすかからの任命。曲や楽器の背景理解に対して先生役を担っていた。【久美子を超える俯瞰】とは先ほどの観察眼と洞察力のことで、低音パート各位の人間性を見抜いているかのような動物への暗喩は一読の価値ありである*9。【特別へ近づく者】について、先述の麗奈に引き続いて彼女も高みへ近づいている。元々超強豪中学出身で1年時にはあすか先輩に「サファイア川島はパーフェクツ!」と言わしめている演奏能力を持っていたのでその実力は間違いなく本物なのだ。まるで久美子と麗奈の学年には私もいるんだぞと読者に強く訴えかけてきているかのような強烈な存在感を示していた*10

 

・中川夏紀

ユーフォ担当3年生。役割は【奇跡は努力の先にある】【優子の妥協】【ぬるい優しさ】。思いっきりネタバレになるが前編のクライマックスである夏紀先輩のAメンバー入り。非情なことを言うが筆者的にこの展開は前編読了の瞬間では少なからず興ざめだった。オーディションでハッキリと分かるミスをしてしまったメンバーをAに入れてしまう滝、そこに夏紀が【今までAに入ったことがない3年生】であるという境遇への同情がなかったと言い切れるのか、と。だがこの不満への解答と受け取れる描写が後編で提示された。それが【優子の妥協】だ。優子の体制が滝にまで浸透していたというのであればこれは麗奈が指摘していた【妥協】の結果の一つとして矛盾なく受け取れる。無論夏紀はこれまで、1年の時に腐ってしまった分を取り返そうと必死にもがいてきたはずで、その努力が報われたと解釈することはいくらでもできる。しかし滝昇の冷徹な判断も無視できない確実な要素であり、彼が本番の場面で致命的なミスを犯すような奏者を採用するということは何らかの理由なしには考えられないのだ。そこであのオーディションの結果は夏紀の努力の成果+優子の妥協という二点に起因すると結論付ける。次に【ぬるい優しさ】について、夏紀はいつも相手のことを慮っており部長として頑張りすぎる優子を終始気にかけていた。しかしその底なしの甘い優しさは今作の希美のようなこじれきった人間に対しては心臓を逆なでされるキツいものである。そんな人間には久美子のような弱いところに刺さるキャラが適任であるということを本人も自覚しているというのが面白い。夏紀先輩マジ優しすぎる*11。過程にこそ違和感があったが夏紀がAメンバー入りを果たしたのは夏紀推しとして本当に嬉しい結果だった。

 

・吉川優子

トランペット担当3年。役割は【新部長】【あすかの呪い】【妥協】。部活のトップに立ち後輩たちをまとめていた優子。かの麗奈サマに褒められるほどそのカリスマ性は見事だった*12。重責を果たした彼女だがその負担は重く、実質の前任者であったあすかが優秀すぎたために頑張りすぎてついに合宿で体調を崩す。常々夏紀に休めと言われていたが気に留めず働きまくり...救世主加部ちゃん先輩が現れなかったら致命傷を受けていただろう。そんな彼女は今年度の目標として悲願の【全国大会金賞】を掲げるが、大枠の方針として『頑張りすぎて綻びを生まないように適度に妥協する*13』という体制を暗に敷く。これは部員も大きく増えた環境において昨年度のような種々のトラブルを未然に防ぐように考えられたものだったが、結果としてはそれが裏目に出る形となった。妥協といっても演奏など基本的なところではベストを尽くし、間違いなく昨年度よりレベルの高い演奏に仕上げたにも関わらずあの結果になったのはひとえに周囲のレベルがさらに高かったから*14。前年の全国出場という前提があったからこその妥協方針は結果論だがやはり甘かったということになったとはいえ優子はめちゃくちゃ頑張った。彼女には香織先輩からの労いの言葉が待たれる。

 

・鎧塚みぞれ

オーボエ担当3年。役割は【青い鳥】。今作のもう一人の主人公。口数が少なく意見と呼べるものもほとんどないために彼女のモノローグは貴重である...と思っていたが結局のところ希美至上主義ばかりで独白もさして意味をなしていなかった。そんな彼女の成長が波乱の第二楽章の主題の一つだった。麗奈は一瞬で看破していたが自由曲のソロでの希美との掛け合いにおいてみぞれは実力を出し切れない。理由は2年前に希美がみぞれの期待を裏切る形で部活を辞めていったトラウマを克服しきれず彼女を信頼しきれないため。だが久美子や新山先生の不断の努力の結果、ついにみぞれが全力全開を解き放つと作中の描写で麗奈やあすかでも為したことのない史上最強の演奏による【場の支配】が発生し生徒は魅入られ誰一人全くついていけず指導陣すらも困惑するという圧巻のシーンを生み出した。本を読んでいても背筋がゾワゾワするほど衝撃の場面だったのでここだけでもアニメ化してほしすぎる*15。希美以外にも交流を深めるようになり、演奏の圧倒的才能*16を以てこれまでの殻を破り音大への進路を固める彼女は作中で一番【特別な存在】になったように思える。

 

・傘木希美

フルート担当3年。役割は【リズ】。前年度では不屈のニコニコ精神を湛えた笑顔の化身とも呼べる存在だったが今作でその笑顔は引きつりっぱなしだった。みぞれの才能を早いうちから看破しており、彼女はずるいと内心思いながらも表向きは笑顔で対応する。久美子は希美とみぞれの関係性を矢印の重みがみぞれ→希美に偏り過ぎていると思っていたが麗奈先生は逆だと指摘。希美の嫉妬、羨望を見抜く。そしてくすぶっていた時に遂にみぞれの全力を見せつけられ精神的に限界を迎え黄前クリニックのお世話になる。完全に闇堕ちしており幾度となく久美子と話すも中々心の闇は晴れず、もし滝がみぞれと希美の実力を理解した上でこの自由曲を選んだのであれば残酷だなぁと思った。結局のところその実力差は埋め難いもので、希美のフラストレーションは未解決問題のままなのだ。【大好きのハグ】でみぞれが希美に告白するが希美はそれに対して「私もみぞれのオーボエ好きだよ」としか返せない。精一杯返した言葉でさえ悲痛に満ち溢れており、今作の希美は虚淵作品から出張してきたかのような絶望的役回りを背負わされている。それが最高に良いんだが(ガチクズ)。

 

さて、あらかた主要メンバーについて書き並べた。今作の目標は大きく【リズと青い鳥の描写】【久美子たちの成長】【新1年生たちの紹介】の3点にあったと思われるが、奏や美鈴の性格は好みだし久美子の大活躍はカッコいいし3年生たちの苦悩と絡みはブッ刺さるし最高のお話だった。まだあるとは決まっていないがほとんど約束されているであろう最終章が待たれる、素晴らしい作品だった。映像でもみたいなぁ、あぁ、早く新作映画がみたい。

*1:パート内における演奏箇所区分。1stは基本的に主旋律など目立つ高音を担当するので優秀な奏者が担当する。

*2:黄前相談所に世話になった1年生:梨々花、美鈴、奏、夢、etc...

*3:実はここまでが優子の筋書きだったわけだが

*4:別冊、『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの』収録。

*5:久美子の脳裏には度々【銀色のユーフォニアム】がちらつく。

*6:本人は胸の大きさを成長させたいようだが。

*7:1年のときにも予兆はあった。

*8:進学クラスというだけでそこまで描写はないが。

*9:個人的には久美子→狸がお気に入り。

*10:葉月は...いい奴だったよ...。

*11:このぐう聖のメンタルをゴリゴリ意図的に削るぐう畜1年がいるらしい。

*12:関西大会後の優子の言葉は強烈。

*13:優子自身は頑張りすぎて綻ぶ。

*14:メタ的に見ると久美子たちが3年になる終章へのタメの今作。古典派音楽の基本である【ソナタ形式】になぞらえてあると見ることができる。

*15:もしかしたら、もしかしなくても?次作のユーフォ映画『リズと青い鳥』で描かれるかもしれないけども。

*16:技巧というよりは努力の才能である。早々に先輩オーボエ奏者が辞めてパートに一人しかいなくなったにも関わらず毎朝早くからひたすら基礎連に励むのは中々マネできるものではない。

フェイズ・エリカ1巻感想 ~三角関係?~

先日、まらしぃ全国ツアーの大阪公演に足を運んできた。その開演まで連番者と串カツ食べたりして治安の悪そうな難波の街で時間をつぶしていたがそれでもなお時間が余ってしまった。そうして落ち着かない足がフラりと赴いた先はオタクショップ。特に目的があったわけではないが、2017夏の個人的覇権アニメであったプリプリのクリアファイル1点を手に取り満足げなオタクスマイルを浮かべレジに向かう道中、一冊の漫画が目に留まった。それが今回とりあげる【フェイズ・エリカ】である。

 

一体何の作品なのかと思うかもしれないが、その正体はオタクであれば聞いたことくらいはあるであろう巨大コンテンツ、ガールズ&パンツァーのスピンオフである。ガルパンは【もっとらぶらぶ作戦です!】【リボンの武者】【リトルアーミー】など公式と同人の境界がよく分からなくなるほどスピンオフ作品がバスバス展開されており表題の作品もその一つである。

 

筆者は黒森峰、みほまほエリカ周辺の関係に関心があったのでわざわざ手に取ったが、実はググったら無料で1巻収録ぶんまでは読めちゃうみたいなのでネタバレ注意とは言うものの、サクッと自分で読んでから感想を見ていってほしいところだ。

 

 

【まほ・みほ・エリカの関係性】

今作のメインテーマであり当然1巻から焦点を当てられていたこの点。アニメにおいては最終的な和解(?)まではみほ視点だと何やらドライな対応をされているように映っていた。実際エリカはみほに対して劇場版においてさえ辛辣そのもの。理由はエリカの理想である【西住流】と【みほの戦車道】との乖離だったり(作中)昨年度の黒森峰VSプラウダ戦におけるみほの戦線離脱(重要事項なので以下★とする)だったり。一つ目は大洗優勝で認めざるを得ないとこであるし以降の態度はツンデレのソレと捉えられなくはないだろうが、エリカのみほに対して思うところはそんなものじゃぁないと考えられる。

 

・エリカ→みほ

さて、フェイズ・エリカで明らかにされた事実として中学1年の黒森峰中学入学直後からエリカとみほは出会っていたということがある。入学直後のエリカの態度はアニメにおける態度と大体同じで「こんなフワフワした頼りない子が西住流だなんて!」と認められないご様子。さらにみほが2年にして隊長を務めていた憧れのまほから直々に副隊長に任命されたことに立腹、直接対決を申し込んで白黒ハッキリさせようとした。結果として【みほの手加減】もあってエリカの勝利となったがみほの実力を思い知ることになった彼女は副隊長の資格を認めることに。しかしもちろん自分に勝ちを譲った手心を彼女のプライドと西住流への思いが許せるはずもなくみほをひっぱたくところで1巻は終わる。

ここまでで分かる重要事実は【エリカはみほの実力を認めている】ということである。この後で不服があっても2年の終わりまでエリカはみほの副隊長の座を覆すことができなかった。直情的な彼女であれば不服をほったらかしにしないので、思想的な食い違いはあるにせよ、みほの力量は自分より上だと承知した上で戦車道に勤しんでいたことは間違いない。さらに、思想的な食い違いを差し置いても認めざるを得ない力量差があったと解釈することもできる。アニメ世界においてエリカがみほに怒っている理由は黒森峰を敗退させた原因・西住流の名を汚したetc.と映るが、そんなんじゃ敗退という致命的な結果を引き起こすまでみほの性格を野放しに副隊長の重責を負わさせていたエリカ自身に対してブーメランが刺さるのではないか?つまり、いざというとき勝利に固執しないみほを副隊長にさせていたのは他ならないエリカ自身で、結果として負けたからといってみほを責める権利があろうかという話である。だから先述の通り、エリカのみほへの思いはそんなに浅はかなものじゃないと推察できる。

では何に対して憤っているのだろうか。ここからは妄想オンパレードなのだが、エリカはみほが黒森峰を辞めてしまって困ったんじゃなかろうか。彼女はみほの実力を認めていた。憧れのまほとともにプラウダ戦までは黒森峰の柱となっていたその妹がやめてしまい後任にエリカが収まったということは、エリカ視点、前任者より無能な自分が副隊長になってしまっているということである。まっすぐな性格の彼女としていくらみほの戦車道に理解を示せなくても実力差に関しては思い悩んだことがあるだろう。戦力的にも重要であったみほを失ったということと、その後釜に自分が据えられたということのプレッシャー、そして当のみほが戦車道から離れていると聞くと当たりたくなる気持ちも不思議ではない。複雑なトコだけどエリカ→みほが【尊敬】まであるかどうかは今後の演出に期待(アニメ・映画と同じ線ならなさそうだが...)。

 

・まほ→みほ

まほさんはいつも妹に真剣だった。入部0.2秒で副隊長に指名し、みほとエリカの直接対決も自信たっぷりに見守っていた。

その対戦内でみほが手心を加えたわけだが、これに対するまほの対応が非常に興味深い。まほは「あぁいう性格なんだ」とアッサリと許容し、勝者のエリカにも「分かってるよな??」と言わんばかりのガンを飛ばして威圧していた。これの何が興味深いかというと、西住姉妹に似たような姉妹が他にいるからである。

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そう、宮永照・宮永咲姉妹である。割と比較されがちであったと思っているが、今回のこの案件はまさに対照的に感じる。バケモンみたいに強いはずの妹が手加減(咲は不可抗力の可能性もあるし手加減そのものではないが)したことについて、許容できるか許せなかったか。最近の様子を見るに照も許せないって感じじゃないし宮永姉妹に話を沿わせるのは少々強引になってしまうが一般的な考察において照は咲のプラマイゼロ(手加減もどき)に辟易したと解釈されているので対照的という言葉を選んだ。じっさいこの辺が和解の糸口であることは間違いないしいずれ宮永姉妹も全力全開でぶつかりあうのが楽しみだ。

西住姉妹に話を戻そう。まほはみほが黒森峰を辞めようが一貫してみほの存在・性格・戦車道を認めていた。表向き厳格なマホーシャだが妹に関しては全面的に優先させて甘いという素晴らしいお姉ちゃんである。黒森峰敗北に関しても何も責めていないしここの関係は【オールオッケー】の一言で済ませられるという結論に至る。

 

・エリカ→まほ

憧憬。おわり。

 

・まほ→エリカ

フェイズ・エリカ1巻においては、「何ややるやんけ、もうちょいできたらウチのみほと五分って感じやな」ってくらいである。この感じだとエリカも頭角を現していくだろうし彼女が副隊長になる前からも目を掛けてはいただろう。

 

・みほ→エリカ

現状「叩かれた、痛い」くらいしか。これから描写が増えていくと一番うれしいところ。

 

・みほ→まほ

描写不足だがここはアニメ世界線と大差なさそう。

 

とりあえずこんな感じで。気が向いたら加筆する。

プリンセス・プリンシパル 12話(最終回)感想 ~Our sweet turtledove~

プリンセス・プリンシパル12話(最終回)の感想です。ネタバレ注意でお願いします。

 

初めに、全12話を見てきたけど最初から最後まで素晴らしい作品だった。スタッフの方々おつかれさまでした。

最終回を終えて感無量になってるけども落ち着いて振り返っていきたいと思う。

 

・クーデターの概要

移民、貧困、格差に圧迫された植民地出身兵士たちが女王を暗殺するという革命は、case11で建立してた新王室寺院の【天井を落とす】というダイナミックかつ言葉にしたらカッコいい方法だった。大工さんたちに反王政派がたくさんいて建物そのものに仕掛けが仕込まれているというスケールの大きい作戦。作業員たちの「ここができたら女王陛下が来るらしいぜ」「そいつぁいい」みたいな会話があったけど皮肉だったのかもね。

 

・#12 case24 Fall of the wall

壁が落ちる日。王国と共和国の壁は落ちなかったし王室寺院の天井も落ちなかった。少しだけアンジェの心の壁が落ちたかな、という感じ。

 

ホワイト企業、コントロール

大佐「ゼルダが新王室寺院に向けて出発しました。あと8時間で政権は交代します」

ジェネラル「予定通りだな。やはり古臭い情報委員会では時代に合わんのだ。...7はどうした?」

ドリーショップ「え!?あぁ、サボりですよ、サボり」

 

その説明でいいんかい!ドリーショップさんは事情を知ってたってことだけど*1もうちょっと気の利いた言い訳をしても良かったんじゃw

 

チェンジリング失敗を看破したゼルダ

ゼルダ「この革命が成功する確率は1割もないだろうな。だが、それならそれでいい。王国の内乱はそれだけで共和国の侵攻の好機になる」

シャーロット「コントロールは失敗すると分かってて革命の後押しを?」

ゼルダ「国民のことを想うと胸が痛むか?流石は本物のプリンセスだな。見事だったよ、最初は私も騙された。どうやってアンジェを欺いた?」

シャーロット「何を言ってるか分からないわ」

ゼルダ「革命を止めようと思っているなら無駄なことだ。いざとなったら私がお前を殺す。革命は弔い合戦っていう名目にさせてもらうよ」

 

まぁアンジェを知っていればちょっとしゃべったら別人って気づくわな。とはいえプリンセスの見た目をした存在は今ここに彼女しかいないのでとりあえずそのまま進めてしまおうという感じかな。シャーロットが言う通り、とどのつまりどちらか一人がいたら話は進められるんだから。

 

・グッバイ・カサブランカ

取り残されたアンジェはシャーロットとの会話を思い出すと共にポーチの中から昔おそろいで被っていた帽子を見つけ、彼女の言葉の嘘にようやく気が付く。強く想っていたからこそ衝撃的な発言を受けたショックで冷静な判断ができなくなって真に受けちゃってたんだろうね。

かくして戻ることを決意したアンジェ。今回は閉じ込められたとこから抜け出すため故意に火を放ったけども燃え盛る飛行船からの脱出というのは当然#03に重ねてる。これまでの演出・展開を最終回に集約させるというテクニックを使おうという意思を感じる。そして発見される書置き。

My turtledove,

Run and live

as Ange!

私の大切な人へ

逃げて生きて

アンジェとして!

 

あの嘘はその場を離れる自分への叱咤の意味合いが強かったのかなぁ。こんな書置きしちゃぁ(元から明白とはいえ)嘘がバレてアンジェは戻ってくるに決まってる。「ばかっ!!」って言いたくもなるわ。にしてもMy turtledoveなんてイカした表現初めて見た、ロイヤルな英語かっこいいな~。

全く関係ないけどここのBGMがかなり咲-Saki-っぽい。

 

・帰宅

地上に戻ったアンジェはまずメイフェア校へ帰還。部室の様子を見るとゼルダ(のフリをしたベアト)と連絡を取る男スパイ(貴重な男性につき名前を次郎とする)を発見。アンモナイトの模型で殴り倒す。打撃音的にコレで死んだかと思ったら気絶してなかったので尋問してシャーロット情報を入手。次郎は肝が座ってないようで銃によるケガをする前からペラペラ事実をしゃべっちゃう。訓練受けてるしもう少し困らせてもいいだろうに。まぁ過去最高にピリピリしてるアンジェさんだし委員長が言ってた【昔のアンジェ】みたいな殺気全開情け容赦なしモードだったから気圧されたんだろう。実際すぐ殺そうとしてるし*2

 

・BとDとの再会

メイフェア校に潜って電話ジャックで情報収集してたベアトリスとドロシー。ドロシーは完全に追い出されたっぽかったけど結局#11でベアトはどういう状態に置かれたんだろう。描写はなかったにしてもたぶんドロシー同様に白鳩から外されたんだろうけど、元々ベアトリスはメイフェア校の正規の生徒だし普通に寮にしか居場所ないはず。でも彼女がシャーロット側の人間であることは明らかでそんな人間を(なぜか白鳩解体以降も作戦本拠地にされている)メイフェア校の近くに置いていていることには違和感がある。

仮説1:ベアトは天使につき無害と判断され放置されていた。

仮説2:ベアトもチームから外されたが彼女の身の危険を案じたドロシーに回収された。

この辺だろうか。ま、釈然としない点は誰かラジオの質問コーナーに投げてくれるっしょ。

ドロシー「政府からの命令でゼルダの作戦内容を探ってた。うちらは政府と軍部の椅子取りゲームに巻き込まれたのさ。今は共和国内もかなりピリピリしてる」

 

共和国も派閥割れしてて王国のこと言えんやんって話だね。彼らの下で動くスパイたちがどう分かれるんだってのは気になる。スパイって与えられた任務に何も言わず従うものだと思ってるから今回の白鳩みたいな理由がないスパイたちがどっちに付くとか考えるのかっていう。

 

・いざ王室寺院へ

ドロシーの車、また雪中走行で酷使されることに。関門突破では無敵パスポート【王女の顔】*3を使おうとするも有能守衛が情報を把握していたため通じず結局強行突破。

 

・クーデター阻止

イングウェイから暗殺方法を聞き鍵をスることに成功したシャーロットだったがゼルダに気づかれ取り押さえられる。前回よりは目つきが良くなっててかわいい気がするゼルダゼルダ株、上昇。

ゼルダ「イングウェイ。やはり貴様が天井を落とせ。貴様が為すべきことを為せ。ジェリコのラッパは既に鳴ったのだ」

困惑するイングウェイに聖書に書いてあるジェリコの壁を壊したラッパを持ち出し教養を見せつつ計画続行を命令する。こういう状況に見合った教養をスラスラ引き合いに出せる人は素敵だと思う。ゼルダ株、さらに上昇。

 

・カーチェイス

追っ手に追いつかれたとこ、行進間射撃*4とはいえその至近距離でドカスカ撃たれちゃかなり危なそう。そしてトンネル側面を走行するということは相当のダウンフォースを受けていることになりドロシーカーの空力性能を賞賛しなければならない。が、健闘むなしく剣歯*5に噛まれバリケードに阻まれる。迎え撃つはガゼル率いる大量の兵士。万事休すかと思われたがここでチセ介入。窮地を乗り切る。

 

チセ「女王暗殺か、穏やかではないな」

ドロシー「プリンセスがゼルダと一緒に寺院にいるらしいんだけど」

チセ「ゼルダなら吹き抜けの上の部屋にいるのを見たぞ」

ドロシー「本当か」

チセ「嘘は言わん、礼拝堂から見えた」

ドロシー「アンジェ、お前はプリンセスを助けに行け」

チセ「私もつれていけ!」

 

チセがゼルダを知ってたのは少し驚き。チームから外される通達の時に会ってたのか。「嘘は言わん」がとっても良いセリフ。もはやスパイではなくシャーロット救出のために動く本当の友達だからね*6。そしてアンジェがチセを連れていくというのも#04のやりとりをしっかり回収している。

 

・決行直前

天蓋が落とされんとする間際にも拘束されたシャーロットはイングウェイの説得を諦めない。自分の命を賭してでも国を変えるという意思を見せイングウェイの心は揺れに揺れる。しかし。

ゼルダ「その女の嘘に耳を貸すな」

発砲。右太ももに命中。1周目ここで「おい!!!」って叫んだのは俺だけじゃないはず。ゼルダお前、ちょっと憎らしげだけど世渡り上手っぽい超絶有能スパイって良いキャラじゃんかと思ってたけど、、それはダメだ。キャラクターは好きだけどシャーロットが全てに優先するというルールを冒してしまった。いや、ほんとは依然好きなキャラだけどこの発砲だけは許せない。

撃たれてなお説得を続けるシャーロットは弾みで入れ替わりにもちょっと触れてしまうが勢いでごまかす。だがこの勢いに革命軍の面々は心打たれ、ゼルダもまたこの異常な胆力(と恐らく入れ替わりあたりの複雑な事情)を目の当たりにし「私の手に余る」と判断。シャーロット殺害を決意するが幸運にも俺が画面を破壊するより先にアンジェとチセが駆けつけてくれた。ゼルダの相手はチセが担当するがゼルダはCボールを以て逃走。ラジオ曰く今後しばらくは情報委員会サイドとしてのスパイ活動はできないと考えられるとのこと*7。一方イングウェイはシャーロットに遺言を残し逝去。やはりおいしい役どころだった。アーメン。

 

・病院、行こうか

寺院を脱出し空でイチャイチャしだすアンジェとシャーロット。この二人の会話はいつも洗練されてるしもっと聞きたいという思いとしゃべってないで一刻も早く病院に行ってくれって気持ちがぶつかり合ってた。

 

・王国の現在

ノルマンディー公「それなりに収穫はあった」

そういう彼の手元にあるのはドロシーカーとスチーム閃光弾の写真。そして【シャーロットの帽子】。待機室への移動中には帽子を被っていてスコーンを食べるときにはもう外しているので部屋への置き忘れ。急いでいたとはいえ証拠を残すとはぬかったね。革命が未遂に終わったとはいえ騒ぎが起こった後に騒ぎの起こった部屋からシャーロットの帽子が回収された。...これはとてもマズいのでは?革命失敗ということは王国の体制は以前のままであるにも関わらずシャーロットはカサブランカで療養、少なくとも今は公務からは下がっているのは確定。そもそも暴動の首謀者に名前を挙げられている可能性も高いし今回の事件がどういう扱いを受けているのかはとても重要である。ラジオ質問案件。シャーロットがプリンセスの地位を追われていたらこれから話を進めにくくなるだろうけど、在位は継続してるのに事件との関連をノルマンディー公に握られている(ことを白鳩サイドが関知していない)というのもあまりに厳しい。今この瞬間は一件落着ムードだけど先行きが非常に怪しいのは気がかりだ。

 

・Lの帰還

ジェネラル「バカどもめ、一体何をやっておった!命令違反だ!プリンシパルのチームはどこに、ぅあ!?」

ラジオ曰くLはジェネラル派によって情報委員会の断りもなく強引に更迭されており、今回の騒動もジェネラル派の暴走だと察知した7が信頼のおけるスパイにLの居場所を探らせ彼を解放させたというストーリーがあったらしい。7メチャクチャ有能やんけ!w

それであっさりと椅子を取り戻したLだったがジェネラルはどうなっちゃったんだろう。Lを見る目が亡霊でも見るかのような目で超怯えてたしわりと小物だった。あと、怒鳴り散らすジェネラルを見る大佐の表情から察するにどうやら顔色を窺ってただけみたいで彼もどちらかといえばL寄りっぽい印象を受ける。

 

カサブランカの白い砂浜

学校において、ナチュラルに人気ありそうなのはベアトだと思うけどアンジェもモテたりするのかな。ドロシーは女の子にモテそう。シャーロットは少なくともリリにモテてる。チセはちょっと怖いと思う。

にしても海で水着じゃないって意外に違和感あるもんだな。露出が少ないのは道具やら何やらを仕込むためなのか。水着に銃は収納できなさそうだし。

それより、シャーロットの右足が描写されてないのが怖すぎる。ほら、お前ら2人もイチャイチャしてないで3人と動けよ!って思いながら幕引きを見た。切断なんてそんなことないとは思うけど...。

 

とまぁ、割と先への不安がゾロゾロ残る終わり方だった。だが裏を返せば続きを作る要素がたくさんあるということ。「色々売れたら2期あるよ」ということが仄めかされてるし気が変わらないうちに円盤とかCDに積もう。や、ほんと2期やってくれ。。

大地葉さん(ドロシー役)「お前ら、欲しいの出るまで回せばいいんだよ、そしたら実質100%ガチャなんだから」

俺はゲームは無課金だけど、課金する気のある方たちはこの精神に則って2期制作を応援しましょう!!

それでは、読了ありがとうございました。

*1:ラジオ参照

*2:ドロシーに止められてるけどこれ生かしちゃダメな存在だから後でそっと処理されたんだろうね。次郎の冥福を祈る。

*3:#04でシャーロットが使用

*4:戦車じゃないけどこの言葉で合ってんのか?w

*5:通過した車をパンクさせる針。佐世保米軍基地の出口に設置されてる。

*6:#01図書館での2人の会話参照。

*7:ラジオで今村さんが「だってこのあと私(アンジェ)たちがリークするわけじゃないですか、『ゼルダ裏切ってましたよーって』」と言ってたけどジェネラルの指令に従ってただけど裏切ってたわけじゃないような...w

プリンセス・プリンシパル 11話感想 ~超えてしまった境界線~

プリンセス・プリンシパル11話の感想です。ネタバレ注意でお願いします。

 

ラスト2が終わりホワイトフラッグ*1が振られた。運命の最終話目前ということで今回は#01#02ばりの内容量だったのでじっくりと振り返っていきたい。

ただし、最終回に結論が持ち越されるため今回はハッキリしない部分だらけで推量が多くなると思われたためなるだけ確度の高い感想を述べるべく今回はラジオ前半で得られる情報も加味して書いていく(今まで触れてなかったけどラジオonlyの情報もあるので考察派の方は聴いてみるのもご一考かと。面白いしw)。ラジオ情報については文末で(R)と書き添えておく。

プリンセス・プリンシパル「プリプリ♡秘密レポート」|Lantisネットラジオ

 

・#11 case23 Humble Double

卑しい二人。二人と言ってアンジェとシャーロットの他にいるだろうか。Humbleの意は捉えにくいが二人とも互いに嘘をついていたり我を優先させたりしたところか。

 

・ドロシーとアンジェ

アンジェ「私たちはスパイよ。命令には従うだけ」

ドロシー「私は殺したくない。私たちはスパイだ。でも、スパイである前に人間だ!割り切れるかよ」

アンジェ「私は黒トカゲ星人よ。人間じゃない」

ドロシー「ーーッ!!.......嘘つき」

 

ドロシーは人間のメンタル。対してアンジェは人間じゃないフリをして気丈に振る舞うがもはや彼女がシャーロットを大切に思っていることはドロシーにも分かっていること。ドロシーは先にアンジェだけシャーロットの部屋へ行かせる。なんとイケメンすぎる気遣い。流石に礼を言わざるを得ないアンジェに対してドロシーは失笑。私にも本音を言ってはくれないんだな、とか思ってそう。

 

・革命部隊

イングウェイ「報告しろ」

部下「は。総員42名、全員揃っております」

イングウェイ「よし。壁の部隊に連絡をとれ。我々はロンドンに着いたと」

部下たち「「「隔て無き世界のために!」」」

 

部隊長のイングウェイの声は小野D。まーたおいしそうな役をもらっちゃって。さて、突如現れたこの部隊の主張は【女王を暗殺しこの世界の壁をなくす】。ゼルダ(共和国)とつながった彼らは女王暗殺後にシャーロットに女王になってもらう算段。No.4のシャーロットが選ばれるのは、革命軍としては空気姫という色のない性質上の利点があり共和国としてはアンジェを潜らせられるという利点があることによるもの。こうして折角空位ができるならアンジェをプリンセスにすり替えて王国女王にさせてしまおうというのがジェネラル(共和国軍部急進派)の筋書き。入れ替えはクーデターサイドにもバレちゃいかんから共和国スパイが本物のシャーロットの処理を行うというのが今回の指令ってことか?ややこしいなぁ。

...革命が成功する時点で王国は多大なダメージを負うはずでその次のトップをスパイにする必要がわざわざあるのかって思ったけどどうなんだろ。まぁ仮に女王が傀儡ならサクサク共和国に下って楽に進められるのは間違いないか。

だがアンジェの言う通りこの作戦は強引すぎで如何ともしがたい違和感の種がバラまかれている。

 

ノルマンディー公「何事だ」

ガゼル「昨晩からロンドン市内に陸軍の一部部隊が集結しているという情報が」

ノルマンディー公「首謀者は」

ガゼル「特定できておりません。ただ、海外植民地出身の兵士が中心と思われます」

ノルマンディー公「ルーアンに派遣した内務省軍を呼び戻せ。秘密裏にな」

ガゼル「女王陛下には」

ノルマンディー公「伝えるかどうか、決めるのは私だ」

 

クーデターを起こす動機はノルマンディー公にもある。女王に伝えない含みからほぼほぼ黒であり目的は恐らく王座。仮に彼が裏で糸を引いている(ジェネラルをそそのかした)のならばシャーロットを生かす作戦の本意は彼女にクーデターの責任を押し付けて自分がのし上がろうという計略にあるだろう。

一方今回かなり推されたキーワードである【植民地】。ガゼルの肌色は濃く、彼女も植民地出身だとすれば最終回でノルマンディー公を裏切る可能性はある。クーデターを止めうるのは彼女かもしれない。目的として合致しそうなのはLだけどもしつながってたらジュリ*2の頑張りが茶番になっちゃってそれはなんか嫌だな。それはさておき彼女もまた嘘つきなのか、期待できる。

 

堀河公「王国軍の兵は、その多くが海外植民地の兵であることは知っているな?」

チセ「はい。共和国との戦闘でも植民地の兵が投入されたとか」

堀河公「うむ。その植民地兵の一部、王国に不満を持つ者たちの間に不穏な動きがあるらしい」

チセ「それが私を呼び戻した理由ですか?」

堀河公「ううむ。情報が確かならその中心にお前の友人がいる」

 

おおっと堀河公。これが日本の情弱ヘタクソ外交のコピーではなく彼の言葉は真であると信じるならば、クーデターの中心にはチセ以外の白鳩がいるということになる。しかしながら、シャーロットはイングウェイの話へのリアクションが初耳のそれだったしそもそも女王を殺そうなんて考えない。ドロシーは共和国スパイとして勝手に変なことはしないしアンジェは逃げる気マンマンだったから何もしていないはず。ベアトはそんなに器用じゃない*3。やっぱ偽情報つかまされてるだけでは?ジェネラルがシャーロットの名前で部隊と交渉したという情報をそう解釈しただけなような...ニッポンがんばれ。

 

 

ゼルダ

今村彩夏さん(アンジェ役)「勝てない!!」「雰囲気がスゴいじゃん!スゴいやつって雰囲気からスゴいんだって!(錯乱)」

立場は共和国側の凄腕工作員。#11においては王国側の人間としてシャーロットの側に護衛の立場で紛れ込んでいた。命令に忠実に動いてアンジェたちを追い詰める存在であり、流石に最後にやってきたシャーロットがアンジェではないということは見抜くらしい。現状ジェネラルの駒なので敵ということになるが何とか生き残ってほしい。

 

・コントロールの革命

共和国政府側・情報委員会の人間だったLが更迭され(アンジェ予想。7も否定はせず)ジェネラルという悪代官的な人がコントロールのトップに立った。思えばトップがこんなとこに顔出してていいんか?ってのはあるけどそこは話の都合上ってことで。ジェネラルは軍側の人間だが大佐とは別管轄の人間で特別二人につながりがあるわけではないとのこと(R)。大佐は常にできるだけ戦争は回避したいという姿勢だったからキャラ配置的に差し支えない設定。反論できないということはジェネラルの方がだいぶ偉いんだろう。

 

・シャーロットとリリ

リリ、完全にシャーロット派の顔つきになってて笑った。良い子なんだろうな~。シャーロット周辺には両国の人間が張り付いて雁字搦めの状態。

 

・Humble Doubleの逃避行

きつい監視の目が光る状況下での暗殺指令に対しアンジェは突破不可能と判断しカサブランカの白い家へ駆け落ちする選択をとる。しかし。

 

シャーロット「ダメ...。私はまだこの国でやるべきことがある。言ったはずよ、私は壁をなくすって」

アンジェ「プリンセス...」

シャーロット「この国にはまだ引き裂かれた人たちがまだ大勢いる!私がプリンセスである限り、ここから逃げ出すわけにはいかないわ!...革命が起きたあの日、私は誓ったの。あなたが望んだ世界をこの手で実現しようって。だからお願いシャーロット!まだ私にもできることがあるはずよ!」

アンジェ「さっきの騒動でもう私たちは引き返せない。分かって、プリンセス」

シャーロット「...そうやって逃げ出すくらいなら最初から私を巻き込まないで!私の人生はあなたのオモチャじゃないっ!!」

アンジェ「プリンセス!!待って!!プリンセス!!開けて!!」

シャーロット「...そうよ、プリンセスは私。チェンジリング作戦でどちらかが消えなきゃいけないなら、あなたが一人で消えて頂戴!」

アンジェ「プリンセス...」

シャーロット「怖がりで、泣き虫で、トラブルを起こすのはいつもあなただった。後始末をするのはいつも私。あなたのそういうとこ、初めて会ったときから大っ嫌いだった*4。...さようならアンジェ。二度と姿を見せないで」

アンジェ「プリンセス......」

 

嘘つきプリンセス・シャーロット、号泣。人間アンジェ=ルカレ、号泣。俺も号泣。シャーロットは決別の意を告げ戦場へ赴く。さてアンジェはこのまま指をくわえて見ているわけにはいかない。カサブランカ行きはまたの楽しみということで早くシャーロットを何とかしないと...、って彼女は何をすればいいんだ?敵が多いわシャーロットは言うこと聞いてくれないわ白鳩のみんなもいないわで突如としてアンジェの無敵感が瓦解しどうしようもなくなっている気がする。がんばれ、アンジェ!

 

・チセとドロシー

チームから外されたということになっているがチセはアンジェとのやり取りでただならぬ状況に置かれていることを察しているし記念式典には各国大使すなわち堀河公も出席するから護衛でチセも出てくるはず。ドロシーのところにやってきたのは実はLでジェネラルの暴走を食い止めるべく奔走しているという妄想も捗る。無理のあるハッピーエンドはかえって興ざめだって人もいるだろうけど、けものフレンズ最終回のようにみんなが助けに来て大団円的な展開になったら胸糞バッドエンドよりは笑顔になる。

 

・最終回へ

ゼルダに身バレするシャーロット、やることがないアンジェ、今週末には強化工事が終わる新王室寺院での記念式典で起こるであろうクーデター、心配事が山積みで一体どう収めるつもりなんだと気が気じゃないがアニメ制作者たちを信じるしかない。お願いします、どうか、ハッピーエンドをよろしくお願いします。

 

最後に、BD付属特典の未収録シナリオの情報が出てたので宣伝。

「case10.5 Ready lady」
 ドロシーのもとに、コントロールから「男子校への潜入指令」が届く。
 その内容に、誰が行くかで喧々諤々のチーム白鳩。
 それぞれの自由すぎる男子のイメージが飛び交い話がまとまらないのだ。
 果たして誰が、どんなカバーで潜入することになるのか…?

 

円盤、買わなきゃ(使命感)。

それでは読了ありがとうございました。最終回を楽しみに待ちましょう!

*1:ある種のレースカテゴリにおいてファイナルラップに入ったことを報せる旗。

*2:#08 case20 Ripper Dipper登場のスリの子。

*3:あれ?ベアトどこ行った?あり得るならベアトということになるが、まさかね。

*4:#04 case09 Roaming Pigeonsにおいて「私が好きになったのは昔のあなたよ」とかいう告白をしてるので真っ赤な嘘。言質を出さずとも嘘って分かるだろうけど。

プリンセス・プリンシパル 10話感想 ~次席と自責~

プリンセス・プリンシパル10話の感想です。ネタバレ注意でお願いします。

 

今週は故郷に帰省して色々楽しんでおり9話の感想記事は書けずじまいでした。けもフレの時みたいに鑑賞直後だけでなくふつーに考察記事かくか~って下書きに眠ってはいるんだけども他のことにモチベーションを奪われたりなんだりで世に出せずにいます。もう時間的猶予はないしひょっこり出す可能性はあるんだけども。

てことで10話を振り返っていきましょーか。

 

・冒頭

アンジェとドロシーの所属したスパイ養成所(ファーム)の回想。アンジェは王室における幼少教育の下地があったとはいえそれだけでは説明できないナチュラルボーン天才。任意の試練を最高練度でこなす首席は、【優等生】というキャラクターを演じるために頑張っていた委員長にとっては辛い存在だったろう。若い頃のドロシーかわいい(今も可愛いです)。「何なのお前らー、早すぎだろw」は意味深だと思ってはいけません。

 

・「成績は、2位から落ちたことがない優等生」

このフレーズじわじわ来る。不動明王アンジェは王座を譲ったことがただの一度もない、と。L視点では超有能スパイは1周回って怪しくなくなる(二重スパイなら目立つマネは避けるはず)と思うけど一応の疑念は捨てないでいる、と今回までは考えていた*1のだが

 

・Case22 Comfort Comrade

気心知れた仲間。スパイの同期って同期と言っても殺伐としそうなもんだけどこの世界は優しかった。ゲームもやってればアンジェたちの後輩も出てくるんだけどステフとソフィっていう可愛い後輩コンビがすごく推せる。どうでもいいですね、すみません。

以前、太郎*2が出てきたときに「男もいるぞ!!!」つってたけどファームには女の子しか見当たりませんね・・・。作戦にもよるけどケイバーライトで身体能力上乗せできるからハニトラや基本的な油断とかが効く分この世界のスパイには女性の方が向いてるのかもね。

 

・委員長

ローマ字表記でIintyou。

ここまでの出演メンバーの頭文字は

ABCDは白鳩(他にも重複者がいるけど割愛)。

E エリック。#01でアンジェに始末された研究者。

F フランキー。#06,#07の借金取り。

G ガゼル。#02,#06出演、ノルマンディー公配下の王国スパイ。

H 堀河公。日本の偉い人。ちせの上司。

I いいんちょう。惜しい人を亡くした。

J 十兵衛。#05ちせの父親 / ジュリ。#08のスリの子。

K キンブル公安部長。#01の王国サイドの中ボス。

L L。異動になったけど絶対復帰するって信じてる。/リリ。#09の(シャーロット推しの)メイフェア校の同級生。

M モーガン議員。#02でアンジェと踊ってた議員。

N ノルマンディー公。王国サイドのボスっぽい人。

O オライリー卿。#08でガゼルと密会してた人。

P プリンセス。

Q 女王陛下。#04でシャーロットと会話。

R リタ。#07の洗濯工場で服に火が付いた女の子。

S 7。沢城さんのSじゃなくてSevenのSね。何で7なんだろ。

T 大佐。女王をQにするならColonelだよね。 / テイラー。#09でちせにケガさせられた男子生徒。

U

V

W

X

Y

Z

 

とまぁこんな感じで後半が綺麗に余っている。少々強引な割り当てをしているしキッチリネームドが1人ずつじゃないところを見ると拘っていなさそう。拘ってたらドリーショップ(#02で「プリンセスにバレたらチェンジリング作戦はおしまいだねぇ」とか言ってた陽気そうなおじさん)とかリリあたりの名前は空白を埋めるように作りそうなものだ。

 

話が逸れたが委員長。本名(じゃァないと思うけど)エレノア。アンジェのような完璧な成績もドロシーのような上手い息の抜き方も持たず、本人は前者のようなカバーを作ろうとし後者に憧れていた。可哀想な役回りだが、それでもスパイという厳しい世界の中でその二人と同様ここまで生き残っていたのは努力の結果だろう。とはいえアンジェのような精神的支柱もドロシーのような器量も持ち合わせていなかった彼女がやっていくにはやはり無理があったようでヤバげなお薬に手を出し泥沼へ。ボロが出たのかスパイとしても二重スパイへの凋落という大失態。悲しい人生だがそもそもスパイ養成所に来てるところから歯車は狂っている。明るい未来をつかむチャンスはそもそもないに等しいはずなのだ。クリスマス試験で尾行失敗して謝ってるとこは次席の自責の念だなって何でもないです。

 

・「私は友達じゃないわ」

アンジェはどんな気持ちでスパイ養成所の訓練を受けていたのか。素人であろう他の子どもたちよりは下積みがあった分うまくやれただろうがその核は『壁の向こうに戻ってアンジェに再会したい』の一心で彼女とて必死だったはず。その過程で不要な関係は築かないという気持ちがあったのか、本当にそこまでの余裕がなかったのか。つってもアンジェさんは人のことをよく見てるしシャーロットと再会してからはさらに情も深くなってて白鳩に対してかなり甘い。友達じゃないわというのは実際仲良くなかったという以上に委員長のドロシーへの憧れを看破していたって含みがあるような考えすぎなような。ドロシーもドロシーで委員長を【始末】じゃなく【確保】しようとしてるしいくら同期とはいえスパイにしちゃ裏切者に甘すぎる。冷酷非道なドロシーは見たくないけどさw

 

・「今のあなた、隙だらけよ」

わざと見逃す意味がないし自死を含め対象を殺さずに確保というのを目指したからという理由があるにしろアンジェが失態を冒すのか、という一幕。隙だらけというのは委員長の弁であり彼女の優秀さとも取れるが以前より弱くなっているというニュアンスも確かにある。完全無欠のアンジェさんへのフラグが、着々と立ち始めている。

 

・お別れの時

自死を選択した委員長だが痕跡を見つけた時点でもう諦めていたのかもしれない。でなければ探られていると悟ったら行動を起こすのは悪手だと優秀な彼女なら気づける。二周目を見ると悪魔であるところのアンジェさんに後ろからズドンと殺してもらいたかったようにしか映らなかった。

そしてドロシーは目の前で旧友が拳銃自殺するのを見せつけられるという絶望的立ち回り。父親の件といい地球人メンタルの彼女に対して風当たり強すぎやしませんか...?

 

・3→2

同期の数はこの物語の残り話数とも一致する。やめろそんな悲劇的な仮説を立ててどうする!こんなフラグを立てた責任を俺は取れない!「もう3人しかいないんだからさ」でこれ含みあと3話か~とか思ってたときに察したけどそんな展開いらないからな、頼むよ...。

 

・Lさん、移動したってよ

忽然と消えるL。特に味方という印象もない彼だけどきっと帰ってくると信じてるよ。てかここにきて司令部サイドの軍とのいざこざも持ってきて果たして風呂敷をうまくたためるのかって心配になってきた。ジェネラルという男は軍の急進派っぽい。シャーロットを殺せって。イヤイヤイヤイヤ、ドロシーはともかくアンジェさんがはいそうですかってなるはずもないしいよいよ全面対決か。王国より先に共和国の人間との争いになるとは...って、ジェネラルが王国とつながってない保障もないけどそれならシャーロットを消してアンジェに入れ替わらせるメリットがない。シャーロットが空気姫である以上彼女の殺害動機はチェンジリング作戦の強行以外に見当たらない。

これを受けてアンジェは阻止に動く他ないが敵は国。丸い展開は来葉峠*3みたいな死亡偽装。アンジェが死ぬ必要はないと信じたい。マイナス方向の予想はしたくないが死ぬにしてもシャーロットが死ぬことはないと思う。ドロシーはガゼルと刺し違えるとかありそうなのに対してシャーロットが死ぬビジョンだけは見えない。誰にも死んでほしくないんだけども。

 

そんなこんなでいよいよ佳境を迎えた当作品。残り2話、もはやハッピーエンドを祈るしかないがまた一週間怖さに耐えつつ楽しみに待って居よう。

*1:Lがプリンセスがグレーだという話をしているのはドロシー一人だけ。

*2:#04 case09 Roaming Pigeons出演の男性スパイ。ハードカバーで写真撮ってた人。

*3:名探偵コナン』で赤井秀一が自らの死を偽装した事件。元ネタは当然ライヘンバッハの滝。

プリンセス・プリンシパル 8話感想 ~CからAへ、AからCへ~

プリンセス・プリンシパル8話の感想です。ネタバレ注意でお願いします。

 

今週はというと、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の原作読者で軽井沢推しの俺は木曜日放送のアニメ7話における絶望的改変を目の当たりにして茫然自失、感想記事を書く気にも起こらなかったという事件が起こっていた。

推しの一番推せるシーンの一つをまるまる他のキャラクターに取られるというショックは並大抵のものではなく、数日経ってもどこかしら気分は落ち込んでいた。

そんなところで訪れたこのプリンセス・プリンシパル8話はさながら蜘蛛の糸であり、沈みきった気分を天上まで引き上げてくれた。

 

大変読み苦しい長い前置きになったが、とどのつまり神回だったということである。

 

・#08 case20 Ripper Dipper

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ナンバリング進行予想は正解。ただし今回の回想で10年前の話が出てきたのでcase0回収はなさそう。

"Ripper Dipper"は『切り裂くものと掬うもの』といったところ。前話の毒ガス犯は切り裂きジャックのオマージュだったけどここでRipperの文字を選択。

含意としては東西を分断する両国の争いとそれを繋ぎなおそうという意思を汲むアンジェとシャーロットだろうか。Dipperは下層貧民を掬い上げるアンジェのことも指せる。

 

・任務に名乗りを上げるシャーロット

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当然アンジェは反対するけども「プリンセスなんかやってるとたまに無性に外に出たくなる。アンジェなら、分かってくれるでしょう?」という殺し文句で希望を通す。

したたかさがシャーロットの魅力の一つだけどもアンジェが言う通りこの言い方はアンジェに対しては少しズル過ぎる。かつての王女だったアンジェの同じ希望によって今のシャーロットは王女をやらざるを得ない状態になっているのだから。

 

・ベアト「アンジェさんってどうして姫さまにだけは弱いんでしょうか?」

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ドロシーなら【惚れた弱み】とか言うかと思ったけど存外適当なことを言っている。

ドロシーといえば書き損ねていたことが一つあって、5話でのドロシーと7の会話において「私はチェンジリング作戦の担当のはずだ」みたいなセリフがあった。何が問題だっていうとチェンジリング作戦は2話でアンジェとシャーロットがうまく動いたことでシャーロットとコントロールの間の【取引】という結果に収束させたはずで、シャーロットが共和国のスパイを暴いた以上正面からの計画遂行は破綻しているのだ。かみ砕くと、チェンジリング作戦は一旦停止したはずがコントロール(及び少なくともドロシー)は継続の意思を絶やしていないということ。シャーロットをグレーとしアンジェにも多少の疑いが掛かっているとはいえ現状からチェンジリング作戦を行うにはシャーロットの同意(当人もアンジェも条件にシャーロットの身の安全を確約させないと動かない)を得るか強引に消すかの二択。後者はアンジェが絶対に許さないので実質一択で、前者については議論の場を設ければ取引が成立した後にすぐにでも始められただろうに腰は動いていない。それどころか今回のように本人たちが勝手に入れ替わったりしている。これではチェンジリング作戦と仰々しく銘打つ必要もなさそうに見えるので先ほどのドロシーと7の会話は非常に不自然に映ったのである。

本人たちの意思確認が取れていてジワジワと(穏便に)入れ替わる準備を進めているのであればいいのだが、それにしては寄り道任務が多すぎるように思う。よく分かんない。

 

・今回のふたり

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毎回イチャイチャパートを用意するルールが制定されているらしく、大変よろしいことだと感服している。

シャーロット「前から聞いてみたかったんだけど、どうして私のこと『プリンセス』って呼ぶの?」

アンジェ「黒トカゲ星のしきたりよ」

シャーロット「まじめに答えて」

アンジェ「安心して、嫌味とかじゃないから」

シャーロット「じゃぁ、なに?」

アンジェ「...ただの敬意よ」

 

・重圧の彼方に

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真相が知れたら殺されるという状況の中、ただの少女が王女を演じきるという離れ業を、血反吐が出ようがかまわず必死にこなしたシャーロット。手綱を握る手が震えているのがとても良い演出だった。この努力・精神力に対する思いがアンジェの【敬意】なのだ。プリンセスという5文字に内包される苦労を、7歳の子供の時点で嫌というほど実感していたアンジェだからこそ、その後の10年プリンセスをやってきたシャーロットに対する畏敬の念は深いわけで自分と入れ替わったがためにそんなことをさせてしまったことを後ろめたくも思っていた。頭が上がらないのも仕方がない。まぁシャーロットさんはアンジェ大好きだしいくら大変だろうとアンジェを恨んだりは全くしてないだろうけども。

あと1枚目の大佐、お若いw

 

・吐露

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シャーロット「私はからっぽだから...。外側から塗り固めないとダメなんです」

楽しんでいないことを見抜かれた彼女は珍しく本心らしき感情を吐きだす。

からっぽと言えば東京喰種:reにおいて有馬貴将、平子丈、白滝などなどたくさんからっぽと言われてる人がいるけども、あの作品で【からっぽ】は【繋ぎとめておかないといけない人】というニュアンス*1。だがシャーロットは先述の通り強靭な精神力を持っている上にアンジェが現れたことでしっかりと繋ぎとめられている。そもそも【女王になって壁を壊す】という目標は10年前の約束という布石があるとはいえシャーロットの強い意志に基づくものだから彼女は決してからっぽじゃないとアンジェは最後の場面で伝える。

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ただこの時点での本人の認識の話である。元が元なのでそう考えてしまうのも納得ではある。外側から塗り固めるというのはスパイでいうところのカバーに似ており、嘘で全てを覆うアンジェに類似している。正反対なのは今も昔も立場だけであり、性格なんかはこの二人はよく似ていると思う。

回想を通して2,3話とのリンクが取れたので書いておく。

 

10年前

シャーロット「ねぇ王女さま。わたしたち、友達になろうよ!」

アンジェ「わたしはつまらない子よ。お友達になっても楽しくないと思うわ」

シャーロット「ううん、楽しい!」

アンジェ「どうして?」

シャーロット「わたしたち、正反対だから!」

~~~

アンジェ「アンジェ、わたし女王になる」

シャーロット「え?」

アンジェ「アンジェと入れ替わったおかげで、わたし分かったの。みんなを分ける、見えない壁がいっぱいあるって。私は女王になってその壁を壊してやるの。そしたらアンジェ、わたしとあなた、ずっと一緒にいられる!」

シャーロット「すてきな夢だね」

アンジェ「夢じゃないわ。わたしはきっとかなえてみせる!約束する」

 

現在(#02 case1 Dancy Conspiracy #03 case2 Vice Voiceより

アンジェ「アンジェ。私と、友達になってくれませんか?」

シャーロット「私はつまらない人間よ?お友達になっても楽しくないと思うわ」

アンジェ「ううん、楽しい!」

シャーロット「どうして?」

アンジェ「私たち、正反対だから!」

 

~~~

シャーロット「言ったでしょ、あなたの力で私を女王にしてほしいの」

アンジェ「まさか、あの時の約束...」

シャーロット「壁がなくなれば私たち、晴れて一緒にいられるでしょ」

 

見返したけどもこのあとシャーロットが「アンジェ!」って言うところやっぱ「シャーロット!」の差し違えな気がするなぁ...OP入り神なのにミスだとしたらとてももったいない。

 

 ・ジャパニーズ・ニンジャ

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コウモリかよ?チセさん、ブレないなぁ。風邪ひかないでほしい。

 

 ・偽名変遷

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アンジェの名前はここまで

・シャーロット(Charlotte):本名。王女時代。

・アンジェ(Ange):入れ替わった女の子の名前。現在は主にこれで通している。

・アリス(Alice):洗濯屋さん潜入(#07)のときのカバーネーム。

・クロエ(Chloe):ジュリに名乗った(#08)ときの偽名。

これが副題で触れているCからAへ、AからCへというもの*2。愚直に受けるならばこれはチェンジリングの進行を意味してると思う。

 

・証拠隠滅

ジュリたちを虐待の境遇から救う&ジュリの身柄をより安全な孤児院へ移送して万一ガゼルに消されたりしないように対策といったところか。

ジュリは別れ際に視聴者への素晴らしい置き土産として革命の瞬間の黒トカゲ星の話をアンジェから引き出してくれる。内容は既に触れた通り、シャーロットの苦悩と尋常ならざる努力の話である。

 

オライリー

今回の任務も消化試合のようなもので、この人は恐らくプリンセスに言われるがまま従うほかなさそうだ。ガゼルサイドの具体的な目的は不明だが彼の亡命と引き換えに行われうる何らかの取引を阻止することはできるだろう。船の上(#04 case09 Roaming Pigeons)でもそうだったけどアッサリ自分の立場を「スパイです」って言っちゃうお茶目なシャーロットかわいい。驚かせたくて仕方がないんだろうね。

 

・世界一尊い連弾

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俺も趣味でピアノ弾くけども高校のとき以来連弾してないなぁ。そんなことはどうでもいい。17歳のこの二人が身を寄せあって楽しそうにピアノを弾いている、この尊さの原液を絵具にして描いたような絵を楽しむのが何よりも重要だ。

 

・まとめてきな

今回は10年前の本質情報が盛りだくさんで素晴らしいことこの上なかったわけだけども、何よりもシャーロットのオリジンが見られたのが大きいかな。したたかさの裏で何を考えているか分からないという声も多かった中、その核となる部分をこの話は照射していた。

アンジェとは姉妹じゃないのかというところについては

・似てるのは偶然。出自が違うのは明らか説

・似てるのは必然。シャーロットの出生に問題(妾の子とかそういうの)があったために生まれた直後に捨てられた説

・似てるのは必然。彼女たちは双子であったが同い年の王族がいることによる王位継承権争いなど後に起こりうる面倒を避けるべく一人を捨てた説*3

とかがパッと思いつく3案。現時点ではアンジェもシャーロットも他人の空似という認識をしているようだけども果たして真相やいかに。さして重要じゃないから触れないかもしれないが。

次の話はそろそろノルマンディー公との対決に近づいたりその中でアンジェの空白期間(革命からメイフェア校に潜入するまで)の回想とかしたりってとこか。

ほんとに観ていて楽しいアニメ。BD1巻にはアプリのキャラクターのシリアルコードもつくらしいし購入不可避か~。

ではまた来週!!読了ありがとうございました。

 

 

*1:東京喰種:re11巻参照。ロザリオは生きる理由であり重たい枷である。

*2:AからCっていうとアクセルからクラッチを連想する。。MT免許取るまであと3日、つらい!!

*3:王族における双子が不吉というのは歴史的にもよく言われていた。

プリンセス・プリンシパル 7話感想 ~ある時はクリーニング屋のスパイ、シャーロット~

プリンセス・プリンシパル7話の感想です。ネタバレ注意でお願いします。

 

まず初めに7話とは関係ない私事だけど先日OPEDのCD手に入れたりGame of Missionにのめり込んだりとメディア展開の泥沼に見事にハマってる。だってかわいいから。

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アプリは不具合(主に起動・接続系)が多いけど運営さんの対応も早いし良ゲーだよ。wiki整備がままならないから攻略の最適化を自分で模索しないといけないのがアレだけど、課金は今のとこしてないしゆるりと楽しめたらいいなーって思ってる。現在レベル25です。

 

さて、今回は日常寄りの話。完全にほっこり、というわけではないけど6話の傷心を癒やすには十分な内容だった。

 

・#7 case16 Loudly Laundry

Prologue:13

Ange/Beath:1→2

Chise:9→7

Dorothy:18

Laundry:16

なるほど、分からん。所感としては、導入→5人の背景→いったん日常(イマココ)→話が動くってとこかと思ってるので次はcase19以降やと踏んでる。

逆にまた巻き戻る動機としては【case0:10年前、革命の回想】くらいしか思い当たらない。それ以外ならこれまで巻き戻ったときになぜ一緒にやらなかったのかってなるので。

 

・洗濯工場

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整備不足でボロボロ、工場自体に借金があるし、従業員も日払いで毎日生活が大変な子たち。そして画像の子が働いてるの見たことないけどどっから給料発生してんのw

 

・ノリノリ一面、毒ガスジャック

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これ撮影した人助かったのかな・・・あの人がこんなポーズとってるの想像できないけど妄信する王国のために活動するときはハイになっちゃうんやろなぁ。

ロンドンのジャックというと当然ジャック・ザ・リッパーだけどもここでは切り裂きではなく毒ガス。

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Death 13といういかにもなナンバリングのところで神経ガスの材料か本体かを入手していた。こういう人って異様に慎重なイメージあるし実際自分の軍服は自分で洗濯するなどの対応をしてたけど同僚の良心によって計画は破綻。最後の手段として自爆しようとするもチセにアイロンで撲殺される。軍人だけあってナイフから銃への持ち替えモーションめっちゃ早かったけど「ガス使いなどものの数ではない」と言い放っていたチセの有言実行となりやられちゃう。

 

 ・私だってチームの一員です!

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17歳にして経営に目覚めるシャーロット。前年比より231%の売り上げ、天才である。顔芸じゃないけど口元がジブリっぽくてかわいい。めっちゃ楽しんでるのが伝わってくる。

3枚目、キャプで見るとかなりシュール。ウィリアムさんは銃弾避けるバケモンにビビり散らかしてるしシャーロットは「私だって役に立つんだから」って表情で大根切りを振りかぶる。そしてシャーロット絶対保護システムであるところのアンジェ=ルカレさんに回収、退避させられる。ほんと信頼性抜群のセコムやなぁ。

 

・ほんだらばフランキー

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 インパクトあったこの人、また現れた。時系列的に7話の方が早いんだけどドロテアさんはこの強烈な男を覚えていなかったのか???ノルマンディー公よろしく、スパイたちも一度見た顔はそこそこ覚えておくスキル必要だと思うんだけども。

「ぷはーってそこの有象無象」「なんだろうか?」「すっこんでなさいよ」「やだもう」とかのイントネーション最高w

 

・整備技師ベアトリス

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 お前、何かの資格持ってたんか?ってくらい機械に自信ありげだったけどそこはあの父親譲りってことなのかねぇ。いじくられちゃったけども機械自体は好き、血は争えないってとこか。

一夜城的大変身を遂げた工場に従業員たちはビックリ。この5人組、何者だって思うよなぁ。今に始まったことではないが5人まとめて潜入というのも変な話。いくらチームとはいえスパイが集団行動しすぎなのはどうなんやろ。

 

・アイロン戦士チセ

ナイフと拳銃を持つウィリアム=リカード一等兵に対してアイロン片手に圧倒するチセだが自爆判断を見るや否や制止のため殴り倒す。それをマリラに見られる。

職業道具であるアイロンで人を殺めてしまう現場を見られて何も言えなくなるチセと何も言わず去っていくマリラ。モルグではないがこの洗濯工場で働く従業員たちも比較的【ワケアリ】の人間ばかりであることを承知した上か、マリラはチセに対し一瞬は恐怖を覚えただろうが後には「事情は分からないけど、負けるな!」って境遇同情と励ましの伝言を伝える。人がはったおされたっていうのに加害者への理解を示すあたり物分かりが良いというかロンドンの闇は深いというか。

 

・退社

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いや、君たち何でそこいるの???

当初の目的は達成したから退社するわけだけどシャーロットの出資回収は・・・コントロールが出してくれるのか(それなら最初からシャーロットがプライベートマネーに手を付ける必要がないんだが)、はたまたマリラがちょっと寄こしてくれるのか。ここは謎のままである。

ベアトはお留守番でこの三人はワイヤーアクションで帰っていく。

もう一度問おう。君たちは何でそこにいたの。

不明瞭な引きで7話は終わったけども8話から話がグっと動きそうで怖いような楽しみなような。また一週間長いけど、アプリで時間溶かしながら待って居よう。

 

(...この記事の副題のネタ伝わる人どのくらいいるんだろうか)