プリンセス・プリンシパル 3話感想

プリンセス・プリンシパル3話の感想です。ネタバレ注意

 

まずざっくりまとめると、1,2話に比べて落ち着いた内容だったけど面白かったです。

 

【名称について】

2話の本質情報から人物の入れ替わりに伴う名前の混同が懸念されますが、当ブログでは暫定的に銀髪の子を『アンジェ』、現在王国の王位継承第4位の子を『シャーロット』と表記します。

 

冒頭。再会した2人

 

シャーロット「驚いたわ、あなたがスパイなんて」

アンジェ「他に壁を超える方法がなかった」

シャーロット「そう...でも、その服とっても似合ってるわ」

アンジェ「...誉め言葉?それとも...」

シャーロット「両方♪」

アンジェ「...とにかく、これでコントロールは欺けた!一緒に逃げよう?ルートは決めてある。カサブランカに白い家を用意したの、そこに2人で...」

シャーロット「...ダメ。言ったでしょ?あなたの力で私を女王にしてほしいの」

アンジェ「まさか、あの時の約束...!」

シャーロット「壁がなくなれば私たち、晴れて一緒にいられるでしょ?」

アンジェ「そうだけど...でも...」

シャーロット「分かってる。難しいってことは」

アンジェ「分かってない!!」

(中略)

シャーロット「それでも、それでも私は女王になって私たちを隔てているものを失くしたい」

アンジェ「...いいよ。やろう」

シャーロット「アンジェ!」

アンジェ「私が騙してあげる。あなたも、世界も...そして、私自身すらも」

 

アンジェの(当初の)目的はシャーロットを紛争の境界から連れ出して二人で平和な日々を暮らすことだった。しかしシャーロットは逃げ隠れするのではなく正面から現状の問題である『壁』を失くし正々堂々アンジェと一緒にいること。回想カットで描かれた10年前のアンジェとシャーロットもめちゃんこ可愛いし...相思相愛やん最高かよ。

かくしてシャーロットの野望は本心だった。2話でアンジェは騙されたわけだ。

この冒頭で分かることは、アンジェの本当の素顔が『カバー』でも『スパイとしての顔』でもなく『シャーロットの友達(姉妹?)としての顔』であるということ。シャーロットの無理な願いにオロオロしたり、つい声を荒げてしまったことを申し訳なく思ったりする繊細な少女がアンジェ=ルカレの核だ。

しかし、その核が見えたのも束の間。シャーロットの意向に沿う決意をしたアンジェは今のスパイカバー(嘘をつく生き物=悪魔)のアンジェになってしまうのだった。逆光に居座るその悪魔の姿をシャーロットがひどく眩しそうに見つめるのは「悪魔と友達になりたい」=『自分をだましてくれる存在が欲しい』という2話での主張を汲んだ描写。そんなことなら自分に嘘をついてアンジェと夜逃げすればいいのにと思ってしまう。ただシャーロットにも複雑な思いがあるんだろう。

10年前について新たに得られた情報は『女王になりたいという願いは10年前に約束したもの』『シャーロットちゃん7さい可愛い』という二点。小出しにしていく感じか。

 

#03 case2 Vice Voice

前回から続く話でありcase2。しばらく連続する雰囲気。ふと思ったけど10年前の回想があるならcase0として入りそう。

副題のviceという単語はまず『悪』の意味。そして接頭語vice-として『代理の/副』という意味を持つ。すなわち題意は『悪魔の声』=アンジェがベアトに決意を促す声と、『代わりの声』=父親に改造されたベアトの(本物に代わる)機械仕掛けの声という二つが掛けられてると解釈する。

この作品の副題センスは喰種のそとなみ先生に近いものを感じる。re:序盤のタイトル考察とか面白いので読者は考えるか調べるかしてみることをオススメします。

 

シャーロット「敵の敵は味方って言葉もあるわ」

 

姫さまのことが大好きすぎて紅茶の気分まで察知できるベアトちゃん。今までだってずっと守ってきた(らしい)。スパイであるアンジェたちが信用できないとの発言を以て多くの人が3話の展開が読めたわけだけど、視聴者の気持ちをシャーロットが代弁してくれる。

 

シャーロット「お友達にならきっかけが必要ですね♪」

 

ドロシー「ようこそ、私たちの部室へ」

 

黒板裏に展示される銃器の数々。いや、何で見せたんや。自慢したかったのかなぁ。

 

アンジェ「これ、ドロシーが一人で?」

ドロシー「少しは見直した?」

アンジェ「えぇ。今度アリクイ小屋を作るときお願いするわ」

 

アリクイ小屋...??唐突なアンジェ節で思わず笑っちゃった。イギリスのローカルジョークか隠語なの?特に思い当たる節はないけど。いつかの伏線になりそう。

 

・部室で作戦会議

話に耳を傾けたけどやっぱり銃器展示会する必要はなかったような。ここでアンジェがシャーロットにそっくりなことをベアトにも知らせる。

 

シャーロット「初任務というわけですね...」

 

不敵に笑ってるけどちょっとワクワクしてそう。一方ベアトは戦々恐々。心の乱れは何とやら、都合の悪いことに喉の機械の調子も悪くなる。

 

シャーロット「ねぇ、ベアトリス。私たち、お友達になりましょう?」

 

いじめられているベアトが女神シャーロットの申し入れを断る理由はない。以後ベアトにとって姫さまは精神的支柱となる。それでは反対向きはどうだろう。シャーロットがベアトに惹かれた(王女という十分な地位を持つ以上、彼女は本心以外で慣れ合う動機がないのでこう表現する)は恐らく親(神)に見放されるor失望するという境遇の一致。アンジェとの関係性とは逆で似た者同士という感覚を持ったんじゃないかな。結局のところベアトは純粋な天使でシャーロットは悪魔の成分を含んでいるのはさておき。

そういう解釈のもとでベアトの回想はシャーロットの背景を映す鏡の役割を持てると思う。直接的な描写待ちだけど。

 

ベアトリス「あの人たちはきっとただのスパイじゃありません。姫さまと入れ替わるつもりなんです」

 

1週遅れだけどアンジェの姿を見てから一瞬でチェンジリング作戦の可能性を見抜く慧眼。このアニメの子たちみんなIQ135くらいありそうだな...。

 

アンジェ「私とプリンセスは黒トカゲ星から来た姉妹なの」

 

んーこれは大体姉妹で確定っぽい。

 

原版奪還作戦の内容は素人であるベアトが入ってるのでバイオ4のアシュリーを守りながらみたいな形式になって難易度が上がるものの、我らが超人アンジェさんは引き出しの大きさをさらに見せつけながら攻略していく。

 

・3話のすごいよアンジェさんシリーズ

 

ピッキング能力、聖徳太子能力、飛行機と等速で暴風雨に立ち向かう能力、落雷関電しても気絶程度で済む能力、軍人の機銃掃射を走って避ける能力。

今回も盛りだくさんでした。スパイに憧れちゃうね(ほんまか)。

 

 

・スパイダイビング

 

「人は恐怖と対面した時、自らの魂を試される。何を求め、何を為すべくして生まれてきたのか、その本性が明らかになる」

 

槙島聖護の言葉の通り、生死の境界線においてベアトはプリンセスへの愛を世界に叫ぶ。アンジェは冷静を保っているのでスパイカバー言語における愛を叫ぶ。スパイカバーってスイカバーみたい。

 

アンジェ「ベアト...。私はここで死んでもただのスパイよ...。でも、あなたが捕まったらプリンセスが疑われる...。そんなこと絶対に許さない!!」

 

話が前後して申し訳ないが、アンジェが冷静さを取り戻したのはダイビング中であり、燃え盛るガンルームにおいては感電や出血で珍しく余裕がなくなっておりベアトに本心を叫んでいる点を見逃してはならない。

 

ベアトリス「やっぱり、嘘つきですね。アンジェさんっ」

 

かくしてベアトはアンジェに心を開いた、めでたしめでたし。

アンジェさんは冒頭で世界を騙すとカッコよく宣言したのにアッサリ素人に嘘を見抜かれるという結末に陥ってそこのところは反省かも?そんなことないか。

 

引き続き4話が待ち遠しい!2話からABCDと主役を定めてるとしたら次はCのChiseかな?

10年来のチェンジリング

プリンセス・プリンシパル2話の感想です。ネタバレ注意

 

 

 

・アンジェ=ルカレはインコグニア出身のドジっ子

 

というカバー(スパイが表側で演じる人物設定)。インコグニアは(正史において最高峰の畜生国家である)ブリカスの植民地らしい。

 

#02 case1 Dancy Conspiracy

 

ナンバリングは逆行じゃなくて変則時系列だったらしい。『物語は冒頭に収束する』『作家は処女作に向けて成熟する』などの格言のようにこれから1話を終着点とするストーリーが展開されていくのだろうか。

それにしては1話はそこまで最終話らしくないのが気がかりだ。さらに全12話という話もあり、#01case13はミスリードで途中でcase20なんかに飛んでいくなんてことが十分考えられる。

副題は訳すと踊る陰謀。内容そのまま、踊り場で繰り広げられるスパイとプリンセスと公爵それぞれの目まぐるしい暗躍を指している。主人公(共和国)サイドの任務・状況がコロコロ変わっていくことも含んでいるだろう。

 

チェンジリング作戦

 

王国のプリンセスをスパイと入れ替わらせるという共和国側の作戦。王位継承権第四位、プリンセス・シャーロットに激似のアンジェの存在から立案された。入れ替わらせたら本物は(少なくとも表の世界からは)消すしかないであろう物騒な作戦である。

 

ドロシー「養成所以来の腐れ縁とはいえ、私も驚いたよ」

 

ドロシーとアンジェはかつて同じ養成所に所属しスパイとしての訓練を受けたという言質。1話の「諜報機関に拾われた」は本当だった?

 

アンジェ「ハタチの女が高校生やってるから」

ドロシー「仕方ないだろ!命令なんだよ!」

 

ドロシーは成人。年長者感はあったけども中々...。タバコ吸うカバーのためには成人を宣言しとかないと教育的にマズイという配慮もあるだろうか。

 

 

おっさん「パーティードレスを2着、大至急?」

L「許可する。送ってやれ」

 

即答で笑っちゃった。スパイは本部に要求したら大抵のものは揃えてくれるシステム。にしてもドレスめちゃくちゃ似合ってて誰が選んだんやって感じだ。

 

・ダンスパーティー

 

自動演奏オルゴールに見入る人々。当時は珍しかったらしい。

 

ドロシー「外務卿主催だけあって西側からも客が来てるな」

 

まだ2話でそこまで頭に刷り込まれていないと混乱する。西側=共和国、東側=王国でこのパーティーは王国の外務卿が開いたもの。アンジェたちは共和国サイドのスパイで王国側に潜り込んでいる。

 

・緊急指令

 

軍事上重要機密である新型艦建造計画書を盗み出したのが(西側の)モーガン議員であることをコントロールが特定。彼も出席しているパーティにノルマンディー公が現れることも把握しそこで取引が行われることは確定的。そこでコントロールは丁度居合わせたアンジェとドロシーにモーガンが計画書を隠した金庫の鍵を奪還する命令を下す。

まさにギリギリのタイミングでの連絡だが指令書をドロシーに渡した黒服はどういう連絡経路を辿って指令を得たのか。19世紀初頭にどんだけ早く伝達できるんだよという。スパイってすごいんだな(

 

アンジェ「こんにちは!!」

 

カバーモードのアンジェの声かわいい。

 

プリンセス「どこかでお会いしたかしら」

アンジェ「初めてです、でもあなたのお顔はずっと知ってました!」

ベアトリス「当たり前でしょ!姫さまは・・・!!」プリンセスに制止される

プリンセス「お名前は?」

アンジェ「アンジェ。私と、友達になってくれませんか?」

 

ここのプリンセスはまず反射で笑顔になってしまう。当然、10年来の友達(姉妹?)が突然現れたから嬉しいのだけれど、会うのは初めてだと嘘を言われたのでアンジェに事情をあることを察知。彼女に合わせて会話を試みる。

 

プリンセス「私はつまらない人間よ?お友達になっても楽しくないと思うわ」

アンジェ「ううん。楽しい」

プリンセス「どうして?」

アンジェ「私たち、正反対だから...

プリンセス「...いいわ。私たち、お友達になりましょう!」

 

ドロシーとベアトリスの「え、マジか」みたいな顔が面白い。そしてプリンセスは本当に楽しそうに話してる。正反対については後程。

 

アンジェ「よろしく、プリンセス!!あ、あぁぁ!!」

 

アンジェ迫真の演技。プリンセスのドレスに有機色素製ワインもどきをこぼし、(次亜塩素酸塩で)綺麗に(酸化)漂白すると宣言してドレスをゲット。一時的にチェンジリング作戦を実行する道具を入手。プリンセスと瓜二つに変身。相違点はティアラの有無。アンジェはティアラをつけていない。

 

 

・暖炉の部屋での会話

 

プリンセス「ねぇ、ベアト?」

プリンセス「もし天使と悪魔がいるとしたら、嘘をつくのはどっちだと思う?」

ベアトリス「え…?それは悪魔じゃないですか?天使は神の使いですから真実しか言いません」

プリンセス「だったら私は...悪魔と友達になりたいわ」

 

ダージリンオレンジペコっぽいやりとり。髪の色だいたい一緒だしキャラ配置論的に参考にしてそう。

プリンセスの含意は正確には分からないが、大枠としては1話アンジェの「本当のことは面白くないから」という主張に近いと思われる。正反対だとアンジェに言われたプリンセス。これはアンジェとプリンセスが10年前に入れ替わっているという関係性に依る立場的な意味であって、性格・この世界に対する姿勢としては意外と二人は似ているように見えるけども。

あと天使と悪魔が出てくる作品と言って一番卑近な例として挙げられるガヴリールドロップアウトにおいては月ノ瀬と胡桃沢よりも天真と白羽の方が嘘をつきそうである。というか悪魔2人が嘘をつくようには思えない。

 

・アンジェさん一体何者

 

2話前半の学校でプリンセスを観察するシーンでは恐らく読唇術を行っており、パーティーに潜っては参加者の1分あたりの歩幅を計算し、首飾りの中に水溶有機色素カプセルを仕込み、プリンセスの声をほぼ完璧に再現し、左右の呼吸音の違い(と何かの薬を飲んでいたこと)から肺の病気を特定し、自分のことを女神と称し、プリンセスと二人で芝居を演じてチェンジリング作戦を潰し、尚且つプリンセスの身の安全を保証するよう計画を変更させたアンジェ。

かくして彼女の正体は超絶有能スパイというだけでなく本物のプリンセス(本名:シャーロット)であった。ロンドン革命で何らかの事情があって現在のプリンセス(本名:アンジェ)と入れ替わった。見た目がそっくり、目の色もほぼ同じときたら姉妹の可能性も高まるわけだが、姉妹かどうかに関わらず1話アンジェの「両親が殺されるのをこの目で見た」というセリフの真偽は王家の人間(どころか直系なら国王と王妃)の生死に直結することとなる。回想は間違いなく入るからその時に答え合わせ。

 

・アンジェとプリンセスの芝居

 

芝居を打つ相手は二人を除いた全員。プリンセスがアンジェとドロシーを共和国のスパイだと特定したように見せてコントロールを脅し、アンジェが時間的猶予のなさをコントロールに訴えることによってプリンセスとの取引を強引に取り付けるという筋書き。

 

アンジェ「目的は?」

プリンセス「女王になりたいの」

ベアトリス「姫さま!?」

アンジェ「貴女の王位継承順位は第4位よ」

プリンセス「あなたたちが手を貸してくれれば、1位になれるんじゃなくて?」

ベアトリス「国を売るおつもりなんですか!?」

プリンセス「ごめんなさいベアト。私、悪い女だったの」

ベアト「―――ッ!!」

 

ベアトリス、人気でそう。

このプリンセスの野心は本物だろうか。プリンセスに成り代わったのだから上り詰めたいというのは真っ当な感情だろうが彼女がそこまで野心家であるようには見えない。しかし何を考えているかも分からない『食えない女』なので色んな可能性が混在している。

 

 

・焦るコントロール

 

L「プリンセスが取引を持ち掛けてきた。応じなければAとDの正体をバラすと言っている」

おじさん「プリンセスにバレちゃったら、チェンジリング作戦は終わりだね」

7「AとDが逮捕されれば貸金庫の鍵もノルマンディー公の手に落ちます」

大佐「ならば取引に応じろ!」

 

7「プリンセスが独力でスパイを発見できたとは思えません。背後に何らかの勢力がいる可能性があります」

大佐「分析屋は黙っていろ!」

大佐「これは重篤な国際問題だ。条約違反が露見すれば、紛争が紛争のまま終わる保障はない。下手をすれば、世界大戦になるんだ!」

 

大佐「軍として要請する!プリンセスの要求を受け入れろ!」

7「プリンセスには二重スパイの可能性があります」

L「我々としては内部にモグラを抱えるリスクは看過できない」

 

通信使「Aからです!『情報漏洩の可能性ありと認められた場合、私がプリンセスを殺します!』」

 

こうしてみるとアンジェとシャーロットの2方向からジリジリとコントロールの選択肢を狭めていっているのがよく分かる。

A,Dはコードネーム。A:Ange、D:Dorothy、そしてB:Beatrice、C:ChiseでABCDと綺麗に並ぶ。Charlotteは特別枠。

 

 

CharlotteからAngeへの手紙

 

文字が小さいけど解析されたらしい。

My dear Ange

I have waited a long time for this moment. There are many things I’d like to talk about.

But there is little time to explain my dearest Ange.

I have become a spy like you become a princess.

I’m a spy on a mission. My purpose is to procure Mr. Morgan’s key chain.

Would you lend me your dress for this purpose?

I’ll explain in detail later.

I have to take responsibility for your difficult [???]

Sorry to spoil your dress…

Yours truly.

Charlotte

 

 

 

親愛なるアンジェへ

この瞬間をずっと待ってた。話したいことが山ほどあるわ。

けど時間がほとんどないの、アンジェ。

あなたがプリンセスになったように私はスパイになった。今は任務中。目的はモーガン氏が持つ鍵を奪還すること。

そのためにあなたのドレスを貸してくれないかしら?

あとで詳しく説明するわ。

私はあなたの難しい[???]の責任を負わなくてはいけない。

ドレスを汚してごめんなさい…

敬具

シャーロットより

 

 

 

じーっと拡大して眺めたけど[???]の箇所は”goal”のように見える。もしそうなら『私はあなたの難しい目標の責任を持たなきゃいけない』となる。大した情報は得られない。

 

パーティー中の二人だけのやり取りがこれだけなら、プリンセスの野心は本物という可能性が少し上がる。いずれにせよ10年前に二人がどのようにして入れ替わったのかというのがロンドン革命時のチェンジリングの争点になる。

 

 

構成が非常に複雑、1話あたりの内容も豊富で一度で理解するのが難しい凝ったアニメである。引き続き、3話へ期待が高まる。

スパイの本懐

PP1話のアンジェの嘘らしき発言をまとめました。ネタバレ注意です。

 

冒頭、エリックとの邂逅

エリック「だ、誰だ!」

アンジェ「通りすがりの宇宙人。黒トカゲ星から来たの」

 

メイフェア校の昼

エリック「どうして君みたいな子がスパイを?」

アンジェ「生まれた時に額に『スパイ』って書いてあったの」

曰く、「本当のことは面白くない」から嘘をつくとのこと。

 

昼ごはん

エリック「ん、これは・・・?」

アンジェ「トイレ」

 

病院視察の帰路

アンジェ「先に戻ってくれる?」

ベアトリス「どうしたんです?黒トカゲ星に帰るんですか?」

アンジェ「保険よ。万が一のための」

PP1話感想「いいえ、いいえ、いいえ」 - 軽い感想、浅い考察でも触れているがきっと万が一とは思っていない。

 

星空を見ながら

アンジェ「両親が殺されるのをこの目で見たの。ロンドン革命のときに」

エリック「それは・・・」

アンジェ「気にしないで、黒トカゲ星の話だから」

これは真偽不明。

 

あの世へ出発

エリック「そんな、急すぎる!エイミーはどうする!」

アンジェ「心配いらないわ、早く乗って」

ここの扉を開けるアンジェは少し憤っているようにも見える。

 

終着点

アンジェ「弾なら抜いてあるわ」

実際にはロシアンルーレット的な感じで少なくとも4発は入っていた。

 

アンジェ「貴方はスパイに向いてない」

(自分らと違って)嘘がつけない誠実な人間ということか、それとも銃弾を精緻に確認しない甘さを指摘してる?

 

エリック「これで僕は、亡命することも研究所に戻ることもできなくなった」

アンジェ「貴方の妹も、一生あのまま」

嘘である。エリックを絶望させて死ぬ抵抗を和らげようとしているのかも。

 

アンジェ「黒トカゲ星では殺す前にサインをもらうことになってるの」

エリック「は、ははは・・・。流石は家族を殺された経験者だな」

アンジェ「あれは貴方を油断させるための嘘」

エリック 「じゃぁ、君のオムレツがおいしかったことも」

アンジェ「嘘よ。買ってきたの」

エリック「星が綺麗だったことも」

アンジェ「きっと嘘ね」

エリック「殺すのか、僕を」

アンジェ「いいえ」

発砲。

「いいえ、いいえ、いいえ」

続けて3発。打ちすぎ。

 

とりあえず拾える分だけ拾ってみたけども、アンジェは全体のセリフのかなり大部分が嘘で塗り固められている。逆に分かりやすいと思うかもしれないが数多のフェイクの中に本当に真偽不明のものも混ざっているのが巧妙。

アンジェが嘘をつくのは「本当のことがつまらない時」であることを念頭に置いて振り返って見ると最後の「いいえ」が悲しく聞こえてくる。面白くないと思いながらも仕事なので殺すしかない。綺麗な思い出も全部嘘にしてしまう。

また、スパイじゃなく黒トカゲ星から来たと言っているのはスパイが面白くないと感じているということだろうか。1話の大半の嘘がエリックへの好意的心象の裏返しである中で冒頭の嘘はより深い領域にまで踏み込んでいると解釈できそう。

 

こんな感じでアンジェの言葉は含意を考えると面白いので2話以降も期待が高まる。

というか1話ラストは深く考えなくてもグッとくること請け合いだし是非見る人増えてほしいなぁ。

PP1話感想「いいえ、いいえ、いいえ」

PP1話の感想のようなものです。

未視聴の方はネタバレ注意です。

まず舞台設定がやや複雑なので今一度整理すると

・19世紀末
・ケイバーライト:一定範囲内の重力を無効化する不思議物体。アルビオンが独占。
アルビオン王国VS共和国、ロンドンで壁により東西に分裂、対立している。
・以来10年、ロンドンはスパイが暗躍する情報戦争の最前線となっていた。

 

OPについて

イントロかっこいい!!英語!!トランペットが暴れまくるジャジーな雰囲気はジョジョ2部OP"Bloody Stream"に似てる感じ。

Aメロではお姫様以外のスパイ4人とそれぞれの花が描かれている。アンジェは百合でチセは桜だけどドロシーとベアトリスの花は調べても分からなかったので詳しい人が特定するのを待つ(´▽`)
今のところ花は彼女たちの漠然としたイメージってことにして花言葉やらはまた後で考えよう。

Bメロらしきパートではイントロでも出てきた地下実験室的な荒れた空間でプリンセスがケイバーライトの明かりに照らされ浮遊、反転、落下。サビでそれを4人というかアンジェが飛んで助けるが、ここでケイバーライトの逆光から現れるアンジェはプリンセスの目には一瞬だが恐ろしい魚に見えている。抱きかかえられるとプリンセスは安心したように微笑むがアンジェは背後に銃を向ける。

...後ろにいるのは残りの3人である。裏切りの香りがプンプン漂っている。不穏なアニメなのは1話を見たら一目瞭然だが、悲しいものである。



【冒頭】

紅い月。どうやら吸血鬼が異変を起こしているらしい。
関係ない話だが、今ここで『霧のロンドン』と打とうとしたら『桐乃』って変換されてIMEもオタクだなぁと驚嘆した。
さて、ルパン的偵察シーンから物語は始まる。霧のロンドンでそんなに遠くから望遠鏡で見えるのか、と思いながらも主人公の姿とBGMがカッコよすぎたのでどうでも良くなった。

タイトルについて。

#1だけどもCase13 "Wired Liar"。訳すると『繋がれた嘘つき』。アンジェを筆頭に各スパイ全員のことを指していると思われる。

愚直に考えてCase13からカウントダウン形式で数が減ってくんだろうけど時系列も逆行するのかな。これが最後の事件、というようにはあまり思えないが。
とするとカウントダウンは誰かが関わった事件の『残り数』を表していて最終話でその誰かが殉職、みたいな線か。一番ありそうなのはアンジェ、次点でプリンセスか。


物語に戻る。偉い人の言いなりになって夜道を奔走する中年おじさん、空から美少女が落ちてきて流石に驚き荷物をブチまける。中身は王立バレー団の合格通知と手帳とプレゼント包装されたお菓子?そして水筒・・・のようにもCボール*1の冷却装置のようにも見える怪しい円筒物体。かくしてその正体は伝書バトBOXだった。あんな狭い中で大丈夫なのかな・・・。

ドロシーお姉さんの車に乗るシーン。チセちゃん、どう考えても時間的猶予あったしそんなアクロバティックな搭乗する必要なかったよね・・・まぁ1話だしファンサービス的なアレか。

カーチェイス。アンジェが撃ってるのはシリンダーにオシャレな模様の溝が入ってるウェブリー=フォスベリー・オートマチックリボルバー。1901年発売なので作中最新のリボルバー拳銃である。惜しげもなく連射するも防弾ガラスに弾かれる。ここで『タイヤ撃てばええやんけ!』と思うのは次元大介*2あるいは赤井秀一*3に毒されすぎである。

そしてCボールの冷却が済んだ後、浮く道具なんだし飛んで逃げるんやろなぁと思ったらまさかの敵車両を投げて走行不能(というか搭乗者を再起不能)にさせる斬新な展開。斬新とは言ったもののロンドンから逃げるわけでもないので敵の頭数は可能なときに減らしときたいと考えたら合理的判断か。

 

アジトに戻るとおじさんは目隠しプレイ。現役JKの着替えの音を間近で聞かされる拷問か・・・オプション料金高そう。目の前を移動してる女の子から良い匂いしてるだろうし、辛いだろうなぁ。着替えるなら目隠しさせるんじゃなくて別の部屋で着替えればいいしコレわざとやってるでしょ、いいなぁ。

ベアトリス「それも、王族の方々も通われる伝統と格式学校なんですよ(オタクを殺す笑顔)」

目隠し継続おじさん「なぜ、そんなトコに」

んー、メイフェア校って有名じゃないのか?壁越えてないし王国サイドであることは間違いないけどおじさんは知らなかったらしい。

プリンセス「初めまして、私は―――」

これ本名明かされないやつ?スパイだし他の連中もコードネームなんだろうけども。

7「希望者Eはプリンシパルのチームが確保しました。現在クイーンズ・メイフェア校に潜伏中です」

大佐「折角のプリンセスをつまらんことに使うものだ」

プリンシパルは単純に主要チームってことなのか、それとも何かの隠語なのか。
プリンセスにも何か特別な力があるかのような言い回しだし気になるところ。

続いてお茶会シーン。モブかわ。それに手を振るプリンセスかわ。んでここの構図で不自然な点としては一番日よけの傘に庇護されるべきプリンセスがギラつく太陽光線に晒されている点。何でやと考えるとベアトリスも日向にいることに気づき、全体を3周したくらいで日向チーム(プリンセス・ベアトリス)と日陰チーム(アンジェ、チセ、ドロシー)が明暗に分かれているという解釈に辿り着いた。恐らく仕事の上で人を殺しているか否か・・・。ドロシーはまだ直接的な殺人描写はないもののそれっぽい。裏切りの暗示という可能性もあるだろうけど個人的には日陰チームより寧ろプリンセス・ベアトリスが怪しいのでここではそう結論づけて納得しておく。

プリンセス「だって離れ離れじゃ、寂しいじゃない?」

絶対説得するチラ見で笑っちゃった。アンジェの暗そうな過去に付け入るプリンセス、そういうの好き。

 

地下街。ロンドンの地下街。スラムの一番やべーやつ。こういう描写も欠かさないあたりかなりリアル。

そして病院。超絶スムーズに装備をパクってナースに変身するアンジェはきっと演劇の舞台とかでも活躍が期待できる。移動ついでに何か置かれてた麻酔薬もゲット。俊敏。何に使うんだ―と思ったらエイミーの横で寝てた敵組織スパイ子ちゃんの首にブチ込む。初見は何事と思ったけど後半で首に包帯巻いてる子出てくるからそこで回収。廊下ですれ違った怪しい男二人から敵組織も監視役をつけてることを察知したアンジェが周囲の患者で怪しいやつにあたりを付けたといったところか。アンジェがいきなり患者(を装った敵)を襲いだしてびっくりしちゃうベアトリスちゃんだけど少しも声を上げないのは流石訓練済みスパイ。エッチな拷問されても静かに涙だけこぼすやつね、分かる。分かる。

ベアトリス「ケイバーライト障害・・・!?」

目が緑色発光。善野一美*4っぽい。ケイバーライトは夢の技術というわけではなく事故ると視力低下などの障害を生じるという負の側面も持っていた。アンジェもCボール多用しているうちにケイバーライト障害が発症したりしないか心配。

アンジェ「保険よ。万が一の」

アンジェさん先読みすぎィ!まぁこの時はエリック生存ルート信じていて本当に『万が一』だったのかもしれないけど、妹のことを言わなかったことは既に引っかかってるわけだし万が一は嘘かもね。

ベアトリス「アンジェさんってどこまで本当かよく分かんないです」

プリンセス「きっと本人もね・・・。でも、言っているうちに本当になる嘘もあるわ」

アンジェの言葉は1話だけでもかなり面白いけど、何でそんなカノ*5のような嘘つき体質になったのか過去編が待たれる。

 

続いて偽造書類を学校で堂々と書く2人のシーン。ガバガバな気がするんだけどw

ドロシー「反省文だよ。お前らも書くか?」

試合に恐らく選手として救援要請がくるドロシー、勇者部所属か?
学校ではとことん人気者っぽい。と思ったらスパイ内でも統率役だった。

ドロシー「スパイはみんな嘘つきだろう?チセだって嘘をついている」

チセ「お主もな」

ドロシー「どう?お互い正直になるってのは」

チセ「魅力的な提案だが、嘘をやめたらもう友達ではいられんだろうな」

ドロシー「それって友達か?」

チセ「親子だって嘘をつく」

良い会話。スパイという身元不明の怪しい職業を高校生のうちからやっている時点でみんなろくな出自でないのは明白であろうが互いに何か察するところがあるらしい。
不穏の種が芽吹くのはいつになるのか時間の問題だろうが案外かわいい話だったり・・・しなさそうだなぁ。

さて、王国の末端スパイとしての尻尾を出したエリックに対して共和国のスパイは逆に敵の根城を叩きに行く。他に行くアテもないしまずは3人でエイミーの病院の監視役の制圧。ベアトリスが汚れ仕事を引き受けなくて良い状況であることに留意。一人だけ生かして拉致って本部の位置を吐かせ、ベアトリスは残って変声技術を駆使し本部に偽の情報を送る。

引っかかったのは偽情報(目を離した隙にエイミーがいなくなった)を流す必要があったのかという点。定時報告のシステムが分からないからエマージェンシーを流したという解釈をしてるけどイマイチ分からない。

 

一方アンジェサイド。行き場を失ったエリックの終着点。

黒トカゲ星のルールとして死ぬ前にサインというのは嘘でよく見れば分かるがこれはエリック自身の生命保険契約書である。動転して気が付いていない説はあるがそんなものに署名しといて「殺すのか」なんて疑問を投げるものなのか。

この後のやり取りは実に痺れる言葉のやり取りであるので実際に見てほしい。

最終的にアンジェに銃殺されるエリックだが若干ふいうちの発砲に加えて何発も打ち込まれてちょっと不憫。まぁ保険金でエイミー助けてくれたから多少はね・・・。

 

アンジェの嘘についてはまとめをもう一つ書くのでそちらで。

 

こんなところである。1話限りの感想としては今までで一番詳しくたくさん書いた。それくらい気に入ってしまった。はよ2話見たい。

*1:小型高性能ケイバーライトボール

*2:リボルバーの先輩と思いきや時代的には後輩にあたる。

*3:走行車両から後方車両のタイヤを拳銃1発で打ち抜く変態スナイパー。趣味はカレー作り。

*4:咲-Saki-の登場人物。病弱で浮世離れした雰囲気。シノハユでは小学生時代が描かれてるよ。

*5:虚言癖の化身

運命の赤い糸

有頂天家族2のアニメ最終話までの感想なのでネタバレ注意

 

一言で良い最終回だった。二言目を述べるとすれば神アニメ化であった。三言目を足すと海星かわいい。

 

まずはAパート、矢三郎の夢でもそうだったが弁天は氷結能力を前面に押している。これは弁天の冷血をイメージしてる、と言いたいところだが【2】において弁天の立ち位置は【惨敗・屈辱】と思われるのでそこまで合致しない。どちらかというと冷血なのは二代目なんだが最終話においてだけは彼の心象が【激高・逆上】だったので炎を使いこなすことになった(弁天が氷なのはこの対比のためだけのように感じる)。

 

「貴女は本当にそっくりだ...」

 

この描写、アニメから入った人は理解できるのかなーと思いながら原作読了太郎はバツ印の追加描写にニッコリしていた。彼女は敗北した二代目に見切りをつけ、弱さを自覚した二代目が「見るべきものを見に」英国へと赴くという二代目のオリジンの話。天狗の背景描写は少ないので注視しなければならない。

 

それにしても放送前から期待していた最終盤の荒れ狂う二代目の描写は圧巻だった。ほんとに子供みたいに拗ねてて、悔しそうで、弁天を撃墜して鬱憤を晴らしたかと思っても業火に揺れる自宅を眺めるとあの時と同じ敗北的虚無に晒され、心の底から憎悪していた父親に鎮火という隠喩で慰められ、追い打ちを掛けるように降り注ぐのは父親に負けたあの日と、ロンドンのあの日を思い出させる大雨ときている。流石に彼の心も折れてしまうわけである。この一連の展開を満足いくクオリティの映像で見られて感動した。

つかぬことを言うと「悔しかったら、強うなれ」のセリフはもっとゆっくり言ってほしかった。

 

Bパートは後日談がメインである。

まず最初に、原作のラストシーンである矢三郎と弁天のシーンが来て拍子抜けした。弁天は人生初の敗北からそこまで時間を置かずに二回目の敗北をしてやはり尋常じゃなくヘコんでいた。それを矢三郎が慰めてあげるわけだが彼は彼女に自分が必要ではないことをようやく自覚する。それは相手が自分を食べようとする人間だからか、はたまた天狗と狸の平行線的関係性に依るのか、その両方なのか。まぁ今の弁天がまだ矢三郎を食べてしまおうと思っているかどうかは怪しいところなんだが、ひとまず矢三郎が初恋に決着をつけたということで。

次のシーンは俺妹完走後なので呉一郎の声(中村悠一)に笑ってしまった。良い性格した男がこんなカッチョイイ声してて好感を持たないわけがない。

そしてポンポコ仮面と結婚式を飛ばして、矢三郎と二代目の会話である。特筆すべきは「私と君は友達になれるだろうか?」というセリフの削除。これは二代目の意図が読みにくいがために不自然な描写を残すことを嫌った結果のようにも見えるが次作への伏線というのはそういうものなんじゃないだろうか。お互いの未来を称える友好的関係というだけで二人の位置づけとしては十分という判断かも。でもさっきのセリフに対する原作矢三郎の返答は平行線は交わらない、だからなぁ。細かいが気になるところだ。

 

「いずれ夫婦になるよ」

 

来たな。原作では8話『夷川海星の秘密』の終盤の激エモシーンの直後にこのエピソードが入っており急すぎる違和感がすこしあったけどアニメでは海星の駆け落ち宣言と矢三郎の守るべき存在としての意識の萌芽を先に描写して改善されている。最強としか言えんが、もう健気も健気、嬉しそうに足を動かす海星がかわいすぎる。勝手に幸せになるがいいという師匠の言葉が耳に沁みる、これ以上とない幕引きであった。

 

有頂天家族3について特に話は出なかったけどいつ原作が出るのか気が気じゃない。2までから透けて見える話のネタとして

・海星VS弁天(一番見たい)

・矢三郎と海星(化けの皮の克服)

・矢次郎と青蘭

・呉一郎

・地獄から舞い戻るあいつら

・二代目と師匠の決着、天狗世界の安定

 

楽しみがいっぱいっていいよね。夢が広がる。

レポートの傍らで俺妹の感想を書くわけがない

二日で二期までの全話を完走してしまったわけだが端的に言って素晴らしかった。以下、キャラごとに焦点を当ててつらつらと感想を書き連ねる。

 

1.高坂京介

本作主人公。1期において自分が嫌っている妹のピンチを無差別に救う様を見て、松岡系ピンチケラノベ主人公の安っぽさがないカッコイイぐう聖主人公だと感銘を受けた。なぜこの兄を嫌うようになったのか、桐乃の心情がなかなか理解できなかったほどである。俺のゴミカス兄には微塵も感じられない『兄』の偉大さ、兄たる所以を遺憾なく発揮しており、とても魅力的だった。

しかし2期に入ると打って変わってかつてのカッコよさはどこへやら、ここぞという場面での優しさは見せるものの基本的には優柔不断ヘタレキモオ太郎に成り下がる。これには大いにがっかりしたのだが、実家のような安心感を得たこともまた事実である。

ところでゲー研入る前こいつ部活とか入ってなさそうだけど放課後一体何してたんだろう。

 

2.高坂桐乃

ぐうかわヒロイン。回想やそれっぽい仄めかしが入るまではてっきり爆轟勝己と同様、なまじ(兄より)万能であるが故に異常なまでワガママなのかと思っていた。お兄ちゃんっ子が理想のお兄ちゃん像を失って凡人と化した兄とそれを促して【すごい兄貴】を奪ったクソメガネを嫌うという結果に至ったのは理解の範疇だが、表向きは毛嫌いしていても結局ずっとお兄ちゃんのことが好きで、【すごくない兄貴】のプロポーズにもOKするという倒錯っぷりは中々トんでいて良かった。嫌よ嫌よも好きのうち、後半顕著になるが桐乃のセリフは反語的で「バッカじゃないの」というのはおよそ肯定のサインになっていることに注目すべきだろう。素直じゃないというか、彼女のセリフには「察しろ」という注意書きがなされている。私の本心を汲み取ってよ、兄貴なんだからという妹としての無自覚な甘えの顕現と解釈する。

陸上をしてるのは現在の兄貴が【停滞】がテーマであるのに対して【変革】を意識していることの現れと思った。ただ、もっと先へ走って行こうという前向きな気持ちはあるもののいざという時に背中を押してくれるのはいつも京介であるというのは皮肉なものである。

外見について。私服がありえんかわいい。特に黄色のサンタコスみたいな服がお気に入りでアレは絶対に良い匂いがする。髪は回想のときより明らかに明るくなってるけど染めたのかなぁ。そして長い目で見ると二期の桐乃は一期より色がだいぶ白くなってた気がする。陸上の日焼けの影響とかかと思ったけど真相は定かではない。

 

 

3.黒猫

Twitterでも触れたけどキャラ込みでぷよぷよのフェーリに似てる。あと黒装束の姿はハードゴアアリスの眷属であることを感じさせる。高圧的な花澤香菜は刺さるものがあってtotemoemoi。

彼女について特筆すべきは「好きな人と恋人同士でいること」よりも「好きな人とその妹(自分の親友)の本心を問い詰めること」を優先したという心理である。自分と相手が両想いであれば普通は何の問題もない最高の状態だというのに、彼女は高1にして異様なまでに大局的な判断を下した。まぁこれは有体に言えば「本当に私のことが好きなの?」という話に近いのではあるが、明確な浮気現場を押さえたわけでもないし相手自身がちゃんと好きだと言ってくれているのに「大好きなあなたと別れる」選択肢を投げかけるなんて悲劇の種を撒く度胸がそんじょそこらのJKにあるはずがない。異常なメンタルと兄妹への愛である。

次にそのかわいさについて。ハードゴアアリスモードはポイント低いが制服姿はあまりのかわいさの衝撃でベッドから転げ落ちるくらいにかわいい。ぶっきらぼうで毒舌の割に甲斐甲斐しい性格をしているのは絶対童貞殺すタイプと言えよう。常に意味不明なことを口走って余裕を持った態度を装っているだけに、桐乃を選ぶから黒猫は選べないという決断を告白されたときの号泣は嗜虐心をくすぐられるものがあった。

 

4.アヤセ=アラガキ

今作においては一番イってる子である。一期における桐乃との絶交事件ではその狂気をアピールしてくれたが京介の意味不明な解決方法で一件落着となった。あんなんで何で解決になってるんや、と一期見てるときには腑に落ちなかったものだが二期後半で回収された。つまるところ京介の狂言に騙されたフリをして桐乃との仲を取り戻した、そして騙されたフリをしている以上京介には辛辣に当たり続けるほかはない(本当は私たちの仲を取り持ってくれたお兄さんのこと...)、というようなことだったらしい。この件がよく分からなくなっているのは人権を失ったはずの京介が執拗にアヤセにセクハラしているということも原因であり、それっぽく良い話にまとめられたもののこの二人の関係性の描写は若干破綻してるように思う。

キャラとしては異様に桐乃に依存しているガチレズ...かと思いきや初対面からお兄さんのことを気になってみたり、というフラフラした性格である。こんな特徴の人間を表すことばに【メンヘラ】というものがある。象徴に包丁や手錠が描かれるくらいにはヤバい子だけど家事全般できるしかわいい子だから許されてるみたいなところだ。手錠の淵を指でなぞる仕草はかなりグッときた。

 

5.クソメガネ

一期では「こいつの話いるか?」と思い、二期では「何突然妨害し始めんねん殺すぞ」と思ったクソメガネである。二期終盤回想、小学生の桐乃に対して【すごいお兄ちゃん】なんて元からいなかったし兄妹で恋愛は許されないことなんだというぐう畜宣言を下す。さて、後者は京介を奪いたかったということもあるだろうし妥当といえば妥当なのだが、前者はどういうことだろうか。活動的で様々な活躍を見せていた小学生京介があっというまに鎮静化した理由が桐乃の言う通り本当にクソメガネの影響ということならどんな洗脳能力だって話になるわけだけど言葉の含みはそういうことである。

まぁこんなクソメガネについて考察するのもバカバカしいので踏み込まないでおく。

 

 

とりあえずこんなところで。

二代目の憂鬱

有頂天家族~二代目の帰朝~に関する雑記をメモがてら少々。

 

さて、本作『二代目の帰朝』は3部からなる有頂天家族シリーズの第二部という位置づけであるが、ただいま絶賛アニメ放映中でもあり筆者も2ヵ月ほど前に原作を復習読了した。そのためアニメしか見てない人にとってはネタバレになりうる内容も含むかもしれないので注意されたい。

 

まず、タイトルにもなっている二代目とは。

 

一つ目は代名詞としての【二代目】。かの弁天を打ち破る天狗的才能を持つ英国紳士のこと。この説明でも明らかになるように、彼には【二代目】以外の呼称が与えられていない(『英国かぶれ』などは除く)。すなわち彼はハイセ*1である。さらに本人は【二代目】と呼ばれることを忌み嫌う。名前は存在を語る上で超重要な要素なのだが、それどころか彼は嫌な呼ばれ方でしか呼ばれないという鬱病案件を抱えているのだ。紗霧は自ら呼ばれたくない名前を名乗ったから自業自得であるし紗霧というちゃんとした名前も持っているのに対し、二代目は望んでもないのに天狗に拉致され勝手に二代目候補にされ洛中界隈で二代目としか呼ばれなくなり、挙句の果てには正当な二代目からも勘当?される。

では今の彼は何なのか。二代目でもないのに二代目と呼ばれる負のアイデンティティを背負って生きる彼は物語の最終盤で暴れ狂う。これが天狗の悩みというものなのかは定かではないが、第三作では二代目に対する全うな救済が用意されることを願うばかりである。

 

次に、関係性としての【二代目】。第一作に対する第二作、というメタ的な二代目。総一郎が務めた偽衛門の二代目。赤玉先生が胡坐をかいた如意ヶ嶽薬師の二代目。おまけで早雲が務めた偽電気ブラン工場の二代目。

物語の中でそれぞれの二代目が現れるが、重要であるのはやはり偽衛門と薬師の二代目であろう。そして、語られずとも厳然と立ち現れるメッセージがある。

 

「二代目は先代に敵わない」

 

玉蘭の件以前はあんなにとんがっていた矢一郎であるが、いくら丸くなったといえども先代下鴨総一郎には敵わないことを自他ともに認めている。それは総一郎の要素を4兄弟が分け合った(総一郎が4兄弟の要素をすべて兼ね備えた最強の狸)という設定からして当然のことである。

そして、薬師の二代目。物語を通して余裕を崩さず弁天をも打ち破り天下無敵の存在かと思わせておきながら、クライマックスで家を完全破壊され燃え盛る自宅へ威風堂々とやってきた【父親】に対して、それまでは天狗の力も誇りも失った侮蔑すべき老害だと認識していたにも関わらず最後の最後で「敵わない」と自覚してしまう。個人的にとても綺麗なワンカットでアニメの描写にも期待している場面なのだが、原作においては「なぜ二代目が赤玉先生に敵わないと悟ったのか」が明確には表現されていない。そこが表現せずとも【二代目】が【先代】に勝てないという関係性の為すところなのだと解釈する。

 

最後のシーンにとどまらず、二代目の帰朝においては意図してかどうかはさておき天狗サイドの心理描写が不足している。大団円で締めくくると思われる三作目において天狗たちの思うところも描いてもらうと嬉しいのだが果たして。

しかしこれでも進歩はあったのだ。第一作『有頂天家族』の時点では弁天は誰にも抑えられない暴君であり、彼女が考えることもほとんど理解できずおよそサイコパスであったにも関わらず、二作目においては二代目に敗北を喫したことをはじめに人間味が出てきたというか共感が得られるサイドに寄って来た。

負けっぱなしで黙っている彼女ではないだろうが・・・。海星が弁天を執拗に嫌う理由もはっきりしないので海星VS弁天の決着(矢三郎の取り合いのキャットファイトならぬたぬきファイト)も見たいし最終作に期待するものは多い。

 

とりあえずこのくらいで。

*1:東京喰種:reより、ドイツ語で『名無し』の意